さとう研究室天体望遠鏡第5号(その7、改造編VI)


 いよいよコスモキッズプロジェクトも大詰め。 今回はファインダーとバローレンズの本製作です。

まずは、バローレンズの作製から。 基本設計は「その5」で決定しました。 バローレンズ本体はサランラップの芯を使うとして、ポッチヘリコイドに対応した外径31.7mmの筒が必要です。


素材:塩ビパイプ(写真左)、「その2」で切り飛ばしたアイピース脚のネジ部分(写真右) 注:2つの写真は縮尺異なります!

 自作の定番、塩ビパイプですが、外径31.7mmはありません。 もうひとまわり小さいのを買って来て普通紙に木工用ボンドをたっぷりとつけ、巻き付けて太らせていきます。 「紙を巻き付けて太らせる」方法は「星を見る道具の工房」の手法を真似しました。 上手く行くのか不安でしたが出来上がりはびっくりする程立派。 しわになった部分はサンドペーパーで修正し、つや消し黒を塗って仕上げます。 後で考えたら仕上げはカッティングシートの方が見栄えが良かったと思います。 この部分は「スリーブ」部分となります。 ポッチヘリコイドに対応するために31.7mmパイプにカッターで切れ込みを入れます。 溝が浅かったのでミニルーターで塩ビパイプを削りましたが彫刻刀でも可能です。 その場合は紙を巻く前に削っておいてください。 ポッチとおさらば(ニッパーなどで切り取る)した方は特に加工は必要ありません。

 次はバローレンズの心臓部である凹レンズの「セル」(レンズをおさめる部分)です。 これは「その2」で切り飛ばしたアイピースの脚にあるネジ部分を再利用します。 写真では赤いビニールテープを巻いていますが、これは「ここまでサンドペーパーで削るよ」という印です。 印無しに削るといつまで立っても垂直な切り口が得られません。 レンズを固定するネジ(筒の内側)の奥に厚紙を内側にぐるっと一周、両面テープで張り付けます。 このリング状になった厚紙ともともと付属していたネジ付きリングで凹レンズを挟み、固定する訳です。

 本体、というか、アイピースを差し込む部分(下の写真で赤色の部分)はサランラップの芯をそのまま使います。 内側に厚紙を貼って径を調整し、先に作ったスリーブ部分を木工用ボンドで接着し、さらに先端にレンズセルをエポキシ接着剤で接着して完成です。 外装はお好みで仕上げてください(カッティングシート仕上げが見栄えがいいです)。 また、筒内部はサンドペーパーで荒らしてからつや消し黒で塗装しておきます。



さとう研究室仕様アイピースと自作バローレンズ。 シールもお揃いにするとそれっぽいです。


ビクセン純正の高級バローレンズです。 高級ではありますが、このタイプはコスモキッズに使えません。 スリーブ差し込みから先が長過ぎて斜鏡に当たってしまいます。 市販品を利用する場合は「ショートバローレンズ」を購入してください。

 次にファインダーの試作です。 これも色々とデザインを考えると長くなるので試作バント同じシンプルイズベストで行きました。

 
はるさめサラダちゃんには自分のファインダーを作ってもらいました。 材料の木切れはほとんど未加工でO.K.ですが、一部の切り出し、サンドペーパーかけ(R出し)、ドリルでの穴あけ、塗装を自分で行います。

 シンプル感を強調するために塗装はクリヤーだけです。 黄色い本体とムクの木肌が調和している、気がしていますが ...... ?


 
とりあえす、完成。 しばらくこの状態で運用します。 右は収納状態。

 まだ内面の黒塗装やPlossl 5mmの使い勝手を実用レベルまで高める工夫が残っていますが、ここまでくれば「子供にも優しい望遠鏡」でかつ「いざとなれば土星の輪も見える」という当初の目的には達したものと思います。




バローレンズ: しかし、試作品と同様、色収差が激しいですね。 まともな土星を見ようと思ったら「その4」のように短焦点アイピースに頼るか、あるいはショートバローレンズを購入した方が良いと思います。 でも! この激しい色収差、子供達には人気です。 博士もこれまで反射望遠鏡や屈折望遠鏡でも長焦点型しか覗いた事がなかったので「レンズによる色収差」というものをはじめて体験する事が出来、ある意味面白かったです。 なにより、これまで正体不明だった「バローレンズ」が今回の自作によりだいぶ身近になりました。 作って良かった(廃品利用だし)。

ヒートンファインダー: これもまた試作品と同様、なくてはならないものになりました。 特に改造アイピースのように低倍率×広視野では適当に「この辺」と向けてみても対象物がしっかり視界に入って来ます。 いい加減なものでない証拠に60倍で惑星を導入するのも一発です。 しかし、問題点もあります。 夜空に向けるので目立つように夜光塗料を塗っておいたのですが、これだけ空が明るくなった現在、白っぽい空にぼんやりとした蛍光ではむしろ分かりにくくなってしまいました。 むしろ「真っ黒」に塗っておいた方が白っぽい空とよいコントラストが生まれるかもしれません。


 その1:ノーマル状態でのインプレッション
 その2:アイピースの改良(kIKUTAさん天文仕様のアレンジ)
 その3:ファインダー試作
 その4:市販アイピースの適用(ポッチヘリコイド対応スリーブ自作)
 その5:バローレンズの自作(試作)
 その6:KUKUTA仕様アイピースの製作&試作バローレンズの見え味チェック
 その7:ファインダー&バローレンズの本製作
 その8:その後

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★さとう研究室で製作したバローレンズの正確な寸法です。 レンズセル15mm スリーブ部分(本体から飛び出した部分)28mm 本体の赤い部分65mm この設定では土星の輪が見えるくらいの倍率は出ていますが色収差が激しく、実用性は乏しいです。(ビビッドな色使いになるのでむしろ子供には受けが良いんですけどね) 輪はつらいですが、標準アイピースなみの倍率に抑えるためにはレンズセルを5mm、スリーブ部分を10mmくらい、本体部分をピントがあうまで切り詰めてください。 (本製作をする前に試作により正確な寸法を設定する事をお勧めします。 倍率や色収差に対する好みは人それぞれです)
★「宇宙を頂きます」でPGYさんのLEDファインダー(ページ下の方)が紹介されています。 やりますね〜。 (負け惜しみですけど)博士もLEDファインダーを指向はしました。 あすぱらサラダちゃんのLEDアクセサリーを握りしめて。 でも、電池を買いに行ったら結構高いんですよね〜。 ワンセット800円くらいですが、これを組み合わせると電池交換の度に本体価格の30%にものぼるランニングコストがかかってくる訳です。 ちなみにあすぱらサラダちゃんは件のLEDアクセサリーを2〜 3日で放電しつくしました ..... 。 LEDファインダーは150mm反射用に作る事にしましょう。