ジョルダン職業訓練技術学院プロジェクト

2001年12月のコラム

今年もあとわずか

いろいろあった1年ですが、今年も残りあとわずかとなりました。ジョルダンへ来て3回目のお正月を迎えることになります。1年の間にはいろいろな行事がありますが、こちらのお正月は淡々としたもので、あまり変化はありません。年末年始の休暇といっても1月1日だけですのであまり強い印象ではありません。それよりも、やはりラマダンの方が印象としては強烈です。ただ、近年は偶然にラマダンが冬の時期となっていますが、ラマダンの開始日は毎年11日ずつ前にずれていきますので、ラマダンが夏の時期になる場合もあるわけです。日が長く、暑い夏の時期のラマダンはかなり厳しいと聞きます。従って、ラマダン期間とお正月の間が空けば、お正月も結構印象が強くなるのかもしれません。(by K)

国家の行方 (2)

2002年はヨーロッパでついに通貨統合が実現します。今後ヨーロッパでは、国家という枠組みが少しずつ曖昧になっていくのかもしれません。"自分はフランス人ではなくノルマンディー人である" などと、より個人のアイデンティティーに根ざした意識を持つようになるのではないでしょうか。一定の経済水準が保証されるという条件は必要でしょうが、世界の各地域で、このような意識変革はますます加速していくものと思われます。自分にとって居心地がよいと感ずる共同体に所属することは、きわめて自然なことだからです。そのような場合、宗教はとても重要な要素だと思います。ひょっとしたらビートルズが好きだという条件だけで、1000万人くらい集まってしまうかもしれません。あなたが今、あらためて所属する国や地域、コミュニティーを選ぶとすれば、どこを希望しますか?。私の場合は・・・、独立国家を宣言するかなぁ・・・。お金があればなぁ・・・。(by I)

国家の行方 (1)

"国家(State)"とは、一般には一定の地域社会の上に成立する統治機構(権力組織)をさしますが、その下にある社会そのものをさす場合もあります。古くはギリシャの都市国家、古代ローマや中国にみる帝国、遊牧民の部族国家、中世ヨーロッパや江戸時代幕藩体制のような封建国家など、いろいろな形態があります。しかし、今日わたしたちが"国"として認識しているのは、16〜17世紀の近代西ヨーロッパ社会が生みだした政治共同体としての国家の形でしょう。近代国家は領域・主権・国民(民族)から構成されます。特に国民は言語、文化、宗教など相当の共通性が保たれているべきものですが、近代国家ではそれを政治的に包括してしまいました。そのため、多くの地域ではその後民族を基本的単位とした国民国家(Nation State)へと再編成される動きがありました。そして21世紀を迎えてなお、独立を求める地域紛争はたえません。(by I)

ラクダ+リャマ=カマ

アラブ首長国連邦ドバイの研究所で、先週、ラクダとリャマの交配種が生まれました。その名も "カマ (Cama)" です。生まれたばかりのカマは一見リャマに見えますが、ラクダに似た短い耳と長い尾を持ちます。しかしこぶはありません。また足裏の肉球はリャマのように2つに割れています。カマはラクダよりも気性が穏やかで、ウールがたくさん取れると期待されています。450kgの父ラクダと75kgの母リャマの間に生まれたカマは "ラマ (Rama)" と名付けられ、元気に育っているそうです。同研究所には、父リャマによって妊娠した母ラクダもおり、来年5月か6月に出産の予定だそうです。日本人の知らないところで、いろいろな研究が進んでいるのですね。(by I)

モーセ終焉の地

エジプトを脱出したモーセとヘブライ人たちは、シナイ山のふもとに着きます。モーセは山にのぼり神のもとで40日をすごすと、十戒がきざまれた石板をさずかりました。さらに40年の間、一行は荒れ野と砂漠をさまよい続け、ついにカナンに到着しました。モーセは神から約束の地カナンを見ることを許され、ネボ山の頂上にのぼりました。しかしカナンに入ることは許されず、そこで死んだと伝えられています。今年もクリスマスイブの夜、ネボ山にあるビザンチン教会でミサが行われました。バチカン代表、米国大使、EU大使などが集まり、厳戒態勢のもと、クリスチャン、ムスリム、ユダヤ教徒の平和的共存が祈られました。なお、ジョルダン国民500万人のうち、約25万人がクリスチャンだそうです。(by I)

