もうこんな椅子には座ってらんねぇ!


そう思った瞬間から、新しい椅子の事で頭はいっぱいになった。毎日何時間も椅子に座りモニターに向かってキーを叩き、書類を作ったり写真を整理したりしているのに、この先もダメな椅子に座って仕事をするなんて耐えられないではないか。
ネットで情報を集め、ヤフオクを徘徊したこの二週間ほどで、中古のチェアを12脚買ってしまった。

写真は従来から我が社標準装備のネズミ色の事務椅子。机とのコーディネートも完璧である。
しかし、いいかげんそんな椅子が並んでいる光景にもうんざりしていた。

それでも私自身はもう少しマシな椅子(下の写真)を使っていたのだが、これとて10年前に私が引っ張って来た大中古で、外見や表皮のファブリックの状態は悪くないのだが、クッションがへたって来て、私の体重がかかると微妙に底付きして、長時間座っているとケツ・・・いや、尻が痛くなって来る。どこの椅子だろうと思い、ひっくり返してみたらSteelcase というアメリカのメジャーなメーカーの製品だという事を初めて知った。しかしメジャーだろうがなんだろうが、へたってしまえばそれはダメ椅子である。

商売柄もあるし、元々好きなのでクルマのシートにはうるさかったが、これまでいわゆるチェアにはほとんど関心を払って来なかった。関心を払う余裕がなかったのかもしれない。今回、色々と調べるまでは、まともなワーキングチェアがどの程度の価格なのかも知らなかったくらいだ。
それでもHermanMillerアーロンチェア だけはそれとなく知っていたので調べてみると、まず価格が高い(自分にとって)。しかもものすごく人気があるようで、中古でもかなり高い相場で取引されている。実際、ワーキングチェアの情報となると、アーロンか岡村製作所コンテッサ かの二元論のような状況で、それ以外の情報は極端に少ない。もちろんコンテッサの相場も高い。どちらもポリアミド繊維のネットをクッション代わりに採用している点で共通であり、それが座った体に対して面圧一定であるというのが長時間疲れずに座っていられるという技術的な優位性という事なのだが、同時にデザイン上のトレンドにもなっていて、それこそありとあらゆるメーカーが模倣しているくらいだ。しかし、果たして従来からのファブリックや皮革とウレタンのコンビネーションはダメなのか?もちろんそんなことはないだろう。そんなにポリアミド繊維のネットを使用した方がいいのなら、クルマのシートもとっくにネットになっているのではないだろうか?
というわけで、確かにカッコいいが、人気や見てくれに金を払うのがバカバカしくなった私は、他の椅子を探すことにした。

まずヤフオクで眼に留まったのはHarmanMillerのEqua2 の三脚セット。

この椅子は前述のアーロンチェアをデザインしたビル・スタンフドン・チャドウィック の作。アーロンを作り出したデザイナーと天下のHarmanMillerが駄作を世に送り出すとは考えられないので、これを競り落とした。
現在、三人の責任者が現場を終えてから疲れた体でデスクワークをするので、少しでも快適に仕事ができるように、彼らのイスにした。
個人的に見た目のデザインは眠いと思うが、実際に座ってみると臀部から腰、背中にかけて連続してサポートされるように設計されているので、体に対する接触面が広く、それだけ体重が分散されるので疲労は少ないと思う。いずれにしろ、冒頭の事務椅子とは比べるべくもないのだが・・・・・
問題は横幅があるので、現在使っている90cm幅のデスクに収まらない事だが、ダメ椅子に座って仕事をする事を考えれば些末な問題である。追々机は入れ替えるとしてとりあえず今回は椅子である。

さて、次は自分の椅子だが、性懲りもなくアーロンチェアをチェックするも、競りの終了間際になるとどれも値が飛んでいる。アーロンはその構造のせいか、故障もある程度起きるようだし、中古で購入した場合メーカーの保証が無効になってしまう。しかも中古でも新品の7掛け程度の価格では、中古で買う意味がないではないか。そんな中で見つけたのがvitra 社(日本ではinter office の取り扱い)のAxessというチェア。デザイナーはイタリアのAntonio Citterio 。vitraはスイスのメーカーで、イタリアンデザインのドイツ生産というこの椅子にはグサッと来た。アーロンチェアは韓国生産だしなとか思いつつ、きっとこいつは当たりだと目星をつけた。しかし知ってる人は知っているということか、安値でスタートした価格は、オークションの終了間際にかなり跳ね上がり、結局想定の倍ほどの値段になってしまった。それでもクルマのオークションに比べればどうってことはないのだが、とにかく競り落とすことができた。

