BRM516 宇都宮 400km 完走記

2009年5月16日 am 7:30 Start 〜 2009年5月17日 am 4:15 Finish (20 h 45 m)

M.Shishido@Team HOSHI in Yonezawa, Yamagata

AJ 宇都宮の HP より転載


 前夜は準備を終えてから9時少し前に就寝。起床は0時40分。軽く食事をしてから,なんだかんだと準備して2時少し前にアオキ邸に。自転車積んで宇都宮に向ってゴー。宇都宮のサイクリングターミナルに5時前に着。なんだ,こんな時間で着くんだったら,3時スタートでもよかったかも。今後は所要時間「3時間半」で計算すること。>オレ

シーニック*)と云われるコースを走る
*)scenic : 眺めが良い、眺めの美しい、景色のいい、生き生きとした、風光明媚な

 6時半頃に受け付け。なんだかんだ準備してブリーフィング。参加者の中に,生きながらにして伝説となられたブルベライダー・へばなさんがいた(勝手にリンク,すいません)。ご挨拶して,自慢の「愛車」を見せて頂いた。毎回ビリだという「へばなさん」。今回の目玉は,リアのキャリアに付けた百円ショップで見つけたという「ほうき」。スイーパーということらしい(笑)。ママチャリで一番困るのは,「後輪パンク」の事態だが,まだ,パンクしたことはないとか。サドルと尻痛について訊ねてみると,このサドルだと 600km のときも全く問題なかったとか。以前にマウンテンバイクなどで走った時には尻痛でどうにもならかったらしい。#追記:見事に完走。おめでとうございます。

 その他にもいろいろと面白い工夫のされた自転車を見つけては写真に撮らせて頂いた。上は,タッパにコマ図の縮小コピーと GPS を入れて,アシストバーのようなものにバーエンドのシフトレバーを付けたマシン。ちなみに,スタンド付きである。スタンドは PC のコンビニが混みあっているときなど自転車の置き場に困らないという利点がある。欠点はもちろん重量と見た目(笑)。

 下の画像は,コマ地図をロール状にしてクルクルと廻して次のポイントを見ることが出来るようにしたもの。コマ図の入れ替えなどの手間がない分長い距離では有利になりそうだ。ちなみに,この方がトップでゴールしたのかな? それにしても,長距離を出来るだけストレスなく走ろうと,様々な試みがなされている自転車を眺めるだけでも楽しい(笑)。

 そしてブリーフィング風景。参加者は48名とか。実際にスタートしたのは30名くらいか? 最年少は28歳,最年長は60歳とのこと。30代と40代の占める割合が,実に77%と,ブルベはまさに大人の遊び(笑)。

 ってことで,車検を済ませてから7時半に長い一日のスタート。ザックには,モンベルのゴアテックス雨具上下,カンパニョーロの簡易雨具,替えの電池類,補給食,レッグウォーマー,ウィンドブレーカー,指付きグラブ,レインキャップなどを入れた。本格的な雨具の用意は,昨年の 1000km での経験を踏まえてのこと。長い時間,簡易雨具のままだと思った以上に身体にダメージが来る。特に雨具の下は,レーパンを濡らさないために必要だ(濡れると「擦れ」の原因になる)。普通(?)の雨なら簡易雨具+ゴア雨具の下で大丈夫だろう。

スタート〜 PC1 (75.3km) 南会津町萩の原:5/16 10:42

 ブルベのスタート時からしばらくの間が,実はあまり好きでない時間帯。車の迷惑を顧みずに集団で走行したがるからだ。今回も,オレとアオキ氏の後ろに7人ほど(もっとか?)が付いて一列棒状。後方から来る車も抜くタイミングをつかみ辛い様子。中の誰かが状況を察して3人ほどのグループに分断して,距離を空けてくれると走行時の安全が図れるのだが,..。

 こうした状況に少々うんざりしかけたときに携帯に着信。これ幸いと集団から離脱。仕事関係の話だった。「ゴメン,休みに。いま,いい?」「はぁ,まぁ,大丈夫です(まさか,ブルベで自転車走行中とは言えんかった)」。ここで約5分弱停車。ここからは景色を愉しみながらの,お気楽単独走行。やっぱ,ブルベは一人で走るに限る(笑)。

 五十里ダム(いかりダム)付近は水がきれいだし,緑も奇麗だし,「シーニック」と云われる理由がよくわかる。でも,まあ,これを「シーニック」というなら,オレのいつものコースはすべて「シーニック」だ。東北万歳!(笑)。下は,五十里ダムの上流付近。

 渓流釣りの人が沢山目に付いた。一人は,ポイントの上の木の枝に引っかかった糸を外そうと奮闘中。見れば,仕掛けの先端には小ぶりなイワナが,..(笑)。合わせをくれた瞬間に糸が引っかかったらしい。ご愁傷様(笑)。

 そんなこんなで PC1 に到着。10時42分。追い風にも助けられて,そこそこのペース。雨の降る前に,暗くなる前に,距離を稼ぎたいと思っていただけに,これは幸先がいい。コンビニのおにぎりは完売状態(笑)。適当に買い物して休憩なしでスタート。

PC1 〜 PC2 (139.0km) 尾瀬御池:5/16 14:30(?)

