この駅前広場の計画、すでに他のコンサルが書いた絵があるのですが、その対抗馬としてより魅力的な案を出すのが目的でした。
駅前広場といえば、バス乗り場やタクシー乗り場等の交通機能の利便性を最優先し、そのレイアウトの解き方がまず第一のポイントになるのですが、その町の特性や将来のまちづくりビジョンを鑑み、交通機能を多少犠牲にしてでも町に住む人、訪れる人がちょっとほっとできる空間、交流できる空間をできるだけ広く取れるような案を提示しました。(ちなみに他コンサルが書いた原案は、交通機能のレイアウトが最優先されたもので、その視点のみで書くのであれば私が書いてもニアリーな案になったと思います。)
公共空間の設計やデザインを行う場合、必ずついて来るのが基準・関連法規と経済性です。税金を使って整備を行う以上、避けては通れない道です。しかしながら基準通り、経済性を最優先にして整備した空間が必ずしも魅力的ではありません。これらは何か問題が起こった時に説明できる根拠でしかない場合も多いのです。
前者の基準・関連法規については『本当に生活者の利用実態に合うのか?』という視点、後者の経済性に関してはその町に住んでいない外から見た私自身が『機能だけでなく、その町に初めて訪れ降り立った駅前広場でどう感じるか?』という視点を説きました。
行政側の課長は、私が交通機能のレイアウトに工夫をこらして生み出した広場空間に対し『こんな空間が説明がつくのか』という意見を言いましたが、行政のまだ若い担当者が、こちらの案をフォローする意味で『無駄な空間って必要だと思いますよ』と一言。課長も『そうかもな』と。
美しい風景やまちなみを生み出しているのは、全てが説明が付き根拠のあるものではなく、この『無駄な空間』かもしれません。『無駄な空間』が人の心にゆとりを与えているし、例えば災害が行った場合でも、基準通り・説明のつくつぶしの効かない空間よりも『無駄な空間』が多い方が災害に強い町なのでは?と感じた言葉でした。
私にこの『無駄な空間』を説得できる技量が欲しいと思いました。