ヒツジとヤギ

こちらで家畜といえば圧倒的にヒツジです。アンマン市内でも、住宅にはさまれたような小さな空き地で羊の群を見ることは少なくありません。ヒツジといえば、毛皮がもこもこしていていつも暖かそうに群れている細毛のメリノー種 (世界のヒツジ総個体数の50%)を想像しがちですが、こちらで見るヒツジはやや縮れた中長毛のものがほとんどです。おそらく、肉用のマトン種 (世界のヒツジ総個体数の15%)と、乳用の脂肪尾種 (同25%)が多いのではないかと思います。マトン種になると、一見ヤギと区別がつきませんが、ヤギはヒツジとちがってオスにあごひげがあり、また発情期に強いにおいを発するそうです。5月にそれらしき群れに出会ったら、においをかいで確かめてみましょう。(by I)

人材派遣会社

自宅の前で、見知らぬおじさんから新聞をもらいました。それはいろいろな広告が載った宣伝用のもので、お店やレストランの紹介、"売ります・買います"欄など、全32面にわたって情報が満載でした。その中には人材派遣会社の広告もあり、一様にフィリピン、インドネシア、スリランカのメイドをいくらで派遣します、という内容でした。こちらでは外国人の就労はかなり厳しく管理されており、こういった会社を通すのが一般的だそうです。広告によれば、フィリピン人、インドネシア人は450JD (8万円)、スリランカ人は335JD (6万円)でした。ジョルダン人のほとんどは子供の頃から外国人のメイドを見て育っていますからなんとも思わないでしょうが、我が家などは週1で掃除に来てもらっているだけでけっこう気疲れしてしまいます。掃除の前日は思わず部屋の片づけなどをしてしまいます。(by I)

受胎告知

コーランはイスラム教の聖典ですが、マリアやイエスについてもいろいろと記されています。イムラーン家章には、マリアが天使に "主よ、誰も私に触れたことはありません。どうして私に子ができましょうか" と質問をすると、それに対し天使は "このように、アッラーはお望みのものをお創りになられる。かれが一事を決められ、「有れ」と仰せになれば即ち有るのである" と答えたくだりが記されています。受胎告知といえば絵画でも有名なシーンですが、まさにその場面がコーランにも記されているのです。イスラムでは、イエスもまたアッラーの預言者の一人です。同章の後半には、"イーサー (イエス) はアッラーの御許では、ちょうどアーダムと同じである。かれが泥でアーダムを創られ、それに「有れ」と仰せになるとそれは存在した" と記されており、イエスの神性はきっぱりと否定されています。(by I)

缶コーヒー

日本の冬、木枯らしに吹かれながら家路を急ぐとき、ふと自動販売機の前で足が止まります。こんな時は缶コーヒーだ、そう思いながら素早くお金を投入します。ガタン、と音を立てて落ちてきた缶コーヒーを取り出すとき、"アツッ"と声に出しつつ頬がゆるんでしまう・・・。このように、缶コーヒーはすでに日本人の"小さな幸せ"として完全に市民権を得ていると思われます。自身を振り返ってみると、実はこれまで日本ではほとんど缶コーヒーを飲んだことがありません。にもかかわらず、こちらのスーパーで缶コーヒーを見つけたりすると、"ああいう味だよな"、とわかっていながら、つい買い物かごに入れてしまいます。家に帰って飲んでみると、"やっぱりこういう味だよな"、と確認することになるのですが。写真の缶コーヒーは韓国、台湾、マレーシアからの輸入品です。飲んで一言、"あぁ、缶コーヒーの味だ"。(by I)

ナス

インド原産のナスは日本でも古くから栽培されるなど、世界的にポピュラーな野菜です。ナスはその形から、長ナス、卵形ナス、丸ナスに、果皮の色から赤紫、黒紫、青緑、白に分類されます。日本国内では黒紫色の長ナスと長卵形ナスがもっとも出回っていますが、京都の賀茂ナスを代表とする丸ナスも有名です。加茂ナスは最大直径が10cm程度で、イメージとしては"小ぶり"とか"キュート"という言葉が似合います。しかし、ここジョルダンで売られているナスは、形としては丸ナスなのですが、とにかく大きいの一言です。子供の頭ほど、と言えばその大きさがわかっていただけるでしょうか。これが山盛りで店頭に並んでいると、異様な迫力をかもしだします。目の当たりにすると、思わず "まいりました!"とつぶやいてしまうほどです。この迫力に圧倒されて、まだ自らナスを購入したことはありません。(by I)

キノコ

今日まで世界中で記録されている12万種のキノコのうち、食用に適するものは1841種だそうです。人類がいつの時代からキノコを食用としてきたかはわかりませんが、その初期段階においては、毒キノコを食べてしびれ、笑い、踊り、時には命を落とすなど、多くの勇気ある挑戦がくり広げられていたのだと推察します。アンマンの八百屋にもマッシュルームなど輸入物のキノコはありますが、それでも2、3種類ほどしか店頭に並びません。古代エジプト人はキノコをよく食べたそうですが、現代ジョルダン人はあまり興味がないようです。先日、庭に出てみると、花壇に立派なキノコを発見しました。これがまた、とてもおいしそうに見えます。ただ、キノコはあたると七転八倒の苦しみだと聞きますので、食べてみようという勇気が今ひとつ出ません。でも、気になる・・・。(by I)

