□2005年アメリカ
□監督:スティーブン・スピルバーグ
□主演:トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ他
空港といえば人種のるつぼであり、様々なスタッフによって支えられています。そんな人々の生き様や主人公への接し方を見ると、まさにアメリカ社会の縮図がそこにあるように感じられましたし、最初は他人の事情に無関心であるように見えた人々が、誠実な主人公の姿と複雑な事情に共感して、皆で支え合う姿などは、憧れの「アメリカン・ドリーム」的な精神をうまく表していると感じました。
この映画を見て、ふと思い出したのが、アニメ映画「アメリカ物語」でした。ネコに搾取され、苦しめられてきたロシアのネズミ一家が、「アメリカにはネコはいない」という言葉を信じて苦難の旅に出るというストーリーで、今回の映画の設定とは異なる部分もありますが、この映画も「よきアメリカの精神」のようなものをうまく表現していると感じたものです。ちなみに、監督は両作ともスピルバーグであり、何か相通じる気分を感じさせたわけかもしれません。三谷幸喜の映画的な展開が好きな方も、かなり楽しめる作品ではないでしょうか?(所々くすっと笑えて、終盤にどっと気分を高揚させ、気持ちいい涙を流させるところなんて、よく似ていると思います)
ところで、この映画撮影の舞台となった空港ですが、実は巨大なセットで、世界中の空港を調査して、様々な要素を取り入れながら設計され、約200週の工期を経て建設されたもので、御影石の床張りにしたり、登場する35店の空港内ショップも計画時点から出店要請してつくられたそうで、中には本物の店員さんが出演しているとのことです。
映画の後半には、世界を代表するジャズの大御所の名前やサインカードも登場して、見所満点の映画でした。近年は、戦争問題等でアメリカ批判が高まっていますが、反面このような素晴らしい精神性を表現できる映画文化も持っているのに、なかなか伝わらないところが残念でもあります。
●ターミナル