なにせ二人とも自宅以外で新年を迎える経験をしたことがなく、ましてや都心の31日の夜は不夜城状態のにぎやかさにちがいないと思いこんでいただけに、驚きの出来事でした。ようやく天ぷら料理屋さんを見つけて食事をし、それからホテルの最上階バーで静かに飲んで、イベントの会場となる山本能楽堂をめざしました。
その夜の年越しイベントは、講談にはじまり、狂言、上方舞、浄瑠璃などが上演されるもので、途中で南地の老舗お茶屋さんによるお茶屋遊び講座と体験コーナー、甘酒やドリンク、年越しそばのお振舞い、お楽しみ抽選会などもある盛りだくさんなもので、堅苦しいと思われがちな伝統芸能を気軽に楽しませてくれる演出が魅力なのでした。狂言などは大笑いで、もっと観たい!と思える程でした。
そして日付が新年に切り替わるタイミングで奥から舞台の成功を祈る清めの火打ち石の火花が見えたかと思うと、花道の幕が静かに引き上げられ、能楽「翁」が始まりました。カウントダウンでにぎやかに新年の時を迎えるのもよいものですが、こういうぴんと張りつめた静寂の中で厳かに迎える新年も一興というものです。
こうして能が終わり、出演者一同が揃って鏡割りを行い、香りのよい樽酒をいただき、大阪締めをして、抽選会の賞品をいただいて帰ってきました。帰りの駅や電車の中は、行きとは違ってかなりの人でにぎわっており、「みんなどこから湧いてきたのか?」と言いたくなってしまうほどでした。鉄道が終日運行されていたこともあって、無事明日香まで帰り着くことができました。
翌朝は初日の出を撮影しにいくという夫を尻目に朝寝を続け、ゆっくりめに起きて家族揃ってお祝いの膳を囲み、氏神さんにお参りをしました。それからは毎年のパターンで、買いためておいたお気に入りの新酒やCAVAを飲み、食べ、うとうとして、散歩するを繰り返して過ごしました。
アスカはいとこのりさちゃんファミリーとたくさん遊び、法隆寺など近場のお出かけも楽しんでいました。
私たち夫婦は、趣味のまちなみ散策がてら岡寺や今井寺内町を巡りました。残念ながら、正月休みでお気に入りのカフェや飲食店が開いていなかったのですが、結構のんびり時間を過ごすことができました。
こうして一足早く夫が大阪に戻っていきました。私も本来なら4日が仕事始めなのですが、保育園が7日までお休みでもあり、休日出勤の代休を早めに取得しておかなければならないこともあって、世間の皆様より余分に正月休みをとらせてもらうことにしました。食べ過ぎですっかりメタボ状態で、好きな時間に寝るごろごろ生活を続けているので、ちゃんと社会復帰できるかどうか?
副業で仕上げなければならない原稿を抱えていることを常に頭の片隅に置いてはいるのですが、なかなか腰があがりません。明日からぼちぼちリハビリしますかねえ。