ジョルダン車事情

ここジョルダンでは、毎年自動車の所有者登録を更新しなければなりません。私もこの9月に自家用車の更新手続きをしましたが、1990年式とかなり年数がたっているためか排ガスチェックにひっかかり、マフラーを交換してようやく手続きが完了しました。さて、先ごろ税関当局が発表したところによれば、2003年1月1日より、1990年以前に製造された車に対しては公共交通機関としてのライセンス交付を行わないとのことでした。確かに現在も、"よく走っているなぁ"というくらいの古いタクシーやバスがたくさん走っていて、安全性そして排ガス汚染など、大いに疑問を抱かせます。少し厳しい措置ですが、やはり断行すべきことなのだと思います。そのかわり政府は、輸入車の関税を今後引き下げていく方針も明らかにしています。現在はWTOとの合意に基づき30%の税率となっていますが、2005年には25%、2010年には20%となる予定です。(by I)

新紙幣

以前から政府が発表していた1JD紙幣がようやく発行されました。これまでの1JDコインは偽造品が出回ったことと、サイフに入れるとずいぶんかさばることから、あまり人気がありませんでした。今後はサイフもだいぶ軽くなることでしょう。これでジョルダンのJD紙幣は0.5、1、5、10、20、50の6種類になりました(0.5はほとんど見かけませんが)。1JDは現在180円とかなり高いこともありますが、紙幣の最高額が50というのは少し低いようにも思います。ただ、例えばユーロのように100、200、500と高額の紙幣を作るためには、やはりそれなりに経済成長を遂げる必要があるのでしょうね。下町で買い物をすると、50JDどころか時には20JDでも、"おつりがない"とか、"どこかでくずしてこい"などと言われます。(by I)

ジョルダンとイラク

ジョルダンは原油供給をイラクに頼っています。総量については毎年協議されていますが、2002年は450万トンの原油と100万トンの石油製品、計550万トンの輸入が合意されました。このうち原油の50%は無償で、残り50%も市場価格より安く設定されています。さらにイラクはジョルダンから2億6000万ドルの製品を輸入することにも合意しました(2001年は4億5000万ドル)。この協定は言い換えれば、石油大国イラクによる、ジョルダンへの最大限の経済支援です。イラク王家はすでになくなっていますが、歴史をたどればジョルダンとイラクは同じメッカの名門ハーシム家の血を継ぐ兄弟国家として誕生しました。そのような理由もあって、イラクとしてもジョルダンに対して惜しみない援助を与え続けることは当然のことなのでしょう。(by I)

ラマダン明けの挨拶


ラマダン明け休暇が終わり、今週から通常勤務に戻ります。今日はSTIMIの職員たちも口々に挨拶を述べあっていました。"クッル・アーム・ワ・アントム・ビハイル"。英語で言えば"Happy New Year"です。イスラム暦の上ではまだ新年ではありませんが、やはりラマダンは1年の一区切りのようです。雰囲気はまさに日本のお正月でした。ちょうど西暦でも新年が近いので、今日は私もあまり違和感なくこの挨拶ができました。ちなみにエジプトでは、同じ意味ですが単語を少し変えて"クッル・サナ・ワ・アンタ・タイイビーン"と言っていました。挨拶の言いまわしで出身地がわかるようです。(by I)

アラブ人物伝 (5) T.E.ロレンス

イギリスの探検家・軍人・考古学者、というよりも、"アラビアのロレンス"と言った方が通りがよいでしょう。第1次世界大戦が勃発し、オスマン帝国がドイツ側にたって参戦すると、カイロの軍情報部勤務を命じられて対オスマン帝国工作に従事しました。1916年にはメッカに軍事顧問として派遣され、以後、アラブ人とともに生活しながら、オスマン帝国に対する彼らの反乱を支援しました。砂漠の民ベドウィンの知恵を生かした奇襲戦法で次々にオスマン帝国軍をやぶり、1918年にはファイサル(後にイラク国王)とともにダマスカスを占領し、イギリスの中東作戦の成功に大きく貢献しました。1921年、ようやくファイサルをイラク国王に、彼の兄アブドゥッラーをトランス・ジョルダンの統治者(後にジョルダン国王)にすることが決定されると、翌1922年、植民省アラブ問題顧問の職を辞し、以後は変名をつかって一兵士として空軍や戦車隊に勤務しました。1935年2月に除隊となり、まもなくオートバイの事故をおこして死去することは、映画"アラビアのローレンス"でも描かれています。(by I)