 ここからは登り続け,標高 1000m ほどの中山峠を越える。そこからは R401 との合流点までずっと降り。景色のいい山村風景を愉しみながら,桧枝岐村へ向う。R352 脇を流れる伊南川の水の清冽さと透明感は,山形置賜辺りではちょっとお目に掛かれないほど。桧枝岐は初めてだったが,ちょっと不思議な雰囲気で惹かれるものを感じた。少々閉鎖的な環境で,恐ろしく長い年月の間に醸し出されたとでも言うような雰囲気の集落だった。名物の蕎麦でも食おうかと思ったけど,なんか,腰を落ち着けると再び走り出すのが面倒になりそうで,また次の機会とした(直ぐに来そうだ。苦笑)。下は登っている途中で見えた残雪の頂き。走行しながら携帯で撮影。山の名前はなんて言うんだっけ? この辺りからパラパラと雨が落ちてきた。

 PC2 まであと 10km ほどになってから勾配が急になる。10% オーバーの箇所もいくつかあったように思う。 PC2 に近い辺りにあった「ブナ坂の清水」。尾瀬の雪解け水がブナ林から沸き出してくるもので,飲んだら美味そうだけど,観光地だからなぁ,..。そして,画像はこれでおしまい(笑)。いちいち撮影するのが面倒になってきたのと,パラパラと降り出した雨と,そして徐々に近づいてくる夕暮れのため。

 PC2 の「御池」に着いたのは,2時半頃(もう少し前か?)。スタッフにチェックを受けて軽く補給して,オシッコ (:-D) して,ウェア(簡易雨具+レッグウォーマー+指付きグラブ+レインキャップ)を身に付けて直ぐに下る。下り始めて直ぐにSさんとすれ違って,ご挨拶。

PC2 〜 PC3 (208.3km)南会津町田島:5/16 16:55

 ここからは快適なダウンヒル。来た道を折り返す。途中で,結構な数の参加者とすれ違う。へばなさんもおられた。後ろには3人ほど引き連れた「へばなトレイン」の先頭で元気に走っていた(笑)。本当に凄い人だ。桧枝岐では今日と明日,ヒルクライムレースがあるので,沢山の坂バカ・ローディーとすれ違った。ゴチャゴチャと人の集まるイベントはあまり好みではないのだが,この場所なら来てみてもいいなと思った。

 さて,次に向うのは標高 1000m ほどの「駒止トンネル」。R401 を走り,R289 に右折。その手前を走っているときに,何ともいえない空腹感を感じて,R289 に入ったところにあった温泉施設(きらら 289)で小休止。自販機でコーラを買って,ザックに入っていた PC1 で購入したパンと一緒に胃に入れる。補給後直ぐにスタート。ここからはどんどん登る。途中で下ってきたロードツーリングらしき一団とすれ違う。最後尾にはサポートカーが付いていたが,どちらの方々だったのだろうか? なんか,こっちを知っているような様子で手を振ってくれた方が数人いたが,...気のせいかも。

 駒止トンネルは排気ファンが煩くて,後方からの車の音も聞こえないほどで,何度も後ろを確認しながら走行。車を怖がるあまり,あまり路肩近い場所を走るのはかえって危ないように思う。少し車道側を走っていて,車が近づいたら路肩によるような走り方がむしろ安全なように思う。後方の LED 赤ランプは3発点灯(笑)。

 ずっと降って行って,会津田島の PC3 に到着。午後4時55分。実は,この PC3 の前に,コマ図の積算距離の違いに気が付いた。会津鉄道を越えたところのポイントの積算距離と区間距離が 3km 弱ほど違っている。コマ図のポイントはここじゃないのか?と思ったが,地図を見ても,この先に鉄道と交差するところはない。そんな訳で,距離の狂いを頭に入れて走って,PC3 に到着。一人,休憩しているブルベライダーに距離のことを訊くと,確かにちょっと違っているとのこと。このために PC3 をスルーしてしまった方が,しばらくしてから逆方向から「やっちまったぁ〜〜!」と入ってきた(笑)。

 ここで食事していると,ロード乗りが一人来た。てっきりブルベ参加者だと思い,話しかけたら,桧枝岐のヒルクライムに初日だけ参加して帰るという方だった。郡山から自走で来て,これから郡山まで帰るとか。郡山サイクルフレンズの方。今回のブルベの田島からのコースを聞いて,「狂った距離感」に感心して頂けたようでなにより(笑)。名前をお伺いするのを失念したが(こればっかりや),無事に帰られたでしょうか?

