小さなモミの木
イエスさまがお生まれになった夜、馬小屋の外には3本の木が立っていました。3本の木はイエスさまがお生まれになったので、とてもわくわくして、ひそひそ、でも熱心に話し合っていました。のっぽのヤシの木がちょっと偉そうに言いました。
「私たちはイエスさまに贈り物をしなくちゃいけないな。私のプレゼントはもう決まった。ナツメヤシの実をいっぱいあげよう。イエスさまもマリアさまも私の甘くてみずみずしいナツメヤシの実がお気に召すさ。君たちふたりは何を差し上げるつもりかい?」
年とって節くれ立ったオリーブの木が答えました。
「私のプレゼントは、オリーブの実だな。お父さんのヨゼフがその実をしぼって、オリーブオイルを聖母マリアさまに差し上げるだろう。オリーブオイルの使い道はいくらでもあるからね。イエスさまのお役に立つさ。オリーブの実の贈り物はぜったい役立つね。」
ヤシの木とオリーブの木はもうひとつの木に目を向けました。まだ幼いモミの木です。
「ところで、君はプレゼントに何があげられるんだい? そんなに小さくて。実はならないし、大きくなったって、堅い木の実をつけるだけじゃないか。何の役にも、誰の役にも立たないじゃないか。ちゃんとした葉っぱもない。手を触れたら赤ちゃんを突き刺すようなとがったトゲしかないじゃないか。かわいそうだなあ。君に何があげられるのか、見当がつかないよ!」
小さなモミの木は悲しくなりました。穴があったら入りたい思いです。もごもご、小さな声で言いました。
「でも、私だってイエスさまが大好きだから」
でも2人は耳を貸しません。ヨゼフがいつ馬小屋から出てきて、ヤシの実とオリーブの実を取りに来るのかと考えていました。
そのうちとても寒くなりました。ジャック・フロストが凍える息で通り過ぎました。ジャックが触れたものは何でも白銀をまぶしたようになりました。ジャック・フロストは3本の木を、氷と霜で包みました。3本ともきれいになりましたが、小さなモミの木はとがった針の一本一本が霜で包まれて、星の光をあびてきらめきました。マリアさまは馬小屋から外を見て、モミの木の美しさにびっくりして、あっけにとられました。
夜が白々と明ける頃、イエスさまが目を覚まし、霜の降りた世界を見ました。真っ先に目に入ったのは、銀の霜がきらきら、きらめく小さなモミの木でした。イエスさまはうれしくて、小さな手をたたいて、笑いました。マリアさまが言いました。
「小さなモミの木さん、あなたはわたしの子どもに本当の贈り物をくれました。あなたの美しい姿を見て、どんなに喜んでいるか、ごらんなさい。ありがとう、小さなモミの木さん!」
ヤシの木とオリーブの木はうなだれて、小さな声で言いました。
「結局、君が一番立派な贈り物をあげたんだね。」
こういうわけで、クリスマスの木にモミの木が使われるようになりました。
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(これもシュタイナー学校の教材です。みなさま、よりよきクリスマスと明るい新年をお迎え下さい。)
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