アラブ人物伝 (4) アブドゥッラー1世

アブドゥッラーはヒジャーズ王国を樹立したフセインの次男で、後に初代ジョルダン国王となります。第1次世界大戦中の1918年9月、アラブ独立軍とイギリス軍によって、ジョルダンはオスマン帝国から解放され、戦後、イギリスの委任統治領となりました。1922年、イギリスは委任統治領を2つの地域にわけ、ジョルダン川の西岸全体をパレスチナ、東側をトランス・ジョルダンとし、1928年2月、イギリス委任統治下のトランス・ジョルダン首長国が成立しました。このときの首長がアブドゥッラーです。イギリス政府は、1946年3月22日、トランス・ジョルダンの委任統治を放棄し、ジョルダンは正式にイギリスから独立しました。5月には、アブドゥッラーが初代国王として即位しました。ジョルダン・ハーシム王国という国名は、メッカのハーシム家、すなわち預言者ムハンマドの直系ということを強く誇示しています。1951年7月、アブドゥッラー1世は暗殺され、9月に子のタラール1世が後をつぎましたが、翌年8月、ジョルダン議会は病弱なタラールを退位させ、タラールの17才の子を即位させました。これが現国王の父君、フセイン1世です(1999年崩御)。(by I)

アラブ人物伝 (3) ファイサル1世

ファイサルはヒジャーズ王国を樹立したフセインの三男で、後のイラク国王です。アラビア半島のメッカで生まれ、コンスタンティノープル(イスタンブール)で教育をうけました。第1次世界大戦中、シリアでオスマン帝国軍につかえましたが、1916年にヒジャーズへのがれ、父や兄弟とともにアラブの反乱に加わりました。1918年、イギリスのT.E.ロレンスに助けられて、オスマン帝国からシリアのダマスカスを奪回しました。1920年3月に、アラブ・シリア国民会議は彼をシリアの王と宣言しましたが、フランスが国際連盟委任の名のもとにシリアを占領した7月に追放されました。しかし、1921年8月、イギリスのイラク委任統治政府が許可した国民投票で、96%の得票をえてイラク国王となりました。彼の死後(暗殺説も根強い)、王位は息子のガージー1世が短期間ついだあと、その息子ファイサル2世へとひきつがれましたが、1958年のイラク革命によって処刑され、王朝は廃絶しました。(by I)

アラブ人物伝 (2) アブドゥルアジーズ・イブン・サウド

イブン・サウドはサウジアラビアの初代国王です。アラビア半島ナジュドのスルタン、ファイサルの孫で、イスラム改革運動ワッハーブ派の指導者でした。1900年の初め、父親がうしなったナジュドの支配権をとりもどしました。第1次世界大戦中、イギリスはアラビア半島のヒジャーズ地域の政治的・宗教的指導者で、イブン・サウドの政敵フセインを支援し、フセインはヒジャーズ王国の樹立を宣言しました。これに対しイブン・サウドは、1919年にヒジャーズに侵入し、1924年にはフセインとその長男アリーを退位させました。1926年、"ヒジャーズの王、ナジュドとその属領のスルタン"を称したイブン・サウドは、1932年にこれらの地域をサウジアラビア王国とし、1936年には近隣アラブ諸国と国境線などの条約を結びました。以後、アラブの結束をとなえ、1945年のアラブ連盟の結成には大きな役割をはたしました。(by I)

アラブ人物伝 (1) ハーシム家

ハーシム家は、預言者ムハンマドやアッバース朝などを生みだした家系です。メッカにあるカーバ神殿の管理者だったクライシュ族はハーシム家の子孫とされています。ハーシム家の一族には、イスラムの創始者ムハンマドや、彼のいとこで、第4代正統カリフのアリーがいました。750〜1258年にイスラム世界を支配したアッバース朝の創始者サッファーフは、ムハンマドの叔父アッバースの子孫にあたります。第1次世界大戦中にアラブの反乱にかかわり、イギリスの支援をうけて1916年にヒジャーズ王となったメッカのフセインは、ムハンマドの後裔でハーシム家の40代目でした。ヒジャーズ王国は、のちにサウジアラビア王国を創設するアブドゥルアジーズ・イブン・サウドにより1924年にたおされましたが、フセインの息子にはジョルダンの初代国王アブドゥッラー、イラク国王ファイサル1世らがいます。(by I)

