Asuka :: アスカ、モデルになる 


 この時期、明日香村もほぼすべての田が田植えを終え、早苗が心地良さげに風にそよいでいます。アスカは私達の仕事の都合により、1週間実家で過ごし、田畑を駆け回り、虫や花を探しては楽しんでいました。 

私も週末から実家に戻り、土曜日の夕方は、東京出張から戻ってほっとして父と一緒に犬の散歩に出かけることにしました。アスカも散歩に誘ったのですが、母と一緒に田んぼに発生したピンクタニシを取りに行くのだと言って、嬉々として網を担いで出かけて行きました。このタニシは、せっかく植えた稲に取り憑いて枯らしてしまうので、網ですくっては駆除しなければなりません。

しばらくして散歩の帰りに田を通りかかると、報道カメラマン仕様のすごいカメラを持った年配の男性が、真剣に母とアスカの姿を撮影しておられました。結局日が暮れるまでタニシ取りに集中する姿を、その方はあちこち場所を変えては撮影してくださったのでした。 翌日の朝、再び父と犬の散歩に出かけようとするとアスカも一緒に行くというので、アスカの手を引きつつ犬の綱を引き、父が後ろからぶらぶらと歩いてくることになりました。

ふと後ろを見ると、遥か彼方から寺院を一生懸命撮影されていたこれまた年配の方が、すごいカメラと三脚を担いで必死で追いかけて来られて、『ちょっと撮らせてください!』とおっしゃいました。昨日の方とは別の方なのですが、しばらく散歩に同行され、しまいにはかなり遠方からもずっと私達の様子を撮影されていました。

田園風景といかにも田舎に馴染んだ三世代家族の姿が格好の被写体になったのか、年配の方にはノスタルジーを誘う光景であったのかは定かではありませんが、2日続けてモデルになった私達家族でありました。できればどこかで写真を見せて頂きたいものです。


※同日追記

明日香村で遭遇したカメラマンさんで思い出したことがあります。

私が子供の頃は畑仕事はすべて手作業であったため、今よりはるかに親も忙しくしていました。だから私が生まれて腰が座った頃には、竹で編んだ大きなザルに入れられて田畑の隅に置かれており、時々皆が様子を見ながら農作業に精出していたそうです。しかも、実家の畑の横はある有名な遺跡であったので、よく色々な方がついでに写真を撮ってくださったそうです。

そうして、後にあるプロのカメラマンさんが、私の写真を木のフレームにきちんと貼り付けて、プレゼントしてくださり、それがずっと私の宝物になっていたのです。そのモノクロ写真には、ザルのなかで哺乳瓶を抱いて座っている私と、背後で鍬を振るう父や母の姿がありました。

この写真も後に認知症になった私の祖母が、汚いものがあるといって、ビリビリにフレームから剥がしてしまい、今は何も残っていないのですが、私や両親にとっては懐かしいよい思い出として残っています。


文責:chie
 
Posted: 2007年06月17日 (日) at 23:27 

※1年前の今日、こんなことを書いていました。

※2年前の今日、こんなことを書いていました。