●博覧会の様子はこちらから
丁度昼過ぎに会場に到着し、まずはフランス館へ。ガイドブックを見る限り『自然の叡智』という万博テーマに最も真剣に取り組んだ展示内容であるように感じていました。
約40分待って館内へ。パネル展示を見てから、壁面すべてがスクリーンの役割を果たす全方向映像の部屋『イマージョン・シアター』に入場し、環境問題に関する映像を見ました。映像自体は、過去に様々な報道で利用されたものをうまくコラージュしたようなものでしたが、合間に入れられたコメントが絶妙で、色々と考えさせられるところが多く、期待に違わない内容でありました。ちなみに、展示テーマは「持続可能な開発」ということです。気になったコメントを少しだけ(記憶が曖昧ですが)
●地球は散らかっている!!!
●人類の2人に1人は都会に住んでいる!!
●今の環境は祖先から受け継いだものではなく、子孫からの借り物なのだ!!!
※たいていのコメントに!!!付きなのが、迫力を感じます。
今回は、国際博初の試みということで、フランスとドイツが展示施設を共有しているということでしたが、ドイツ館はさらに120分待ちということで断念しました。
次にスペイン館へ。
ここは、ビビッドなカラーの陶器を壁面に並べたデザインも気になっており、内装はハビエル・マリスカル氏が手がけたことでも興味がありました。また『タパス・バー』での飲食も楽しみでありました。まずは『タパス・バー』で腹ごしらえを!と思ったのですが、約1時間半待ちということで、通常は行列のできる場所を避ける主義なのですが、大人しく行列に加わることに。
『タパス・バー』は客席が55席と少なめであるうえに、聞くところによると、たまたま前日にNHKで紹介されたこともあり、会場内のレストランとしては一番人気であったそうです。時間によっては、現地のスターシェフが考案したピンチョス・メニューが楽しめるのだそうです。しかし、カーヴを模した店内のしつらえといい、タパスやピンチョスといった気軽なおつまみメニューと地元ビールやワイン、カバという構成といい、大人向けでとても素晴らしく、大満足できました。
その後、展示館の行列に加わり、当初は約50分という触れ込みでしたが、途中でオリーブオイルのテイスティングというイベントが始まってしまい、いつ行列が動き出すかわからないという説明があったので、断念しました。いつか機会があれば、マリスカル氏のデザインを現地で体感してみたい!と思っています。
その後、どこに行こうか思案しながらふらふらと散策し、モロッコ館と北欧館へ。モロッコ館は手工芸の実演とカフェ、お土産コーナーが充実していました。北欧館も気になっていた展示内容で、白木のウッドデッキを巡りながら展示を楽しむという館のつくり方がなかなか魅力的でした。数人の一般庶民の生活に焦点をあてて、その人の大事にしている生活用具等を見学するブースや、環境に配慮した新型輸送手段の模型展示などが興味深く感じられました。ちなみに、ムーミンの食器を買いたいと思っていたのですが、ちょっと手の出せない価格でした。(しかし、北欧プロダクツの食器は丈夫で美しいので値打ちはありだと思います)
さらにあてもなく歩きつつ、行列の少なめなタイ館、インドネシア館へ。表現は悪いかも知れませんが、いわゆる百貨店の催事的というか、お土産コーナーとレストランが充実しており、閉会時期が迫っていることもあり、様々な特典サービスがあったようです。これらを見学して、既に日も暮れかけ、汗だくで足もふらふらという状態であったため、会場を後にすることにしました。
さて、子供にお土産をと思ったのですが、土産店でも相当の行列が!!駅前で名古屋土産でも買うかと断念しました。しかし、日が暮れてからもかなりの入場者があり、聞くところによるとこの日だけでも50万人近くの入場があったとか。シミュレーターやロボット等のアミューズメントが充実している日本企業パビリオン等は、長蛇の列でとても入場できそうにありませんでした。(事前予約という方法もあったようですが)
さて、行ってみての感想をしきりに語り合いながら帰路についたのですが、今回の博覧会が『環境』というテーマに適う内容であったのかということはあえて書きませんが、いわゆる「海外文化にふれたり、珍しいモノを楽しむという物見遊山気分」を楽しむ国際博人気は、海外旅行の普及によってかなり下火になったと言われているにもかかわらず、かなり盛況のようで、随分な経済効果があるのではないかと感じました。面白かったのは、パビリオンの長い行列をみて、一旦並びかけた人が「この国は前に旅行したことがあるから、パスしてもいいわ」とか「こんなに行列ができてるのって、何か楽しい乗り物とかあるの?」と言っているのを何度も耳にしたことでした。
きっと大多数が、海外旅行の擬似体験とかアミューズメントパークやテーマパークと同じ要素を期待して博覧会に行くのだろうということを改めて認識しました。そういう意味では、フランス館のプロデューサーが語る「展覧会とは、現状に対する立場の表明であり、視覚に訴える発表である」という言葉が異彩を放っていたと思います。こうして博覧会は、技術の粋を尽くして限りなく一時的な遊園地に近いものとしてつくられ、会期終了後はさっさと撤収して跡形もなくなってしまうものかもしれませんが、将来に向けてメモリアル的に継承されていくような展示がもっとあってもいいような気がするのです。
そういう意味では「大阪万博」や「花と緑の博覧会」「ホロンピア博(兵庫県三田)」などは、跡地が公園になり、未だ外国の庭園や施設などが残されているので、いつ行ってもあの頃の思い出を楽しみながら散策し、時間を過ごす魅力があったり、メイン施設がミュージアムとして継承されているのが素敵だと感じています。
一方で、博覧会開催の目的は、その後の土地利用に向けての基盤整備にあるとも言われていますが、経済性のみを追求するようなあり方では何か寂しいモノを感じてしまいますね。