日本と中東

下段のコラムのように、イスラムは弱者に手厚い宗教だと言えます。社会生活においてイスラムの精神を取り入れることは、豊かな社会を築くひとつの良いサンプルと言えるのではないでしょうか。しかし、国家体制としてイスラムを選択することは、イランが革命後に体験した経済的低迷と国際社会からの逆風を例に出すまでもなく、現代においては有効な手法とは言い切れません。そんな中東の国々が一目置くのが、我が国日本です。"天皇制を維持しつつ経済発展を遂げた、そして経済発展を遂げたにもかかわらず天皇制を維持している"。こういう声は日頃よく聞きます。私たちが思う以上に、こちらの人は日本に親近感を持っているようです。日本人は中東をつい敬遠しがちですが、彼らに言わせれば"同じアジア人"だそうです。私も職場ではできるだけいろいろな話題を話し合って、お互いの異文化理解の一助となるよう心がけています。(単なる無駄話とも言えますが ^^;)。(by I)

ザカート/喜捨

イスラム教では、持てる者は持たざる者に施しをすることが義務だとされています。これをザカート(喜捨)と言います。特にラマダン(断食月)やハッジ(巡礼月)には、ザカート目当てなのか町中に貧しそうな人が増え、またそういう人たちに接すると地元の人もよくお金を渡しています。アブドゥッラー国王は13日、ザカート基金に対し10万JD (1700万円)の喜捨をしました。国王はもうひとつの基金にも3万2000JD (544万円)の喜捨をしています。ザカート基金は1978年に創設され、162のボランティアグループが国内の貧困に関する調査や寄付を募ったりしています。月々の寄付金は、支援が必要な2840家族に対し配布されており、今年は600万JD (10億2000万円)、ラマダン中だけでも100万JD (1億7000万円)の寄付金を配布したそうです。ザカート基金以外でも、実際にはこの何倍ものお金が喜捨されているのでしょう。(by I)

イード・ムバーラク

ラマダン明けの祝日を"イード・アルフィトゥル"といい、今年は12月15日から4日間の予定です。イードのときは子供たちが"イード・ムバーラク (おめでとう)"といいながら隣近所の家をまわり、ビスケットやお小遣いをもらいに歩きます。ただ、この習慣も都会ではだんだんと見られなくなっています。そのかわり、といってはなんですが、普段民家のゴミ箱を収集・清掃している出稼ぎの人たち(主にエジプト人?)が、イードの朝はうろうろと町中を歩き回っています。昨年の話ですが、車で出かけようと玄関を出たら、"イード・ムバーラク"と言いながらにこにこ顔で近づいてくる2人組がいました。"私はあなたのゴミ箱を掃除している者です。あなたにアッラーのご加護を"。こう言われましたが、一瞬迷った末、結局は無視してしまいました。やっぱり本物の人だったかなぁ。(by I)

信号機監視カメラ

アンマン市当局は、来年4月半ばまでに市内の信号機104ヶ所に監視カメラを設置することを発表しました。2ヶ月以内に入札が行われる予定で、予算はおよそ20万JD (3400万円)だそうです。この監視カメラによって信号無視やスピード違反の取り締まりを強化するとのことですが、もともと普段からそれほど乱暴な運転を見かけないので、コストに見合った成果が出るか、個人的には疑問が残ります。それよりも、もう少し信号機の視認性を良くしてくれたらと思います。停止線(それすらはっきりしませんが)で止まるとほとんど信号が見えず、青に変わるたび後ろの車から"プーッ"とクラクションを鳴らされるので、精神衛生上よろしくありません。本当に、これにはいつまでたっても慣れません。(by I)

最初の啓示

西暦614年頃、預言者ムハンマドはマッカ郊外のヒラー山上の洞窟で最初の啓示を受けました。それはラマダン(9月)27日の夜だと言われています。"本当にわれはみいつ(神威)の夜にこれ(コーラン)を下した。みいつの夜が何であるかをあなたがたに理解させるものは何か。みいつの夜は千月よりも優る。天使たちと聖霊は、主の許しのもとにすべての神命をもたらして下る。暁の明けるまで、平安である"。イエスやお釈迦様など他の多くの教祖とちがって、ムハンマド自身は奇跡を起こしていません。この時代にしてはとても珍しいことですが、にもかかわらずイスラムは世界宗教に発展していきました。やはりコーランそのものが奇跡だとされるからでしょう。(by I)

ラマダンもそろそろ終わり?(その2)

ラマダン26日目となりました。政府の発表によると、公務員の12月分給与を今週末のラマダン明け休暇前に支払うことにしたそうです。ラマダン明け休暇は4日間となっていますが、この時期は何かとお祝い事などで支出がかさむだろうという「やさしい配慮」のようです。また、総理大臣は、12月15日から18日までの4日間をラマダン明け休暇とし、その間は公的機関も休みとする旨の発表を行いました。これで、もう確実かな?と思って当学院の職員に聞いてみたのですが、まだVTCから正式な書類が来ていないとのことでした。やはり、前日にならないと何事もはっきりしないところです。(by K)