PC3 〜 PC4 (265.5km) 白河市大信増見:5/16 19:53

 田島を出発して,次は白河に向う。その間に立ち塞がるのは昨年開通したばかりの「甲子トンネル」(4400m)。越えるべき峠の標高はトンネルのために低くなったもののやはり 1000m ほど。勾配はきつくはないものの(きつい箇所もあった),約 10km のヒルクライムをこなしてトンネル入口に着くと,そこが「シークレット PC」だった。宇都宮のスタッフが2名待っていて,通過のチェック。コーラを一杯頂く。ご馳走さまです。ここから匠光楽のライトに灯を入れる。ここからは降りなので,またウェアを着込んで走り始める。トンネル内部は比較的明るく走りやすい。ここからは豪快なダウンヒル。

 すっかり暗くなった頃に,白河市の大信増見のセブンイレブンに到着。午後7時53分。誰もいない。ちょっと寂しい。ここでいなりやらおにぎりをむさぼるように食う。最近は,どんなに長い距離を走っても食欲が落ちるということがなくなった。これが結構有り難い。ずっと小雨が続いていたが,少し雨粒が増えたような気がしたので,ここまでのウィンドブレーカーからカンパの簡易雨具に換える。

PC4 〜 PC5 (304.8km) 道の駅・塙:5/16 22:00

 PC4 を出て直ぐに雨が本降りになってきた。このまま PC5 まで走るか,どこかできちんと雨具を付けるか,...と考えながら走っていたが,道に水溜まりができ,レインキャップのつばでも眼鏡への水滴が防げなくなってきた頃に,セブンイレブンの軒下で雨具を付けた。シューズが濡れるのを少しでも遅らせようと,手持ちのコンビニの袋をシューズに被せ縛りつける。そのままペダルにクリートを嵌め込んで簡易シューズカバーの完成(笑)。このままの状態で走り続ける。

 ラミネート加工されたコマ図に水滴や水の膜ができて,それがヘルメットに付けたヘッドランプの光に乱反射し,コマ図が非常に見辛い。区間距離表示用のメーターも同様にグローブで水を拭きとらないと数字が読めない。そのせいもあって,どうしても走行スピードが落ちがちになる。夜の国道,雨,..と来ては,走っていても一向に楽しくはない。雨さえなければ,ナイトランも比較的乙なものなんだが。

 で,こんな時には,「人間,辛抱だ。踏んでさえいれば,いつかはゴールに辿り着く。焦らず,騒がず,淡々と,..。すべての自然現象をありのままに受け入れろぉ〜〜〜!!」なんてかっこいいこと考えるが,やはり辛いもんは辛いY(笑)。幸い,R118 の交通量は思ったほど多くなくて助かった。午後10時に PC5 の道の駅・塙に到着。

 ここでカップラーメンやらメロンゼリーやらオレンジジュースやらコカコーラなどをガッツリと補給。カップ麺を啜っていると,石巻のSさんともう一人の方が到着。シークレット PC では30分差があったというが,とうとう追いつかれた。Sさん,速くなったなぁ。ナイトランは好きだというSさん。雨の中のナイトランすら,別の意味で楽しみがあると言う。Sさんの過酷な状況に対する強さは昨年の 1000km のときに見せつけられている。こういう強さを身に付けたいもんだ。簡易シューズカバーはチェーンリングなどでボロボロになっていたので,ここでビニールテープを買って,もう一度簡易シューズカバーをがっちりと製作(笑)。Sさんに「お先に!」と一人で次の PC を目指す。

 脚の方は全く問題なし。目立った疲労感もなし。が,この先の 100km に思いの外てこずることになるとは,このときは思いもしなかった。

PC5 〜 PC6 (360.7km) 那須烏山市神長:5/17 01:21

 雨は降り続ける。眼鏡に付いた水滴を拭い,コマ図に付いた水滴を拭い,メータに付いた水滴を拭い,一踏みずつ距離を稼いで行く。やはり,これは人生そのものだ。こういう状況に己の身を置きたくて,オレはこの遊びを始めたんだと改めて認識しつつの雨中のナイトラン。

 ここから先は昨年の 600km の時に走っているはずだが,今ひとつ覚えていない個所が多い。ある箇所のコマ図から「1km 走れば,一時停止の標識のあるT字路に出る」と読めた。が,区間距離は既に 1.2km になっているのに,まだ山道を登っている。昨年の「トレース399」でのミスコースのことが頭をよぎる。どこにも別れ道はなかったはずだと,一旦戻る。しばらく戻ると前方から強力な光がユラユラ揺れながら近づいてくる。Sさんともうお一人の方だった。