2004年製、程度極上中古である。アルミダイキャストのフレームから伸びるアームレストのアームはこれまたアルミのハイポリッシュで非常に高品質であることを感じさせる。刺さりまくりである。
vitraからは、ワーキングチェアとしてはイプシロンMario Bellini デザイン)やmedaチェアAlberto Meda デザイン)等、有名なイスも出ているのだが、やはり高価だ。まぁそれはともかく・・・・届いたAxessだがかなりいい。あちこちのアジャストがスムーズにできるし、レバーの操作感も軽快で節度がある。座面も程よく堅く面圧一定、どこかに圧が集中する感じがない。今もこのイスに座ってキーボードを叩いているが、特に問題を感じない。要するにまずいイスはどこかに違和感を感じる物だから、何も感じないという事がいいイスと言うことになるだろう。価格はおそらく新品の1/3程度。個人的にはいい買い物だったと思う。

さてさて、さらに勢い余ってもう一脚(自爆)
今度はKnoll のエグゼクティブチェアを買ってしまった。( ̄▽ ̄υ)アセ...
以前はわからないが、現在Knoll japanでは、オフィス家具は扱っていないようだ。
いずれにしろバルセロナチェア を正規ライセンス生産しているあたり、やはり一流だろうと判断。
本国のサイト には情報があった

Dale Fahnstrom というデザイナーがデザインしたBulldogという名のイスは大きくてゆったりと座ることができ多少姿勢に対する許容範囲が広くなっているようで、ルーズな座り方でも快適なところが作業用のイスと違うところだ。しかしモーレツにでかい。2001年製のこのイス、多少ファブリックが色褪せているような気もするが、ファブリックの切れや破れは無し。もともと厚みがあるせいかクッションのへたりも感じられない。なにしろ、おそらく新品の1/20くらいの価格だから文句のあろうはずもない。問題があるとすれば、馬鹿でかい事と、座っていると偉そうに見えるところか。

さらに調子こいてHarmanMillerのCaper Chairs というスタッキングチェアを7脚セットで落札(爆死)
デザインはJeff Weber

デザインはモダンでかっちょいいのだが、射出成形のイスとしてはかなり高価。サイズもやや大振りで人によって快適さが違う。作業用のイスではないし調整不能な構造なので仕方がないのだが、まぁこれはかっちょいいのとHarmanMillerの名前に免じて許す。しかも購入価格は新品の1/4だし・・・・・

今回どれもいわゆるブランド物のデザイナーイスなわけだが、それには自分なりの理由がある。
まずワーキングチェアは長時間同じ姿勢で座るモノだという事。ちょっと試しに座ってみたってその善し悪しはわからない。かといってショウルームで何時間も座っているわけにもいかない。そうなると頼りになるのは、有名なオフィスファニチャーメーカーのブランド性である。長い間実用品として通用している事が、道具としての優秀性の証明になると考えたからだ。実用品がブランド足りうる理由は、実用品として優れているという点が長年に渡ってユーザーから評価されているからに他ならない。メーカーも熾烈な競争をしているので、例えばアーロンチェアと同程度の性能を手に入れようと思えば、新品時の同価格帯の一流メーカー品を選べば、それなりのイスが手に入ると考えたからだ。ましてや中古となれば価格を決めるのは人気である。スタッキングは用途が違うので例外とすれば、今回入手したイスはどれもそれなりに満足のいく買い物だった。

現在、事務所はイスだらけである。( ̄▽ ̄υ)アセ...
しかもサイズがどれもでかいのでデスクからはみ出したまま。
毎度やる事が極端で、我ながらアホなのだが、仕事中、もっとも長時間直接体に触れているのはイスである。そこから世界が広がるってこともあると思う。
現在事務所の配置換えを進めている。

投稿日時: (金) - 12 1, 2006 at 11:28 AM          

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