ラマダンもそろそろ終わり?(その1)

長かったラマダンも残すところあとわずかとなりました。アラブ連合天文部会では、今年は日食の影響でラマダンの終了を確認するための三日月を見るのは天文学上難しいのではないかという予想を出しています。従って各イスラム諸国はこのことを考慮してラマダンの終わりを告げるべきだとし、2年前の同じ失敗を繰り返さないように…と警告しています(実際に、ラマダンの終わりを示す月の姿を人間の目で確認できないことがあったようです)。天文部会では、12月15日がラマダン最後の日で、16日からラマダン明け休暇になるだろうと予想しています。この記事を現地の人に見せたのですが、「いや、それは信用できない。まだ政府から正式な発表がないから…」と一蹴されました。本当にこれだから訓練計画も作成しにくいのです。(by K)

今年は何年?

今日は2001年12月11日であると同時に、1422年9月26日です。こう聞いてピンとくる方はほとんどいないかもしれません。実はこれはヒジュラ暦なのです。西暦622年、預言者ムハンマドは信徒を引き連れマッカからマディーナに移住(ヒジュラ)しましたが、ヒジュラ暦はこの年を紀元としています。ヒジュラ暦は太陰暦なので、1年が355日と太陽暦よりも11日短く、1年ごとにこの分だけ太陽暦に追いついていくことになります。ヒジュラ元年には西暦に対し621年の差がついていましたが、今年は579年に縮まっています。このままいけば、213世紀にはヒジュラ暦は西暦を追い越します。地球の年齢にくらべたら2万年などほんの一瞬ですが、はたして人類はそこまで生き延びることができるのでしょうか。(by I)

アムラ城

アンマンの東、アズラクに向かって車で走ること1時間、アムラ城はハイウェイ沿いにぽつんと建っています。ジョルダンのもうひとつの世界遺産であるペトラは息をのむ壮大さで見る者を圧倒しますが、それにくらべるとアムラ城は拍子抜けするほど小さな建物です。8世紀のウマイヤ朝時代に建てられたこの小さな離宮は、当時はさぞ多くのカリフや豪族を迎えたことでしょう。それが、今は周囲も砂漠と化し、その外観に昔日の面影はありません。しかし、内部に入るといきなり総天然色の別世界が広がります。裸身の女神、激しい狩猟シーン、神の使徒、当時の風俗などが壁一面に描かれ、極めつけはスチームバスの天井に広がる天球図です。ただ、個人的に一番気になる絵は、写真の男性です。神話の神、あるいは預言者アブラハムとも思えますが、やはりどう見ても"ニコラス・ケイジ"ではないでしょうか。(by I)

利息の禁止

中東では、イスラムの教義にしたがって預金に利息がつかない銀行があります。コーランには、"利息を貪る者は悪魔にとりつかれて倒れた者がするような起き方しかできないであろう"、"信者ならばアッラーをおそれ、利息の残額を帳消しにしなさい"、"信仰する者よ、倍にしまたも倍にして利子を貪ってはならない"、などと記されています。商売や投資など頭を使って儲けることは許されていますが、何もせずに利息で儲けるのはいけないということのようです。ちなみに中世ヨーロッパのキリスト教世界では、金貸しは卑賤な職業としておもにユダヤ教徒が従事していたそうです。それにしても、わざわざ利息のつかない銀行に預ける人が本当にいるんでしょうか。何人かに聞いてみると、"預ける金がない!"、と断言されてしまいました。(by I)

マイクロファイナンス

ジョルダン女性開発協会は1996年に創設され、Microfund for Women (MFW) という呼称でこれまでに6万1000件、合計1000万JD (17億円) の融資を行ってきました。マイクロファイナンスはバングラデシュなど東南アジアで、低所得者層の経済的自立に対する支援策としてその効力を発揮してきました。MFWの融資方法は、まず地域の女性4〜6人でグループを作らせ、それぞれに200JD (3万5000円)〜500JD (8万5000円)を融資します。グループの誰かが返済期日に支払いを行わない場合、グループでの責任となります。第1回目の融資により、雑貨屋、花屋、本屋、八百屋などがうまく立ち上がった場合、第2回目の融資ではその個人に対し600JD (9万円)〜2500JD (42万5000円)の範囲で行われます。現在抱える6000人の顧客のほとんどは、第2回目の融資だそうです。アンマンの北にバカー難民キャンプがありますが、この地域の女性が、特にMFWを活用しているそうです。これは当局も予想しなかったことのようです。(by I)

