さすが広島は市電のまちです。しかも駅からかなりの距離を走っても区内?は一律150円とお安く、そのまま乗っていれば夫が仕事中の廿日市市を通過して安岐の宮島で有名な宮島口まで行くこともできそう(運賃は上がりますが)なので、一度も行ったことのない厳島神社を見に行きたい!という衝動にかられつつも、ひとまず原爆ドーム前で下車することに。
ゆっくりと原爆ドームの周囲を一周しながら、『この建物はもとはとてもきれいで立派なまちの自慢の建物だったらしい。でもじーじが小学生、ばーばが生まれた年に日本はアメリカと戦争してて、アメリカが広島と長崎に落とした強力な爆弾によって、この建物も骨組みだけになってしまった。もちろん、人や動物は死んでしまう。戦争のせいでみんなつらい思いをしてきたから、もう絶対に戦争なんかしたらあかんよ!と思い出せるように、壊れた建物をそのまま残してあるねんで』と説明すると、『ふ~ん、ここがじーじとばーばの、であいのばしょやったんか・・・』と意味をとりちがえすぎて感動しているアスカでありました。
この理解力では原爆資料館に行っても理解できないだろうな...と思い、ぶらぶらと川沿いを歩き、地図に載っていた子ども科学館に出かけることにしました。そして、別に広島でなくてもできる、静電気や雷のできる仕組みを体験し、隣の児童図書館に行って絵本や紙芝居を読んで2時間ほどを過ごしました。
やがてさすがにのどが渇いた、小腹が減ったとアスカが言うもので、広島名物川沿いのオープンカフェを探し求めて再びぶらぶらと散策していると、原爆ドーム前のベンチに腰掛けていたおじさんと目が合い、『船に乗りませんか?1回800円です』という問いかけに、二人とも一も二もなく『乗る乗る!』と答えていました。
15人乗りの屋形船をたった二人で借り切って、しかも幼児無料の800円クルーズ・ガイド付きなんて、かなり贅沢でお得な経験ができました。その日は梅雨の合間の晴れの日で、川辺の緑や船に下げられた風鈴の音も涼やかで、さわやかな気分を満喫しました。広島の川の水質はかなり良く、干満の差が4mほどあるので、干潮時にはしじみを採ることもできるのだそうです。
こうして約30分のクルーズを終えて再び川辺に戻り、『はて、どこ行く予定やったっけ?』『かへぇ~にいって、あいすたべて、じゅーすのむんちゃうの!』というやりとりをしつつ、結局どこまで歩いても水辺のオープンカフェは見付からず(オープンカフェで有名な元安川は現在工事中の箇所もあり)、少し市街地に入ってカフェを探すことに。勘を頼りに歩いていると、良い感じのカフェを発見!アスカも手前にある児童公園を発見!で、『公園で遊ぶのが先か、おやつが先か?』と言い合い、強引にカフェに決めてしまいました。
なかなか洒落たカフェをこれまた貸し切り状態で、スムージーと和風パフェを堪能し、『おかやま、めちゃきにいったわ!』とアスカ。(それは去年行った所や!)
その後、約束通りカフェの近所にある児童公園(滑り台は故障のため使用禁止、ちなみに子どもの姿はなく、喫煙休憩中のサラリーマンや飲食店の方々がちらほら)で、1時間ほどブランコを押すお役目を授かった私。『なんで広島まで来て、公園でブランコに乗らなあかんのか?こんなに乗ってこのブランコ大丈夫?』とぶつぶつ・・・やがてアスカは『もうブランコはええわ。はよ、びじねすほてるにいこ!』と言い出しました。
我が家の名誉?のために書いておきますが、一度節約のためにビジネスホテルに泊まったせいで、それ以降どこに行っても出会う人に『きょうは、びじねすほてるにとまるねん!せまいおふろやで!』と嬉しそうに大声で話すのです。そこで『ホテルに行こう!』と同調しつつ、もうしばらく平和記念公園を散策し、再び市電に乗って駅前に戻ることにしました。
チェックインを終えてアスカを見ると、ピアノの生演奏やゆったりしたソファのあるラウンジ、豪華なシャンデリアや盛花などをぐるぐると物珍しげに見回している様子。さすがに今回は参ったか!と思っていると、『ふ~ん、おかやまのびじねすほてるは、きれいやな』と。前もって行き先を知らせず、心の準備もなしの旅を幼児に強いたことを心から後悔いたしました。
係員に部屋まで案内されても、部屋に入るなり『ここのびじねすほてる(わざわざ『ビジネス』を強調するように発声する)、ちっこい、れいぞうこがない!』(小綺麗なホテルは、冷蔵庫をむき出しにしないものです)と探し回り、かなり恥ずかしい思いをした母でありました。
ちょうど夫からも広島駅に戻ったとのメールが入り、再び夕食を兼ねた散策にでかけることにしたのでした。そこからは家族3人で中心部の繁華街に行き、広島焼きを食べ、再び平和記念公園に戻ってライトアップを楽しみ、ホテルの近所まで帰って居酒屋で地のお魚と地元西条の酒を楽しみ、ぐっすり就寝いたしました。
ちなみに私にとって広島焼きの思い出とは、仕事で訪れた福山市役所の近所で『ちえちゃん』という名のお好み焼き店を発見し、いざ広島焼きデビュー!と期待して注文したところ、『うちは大阪風じゃけん』と。心の中で涙を流しながら味わう大阪風お好みでありました。
つづく