さとう研究室天体望遠鏡第5号(その2、改造編)


 ある日、「初心者親子の天体望遠鏡」の掲示板を覗いたら(この掲示板では初心者にやさしく望遠鏡選びのアドバイスをしてくれたりしてお勧めです)、コスモキッズの名前があがっていました。 前編でお分かりのように博士としてはこのコスモキッズは初心者の最初の一台としは如何なものかと思っていたのでその旨掲示板に書き込みしました。 (前編はその書き込みに合わせて書いた部分もあります。 たまたま助手2号とコスモキッズで星見をした直後の事で、タイミングも良かったんですけどね。) かの相談者の方にお役にたてたかどうかは分かりませんが、思わぬレスが。 「宇宙を頂きます」のKIKUTAさんからの投稿で「ちょっと手を入れたら」とあったので早速拝見すると、...... 目からウロコ、でした。 博士はコスモキッズの課題の一つであるアイピースについては付属品の使用は諦めていたのですが、KIKUTAさん、さらにはKIKUTAさんの掲示板で知り合った(と勝手に思っていますが ..... なれなれしいかな?)の横山さんは「お金をかけずに手間かけて」の王道を行く改造で実用レベルまで持っていっていたのです。 早速、博士もまねをして見ました。


アイピースをばらします。 詳しい解説はKIKUTAさんのHPを御参照ください。(そればっか ほんと、他力本願ですね) あすぱらサラダちゃんが持っているのがアイピース本体、iBookの上に置いてあるのが取り外した凹レンズ(倍率を上げる)とプリズム(上下がひっくり返って見える)。


本来、望遠鏡(コスモキッズはニュートン反射望遠鏡の仲間です)は上下さかさまに見えるものですがプリズムを介して見ることによってもう一度さかさまにし、結果として普通に見えるようにしています。 写真はプリズムの働きを確認するあすぱらサラダちゃん。



アイピース分解の図です。 筒である7の上から6, 5, 4, 3の順で挿入し、2をねじ込んで固定、1を差し込みます。 一方、7の下に9, 10を挿入し、11をねじ込んで固定、最後に8をねじ込んでアイピース完成です。

 KIKUTAさん、横山さんのアイディアは11〜9を取り除く事によって倍率を落とす&明るくして使いやすくする事、視野を狭める「絞り(6に内蔵)」を削り落とす事によりワイドな視野で見て楽しくする事の2点です。 まずは11〜9を取り除いて覗いてみると、確かに見やすくなりました! でも..... 庭木にギリギリピントがあうくらいでおよそ15mくらいから先はピントが合いません。 うーん。 博士の視力の問題かとも思いましたが、横山さんの情報によると普通の視力でもこのままでは×。 少々乱暴な方法で解決されている様です(失礼)。 博士が使うものならばそれでもいいのですが、何ぶん幼い助手達が使うものですから丈夫であることが必要です。 写真のパーツを眺めつつうーんと唸る事、数分間。 まぁ、「論より実験」です。 yamacaさんのHP「星を見る道具の工房」や、なかをさんのHP「ちょっとそこまで星を見に」でエンビ管とボール紙で作ったリングを組み合わせてアイピースを自作されていたのを思い出し、厚紙をちょきちょきやりだしました。 ...... 塗装の乾燥時間も含めて約3時間、一応の形は出来ました。


部品13と12を自作しました。 厚紙をリング状に切ったのを木工用ボンドで重ね、水性塗料(つや消し黒)で塗装してあります。 写真の黄色の×印を取り去りました。 部品6を取り去ったのは絞りを無くす事とピント位置を鏡筒側に近付ける2つの意味があります。 その結果レンズが固定できなくなったので固定用のリング12&13を自作した、という次第です。 さて、5, 4, 3を13と12でサンドイッチして7に挿入し、2をねじ込んで固定すると、.....


はい、完成です(写真左)。 オリジナル(写真右)と比べるとゴムの見口が無くなっただけに見えるでしょう?


実はオリジナルと比べ、アイピースの覗き口(?)からレンズが1cmくらい引っ込んでいます。 アイレリーフの長さもちょうどこのくらいらしく、見口に目を当てれば自然に覗く事が出来ます。(たまたま、ですけどね)


今回の改造で判明しましたが眼レンズに欠けがありました。 博士のコスモキッズはドローチューブのフェルトは欠品しているし、そうとうな「外れ」だったようです。


 まだアイピース内壁のつや消しなど課題はありますが、取りあえず使える形になりました。 さっそくファーストライト。 夕方から雨が降っていたのでいつもの煙突で。 おっ! ドローチューブに半分くらいで合焦。 これなら博士のような近視でも、助手達のように普通視力でもO.K.でしょう。(試していませんが) ふと気付くと雲間から星が見えています。 星を眺めてみると.... 改造前よりも明るくなり、視野も広くなり、さらにはブラックアウトしづらくなりました。 また、倍率が低いので目標の導入もやりやすくなりました。 まさにいいことずくめ! ほんと、KIKUTAさん、横山さん有り難うございます。

 さて、課題の一つ、アイピースの件は解決しました。 次はファインダーですね。 低倍率になり相対的に導入しやすくなったと言っても、絶対的には導入が難しいことには違いありません。 なんと言っても助手達が自分達だけで使いこなすように出来る事が目標ですから。 塩屋天体観測所のふくださんがファインダーのアイディアを練っているようなので御教授願おうかと思っています。   (いつの日か.... つづく)


 その1:ノーマル状態でのインプレッション
 その2:アイピースの改良(kIKUTAさん天文仕様のアレンジ)
 その3:ファインダー試作
 その4:市販アイピースの適用(ポッチヘリコイド対応スリーブ自作)
 その5:バローレンズの自作(試作)
 その6:KUKUTA仕様アイピースの製作&試作バローレンズの見え味チェック
 その7:ファインダー&バローレンズの本製作
 その8:その後

Top Pageにもどる


★ピントが出ない件、実はKIKUTAさんが既に解決していました。(改造レポートに書き落としたポイントがあったそうです。 現時点ではその点加筆されています。) 出来上がった写真を見ると...... 。 博士の案よりもさらにスマートな外観です。 参りました。 でも、同じ素材&思想でやっても違った解になるものですね。 横山さんもまた別の解を導きだしたそうですし、まさに三者三様。 それぞれの個性が出て面白い、といったところでどうでしょう?
★スペーサーとして作った厚紙のリングの寸法です。 博士は厚み0.7mmの厚紙を使いましたが、厚みの異なる厚紙を使う場合は調整してください。
リング12: 外φ24mm×内φ20mm+外φ24mm×内φ21mm×3枚+外φ28mm×内φ21mm×2枚を木工用ボンドで接着し、つや消し黒で塗装
リング13: 外φ28mm×内φ19mm×2枚+外φ28mm×内φ21mm×2枚を木工用ボンドで接着し、つや消し黒で塗装
★さらに、KIKUTA仕様を参考に手直しをしました。
・部品2の下部をネジ山手前までサンドペーパーで削り落とす
・部品7の下部(脚)の下半分をのこぎりで切り落とす
いずれも視野を広げるための手直しです。