中東和平の危機

中東和平が崩壊の危機をむかえています。パレスチナ側も過激派の逮捕に踏み切ったようですが、それはアラファト議長や他の穏健派指導部の生命の危機にもつながることであり、今後の展開は予断を許しません。歴史的には、"テロリスト"がその後の政治的決着によって"解放闘争の英雄"となった例は枚挙にいとまがありません。結局、"勝てば官軍"ということにすぎないのでしょうか。"彼の親戚が先週イスラエル兵に殺されたよ"。このような話をSTIMIでも2度ほど耳にしました。"あなたが彼と同じ立場になったらどうする?、銃を取るだろ!?"。そう聞かれたとき、私は何も答えることができませんでした。正しい暴力などあるはずもありませんが、残念ながらそのような言葉が声高に叫ばれているのが現実です。(by I)

外国人労働者と就労許可証

ジョルダン国内には、エジプト、シリア、イラク、スリランカ、フィリピンなどからの外国人労働者がいますが、このうちエジプトからの出稼ぎ労働者が全体の85%を占めています。労働省では、このような外国人労働者に対し、就労許可証を更新するよう10月から3ヶ月間の猶予期間を与えていましたが、現在までに約42,000人が更新を終えたと発表しました。ジョルダンでは外国人労働者に対する就労許可証は、サービス、建設、農業、工業の4分野のみについて認められており、他の分野についてはジョルダン国籍を持っている者のみに限られています。なお、こちらの会計年度の始まりである1月から現在までの就労許可証発行者数は、合計で119,000人ということです。来年1月からは、労働省の検査官が各企業、労働現場への訪問調査を行い、就労許可証のない者については国外退去の措置がとられることになります。これと同じような取締りは昨年も行われており、それによって60万人いた外国人労働者が32万人まで減少したということです。政府では、外国人労働者をジョルダン人労働者に転換することで失業率減少につなげたいとの意向があるようです。3K嫌いのジョルダン人労働者が、素直にそのような仕事につくかどうかは疑問ですが…。(by K)

風力発電

当局の発表によれば、ジョルダン政府は来年早々、国内に3つの風力発電施設を建設するための国際入札を行うとのことです。ジョルダンはこの10年、毎年エネルギー消費量が4%づつ増加しており、今後も毎年3%づつの増加が見込まれています。ジョルダンは国内にほとんどエネルギー資源がないため、原油などの輸入にかかる費用はGDPの10%、総輸出額の40〜45%にも達しています。この風力発電施設の建設コストは3億ドルを予定しており、全部で75〜90メガワットの電力が確保できる見込みです。また先月、ラガブ首相は民間企業に対し、エジプトからのガスパイプライン(建設費用3億ドル)と、イラクからの石油パイプライン(建設費用3億6500万ドル)の建設プロジェクトにもっと投資をするよう協力を求めました。ジョルダンにとってエネルギー確保は死活問題となっています。(by I)

AIDS対策プロジェクト

ジョルダンでは、1986年に最初のAIDS感染者が見つかって以来、国が対策を講じてきましたが、このほど、新たにWHO、UNESCO、UNFPA、WHO-CEHA、USAIDの支援を得て、今後2年間にわたるAIDS対策国家プロジェクトが始動します。これはAIDSの感染抑制、母子感染の予防、患者のメンタルケアなどを目的として、医師やカウンセラーの訓練、AIDS予防策の広報が、WHOのガイドラインに沿って行われます。これまでのところ、国内のAIDS感染者は286名で、そのうち50%が性的接触による感染、24%が輸血による感染だそうです。(by I)

IDカード

ジョルダン政府はこの9月から、16才以上の国民に対して新しいIDカードを発給しています。これは顔写真、IDナンバー、住所(選挙区)などが記された磁気カードで、来年早々に予定されている総選挙ではこのカードがないと投票ができません。これまでのところ、都市部では順調に発給が進んでいるようですが、地方の、特に女性については、いまだに40%程度しか済んでいないそうです。これは、日常生活で女性が公的機関に直接出頭する、あるいは公的な書類に直接記入する機会がほとんどないため、新しいカードにあまり必要性を感じていないからのようです。選挙権を持った国民は約270万人とされていますが、新しいIDカードの普及は、総選挙の投票率に大きく影響します。政府としては、12月末までにカードを受け取りに来なければ1万円前後の罰金を課すなどと広報を行っていますが、このままでは総選挙の大幅な遅れも懸念されています。(by I)