 「あれ?どうしたんです?」と訊かれたので,「この道でいいんだよね。なかなかT字路に出なくて,..」ともう一度コマ図をよく見ると,「1.0」と読み取ったはずの数字が実は「1.9」だった(爆)。「9」の数字の上の水滴のせいで「0」に見えたようだ。う〜ん,こういうこともあるのか,...。雨中のナイトランで,スムースにトラブルなく距離を稼ぐことの難しさを再認識した。

 ここからはSさんともう一人の方と一緒に走り,PC6 に到着。午前1時21分。この区間は平均時速 20km/h 程度。流石にスピードが上がらない。こういう状況下で 23~24km/h を維持できるなら大分タイム短縮ができるんだろうけど。

 ここで最後の補給。豚汁と讃岐風うどんを食う。しょっぱい汁が涙が出るほど美味い。さて,残り 40km だ。だが,ここからが問題だった。

PC6 〜 ゴール(402.1km)宇都宮:5/17 04:15

 雨は強くなったり,弱くなったりしながら降り続ける。残り 40km だが,流石に宇都宮のスタッフの作るコース。小さなアップダウンがこれでもかとつきまとう(こういう拘りは嫌いじゃないですが)。そして,ついに嫌なものが襲ってきた。それは猛烈な眠気。ガードレールとセンターラインの熱烈ラブコールに抗いつつ距離を稼ぐ。Sさんも眠くなってきたとかで,途中でたまらず,歩道橋の階段下に潜り込んで補給やらストレッチやらで眠気覚まし。過去の経験から,ハンガーノックになると,この種のどうしようもない眠気に襲われることがわかっていたので,手持ちの羊羹などを補給する。しばらく休憩して再スタート。

 しかし,眠気はなかなか醒めず,さらに,外灯やら濡れて光る路面がおかしな感じに見え始めた。600km のときにも経験した一種の「幻覚」だ。例えばこんな感じだ。「あ,あの濡れた路面,座った犬の形に見えるなぁ〜・・」なんて思っていると(こんなこと考えること自体,あまりまともじゃない),その犬の形の模様がいつの間にか立ち上がって,犬の姿になって走り去るという感じ。もう幻覚を見ているといっていい状態になってきた。ここまで来ると,頭の中の醒めた部分では,正直やばいなぁと思いつつ,早くゴールに着きたいので休憩はしたくない,早くゴールに着かないかなぁという思いばかりが強くなる(苦笑)。

 揚げ句の果てに,区間距離表示用のメータが作動しなくなった。速度表示は0を示している。さらに,コマ図はびしょ濡れでますます見辛くなり,停まって目を近づけないときちんと見えない状態になってきた。残りは 20km ほど。仕方がないので,GPS を利用しているSさんに,「ここから先は付いていくから,ゴールまで連れて行って。db(^^;」とお願いした。

 残り 20km ほどからは,なんでこんな面倒なコースにしたんだという感じの細々と曲がる入り組んだコース設定。最後に登った小さな丘など,あまり意味がないようにも思うのだが。R293 に出て,素直にゴールまで走った方がよほどスッキリしているように思う。

 そんなこんなで,雨の中のナイトランですっかり神経が磨り減った状態で,空が白々とし始めた,午前4時15分に宇都宮森林公園にゴール。20時間45分で完走。最後のたった 40km に2時間半ほども掛ったことになる。ゴールでは,宇都宮のスタッフが待っていてくれた。お世話になりました。ありがとうございました。最後の 40km を除けば(:-D),素晴らしいコースでした。また,走りたいと思います。

 また,最後の 40km をご一緒して頂いたSさん,ありがとうございました。お世話になりました。また,走りましょう。同じ苦労を共にした参加者すべてに「ありがとう」です。あ,最後に,励まし(?)の電話をいただき,途中経過の BBS へのアップをして頂いた,加藤さんに感謝。^^;

 ゴール後は,適当に後始末をして,車の中で寝た。あっという間に寝て,1時間半ほど。目覚めてから,しばらくアオキ氏(午前2時半頃にゴールしたらいい)とバカ話をして,ウダウダと過し,8時半頃にSさんと共に風呂に入ろうとロマンチック村とやらへ出かけたが,風呂は生憎10時からとか。面倒なので,そのまま帰ることに。高速道路への入り方で少々手間どったり,途中で眠気が来たので SA で寝たりしながら帰米。

 帰宅後は,風呂と食事とビールの後は,幸せな昼寝を3時間ほど。起きたら,腰周りが固まったようになっていたので,入念にストレッチ。夜はジロを観ながら一杯やって沈没。

走り終えての感想

 月並みな感想ですが,景色がきれいだった。南会津はまた走ってみたい。素晴らしいコースをありがとうございました。