ようやく半分…

ラマダンもようやく半分が過ぎました。そろそろ人々の顔が険しくなってきたような気がしますが…気のせいでしょうか。ふと、夜空を見上げるとりっぱな満月です。なるほど、この月が再び無くなるときにラマダンが終わるのか…と、変に感心してしまいます。ラマダンの終わりは、宗教指導者の誰かえらい方々が高い山の上から月の動きを見て判断するそうですが、月の動きによっては29日で終わることもあるそうです。ラマダンが終わると、それから70日後が犠牲祭となります。来年は今年のラマダン初日から11日前にずらした日が始まりです。でも、私にとっては今年がラスト・ラマダンなのです。ほっ…。(by K)

電力会社の民営化

ジョルダン国内にある3つの電力会社はこれまで政府が55%の出資を行っていましたが、その民営化のため昨年国際入札にかけられました。このほど、イギリスの Rothschild & Sons社が落札し、近日中に契約書が締結される予定です。今後は、同社の計画にしたがって3つの電力会社の民営化(独立採算)が行われます。Rothschild & Sons社は、30ヶ国に40ものオフィスを構える国際的な企業です。なので純粋にイギリスの会社とは言えないのかもしれません。今回の民営化計画も、アメリカ国際開発事業団(USAID)が資金提供などをするそうです。それにしても、民営化と聞くと職員のリストラか電気料の値上げくらいしか思いつきません。国際入札にかけた以上は、政府も何か妙案を期待してのことだと思います。なんとかうまくいってほしいものです。(by I)

VTC新総裁

10月27日の内閣改造で、VTC前総裁が労働大臣に就任してから1ヶ月後の11月28日に、新しいVTC総裁が任命されました。Mr.Hani Abu Al-Ghanam氏で計画省出身。もともとVTC運営協議会のメンバーだったとのことです。先日の政府の予算配分を見てもわかるように、ジョルダンの人材開発と職業訓練が最重要課題である現在、どのような改革を行おうとするのか今後の手腕が問われるところです。この1ヶ月間は、副総裁が総裁代理を務めてきましたが、これでほっと一息というところでしょうか、あるいは残念なのかもしれませんが…。ところで、新総裁の就任お祝いのためVTCへ出かけたところ、前総裁室が労働大臣の部屋になっているではありませんか。VTC職員に聞いたところ、大臣はVTCの前総裁室が大変お気に入りで、ここで一定の仕事をこなしたいために部屋を確保されたということです。これは、これからの労働省業務では、VTCの役割がいかに重要であるということを、大臣自らが示しているものと思われます。(by K)

あなたとわたしは同じ過去…?

これは、二人の過去の“あやまち”の話ではありません。実は、アラビア語の動詞変化の話なのです。アラビア語は動詞の変化が多いので大変です。「彼、彼女、彼ら、あなた(男)、あなた(女)、あなた達、私、私達」。また、それぞれの過去形・現在形で動詞が変化するのですから、たまったものではありません。この中で、幸いかな…「あなた(男)」と「わたし」については、動詞の過去形は同じ形であるということです。「エンタ・ショフト(あなたは見た)」、「アナ・ショフト(私は見た)」という具合です。何でもいいから、覚えるきっかけが大事なのです。そのほか、「彼女とあなたは、現在(いま)同じ」というのもありますが…。苦しい…? (by K)

ジョルダンの女性 (5)

10月のコラム(ジョルダンの女性 -2-)でふれた"ジョルダン職業婦人連合"が、アンマン商業会議所(Amman Chamber of Commerce:ACC)およびアンマン工業会議所(Amman Chamber of Industry:ACI)に登録されている国内企業のオーナーに関する実態調査を発表しました。ACCに登録されている3万2000社のうち女性オーナーは3006社(9.4%)、ACIでは登録7000社に対し女性オーナーは297社(4%)でした。しかし、ACCでの3006社のうち、実際にオーナーである女性が実務を行っているケースはわずか9%にとどまります。20%は何の業務も行っておらず、残りの71%はなぜ自分がオーナーに登録されているかわからいとのことでした。ACIについても、297社のうちGeneral Managerの肩書きを持つ女性は74名、そのうち実務を行っている者は17%、取締役会に入っているのは9名のみでした。今回の調査では、女性にとって厳しい現実が浮かび上がる結果となりました。(by I)

サソリ事件 (2)

現在公判中の"サソリ事件(Scorpion Case)"、どうやら決着がついたようです。夫の枕元に黒サソリをおいた妻には懲役6年8ヶ月、車のブレーキに細工をした妻の愛人には同10年が求刑されていました。しかし、両名ともすでに5ヶ月留置されていることや、殺人未遂というにはあまりにも手口が稚拙だったことから、結局2人とも無罪となりました。ただし、姦通罪が適用されそれぞれ懲役6ヶ月、さらに愛人の男性は過去に徴兵命令を拒否していたことがわかり、プラス3ヶ月の懲役となりました。(by I)