さとう研究室天体望遠鏡第5号
その1:ノーマル状態でのインプレッション
その2:アイピースの改良(kIKUTAさん天文仕様のアレンジ)
その3:ファインダー試作
その4:市販アイピースの適用(ポッチヘリコイド対応スリーブ自作)
その5:バローレンズの自作(試作)
その6:KUKUTA仕様アイピースの製作&試作バローレンズの見え味チェック
その7:ファインダー&バローレンズの本製作
その8:その後
2004年3月、自作機(半自作機)ばかりのさとう研究室に始めて市販の完成望遠鏡が導入されました。 パチパチ。 その名もコスモキッズ。 ビクセンの子供向け望遠鏡です。 箱デザインも子供の小さな胸を膨らますのには十分、わくわくさせるものです。 当然、博士も助手の為に大枚をはたいたのですが.... 。
(先にお断りしますが、コスモキッズに対する批評じみた内容もあります。 コスモキッズは十分魅力的な商品です。 ビクセンが扱うだけあって本体の光学系は真面目な造りです。 あくまでも対象年令未満の、幼すぎる助手達が扱うという限定したケースですのでこれを見てコスモキッズを嫌いにならないでください。)

さて、コスモキッズです。 あすぱらサラダちゃん曰く「あひるちゃん」だそうです。

ピント合わせは簡易ヘリコイドと申しましょうか、アイピースのらせんミゾと本体のポッチを利用して、アイピースを回転させる事により行います。 写真下のアイピースにらせんミゾがあるのが分かりますか?
ここがコスモキッズのウームな点その(1)です。 このドローチューブ(穴)?が緩すぎて鏡筒(あひるちゃん本体)をお傾けるとアイピースの自重で勝手に動いてしまうのです。 博士はテープを貼り、動きを渋くしています。
9.18追記:ドローチューブには動きの渋さを調整するために本来フェルトが3枚貼られるべき所を、博士のコスモキッズには1枚しか貼られていませんでした(初期不良ですね)。 動きが緩すぎるのはこれが原因であり、通常は程よい操作感なのだそうです。 「塩屋天体観測所」のふくださんのレポートより判明しました。 (ふくださん、ありがとうございます)
また、このアイピース自体もウームな点その(2)です。 正立像(通常の天体望遠鏡みたいに上下逆にならない)となり、昼間でも望遠鏡として使える、とうコンセプトはいいのですが.... 。 覗きにくいんですよ。 ちょっとでも覗く角度を誤るとブラックアウト(真っ暗)します。 それに、視界が狭く、窮屈。 ドローチューブはアメリカンサイズなので手持ちのアイピースUW-12mm(笠井トレーディング)で見てみると倍率も落ち、視界も広々、心無しか明るくなった気もします。 これで解決、と思いきや、例のポッチが邪魔なんですよね。 ポッチを折ればすむ事ですが、まだそこまで決心していません。 コスモキッズの購入を検討されている方は合わせて広角アイピースも購入された方がいいと思います。 というよりも、広角アイピースなどすでに機材を揃えている方が子供用に買うものなのかな、とも思います。
月日は下って9月中旬、雲の晴れ間を狙ってあすぱらサラダちゃんとコスモキッズで星見をしました。 コスモキッズの特徴のうち、使い始めてすぐに実感できるのが「ファインダーが無い」ことです。 フリーストップの架台はするすると気持ちよく、動くので余り意識することはありません。(頑丈な台を用意する必要はあります) ともかく、ファインダーが無く、しかも柄が小さいため、鏡筒後部から大体の方向を定めることも困難です。
ファインダーが無いということはピントを合わせるのに苦労することも意味します。 「?」 つまり、ファインダーがあれば(例えファンダーと鏡筒の軸が少々ずれていても)理想的には不動である北極星を、軸がずれているときは地上の煙突なり、鉄塔なりに鏡筒を向け、ピントを合わせることが出来ます。 ところが、ファインダーの無いコスモキッズでは博士がいつも利用している煙突さえ導入できないんですよ。 ピントの合っていない望遠鏡(鏡筒だけ)で星を導入することはほぼ不可能です。 まぁ、これはコスモキッズを使いこなし、この辺でピントが合うというところを体感で会得できれば解決はします。 まだ会得できていない博士は仕方ないので近所の街灯や窓明かり(申し訳ありません!)と一つづつ遠くへ移動しながら無限遠へとピントを合わせたのでした。
さて、ピントは合いました。 次はどうやって目的の天体を導入するか、です。 購入時、博士はこのコスモキッズのファーストライトの対象として月を選びました。(理由は簡単。面積が大きい分、導入しやすい) 難儀しましたね。 月ってやっぱり小さいんです。 おまけにこの時はドローチューブに細工をしていないので少し傾くとアイピースが落ち込んでまたピント出しからやり直し。
今夜の目標はアスパラサラダちゃんにアルビレオを見せてあげることでしたが、数秒で諦め、せめてデネブか、ベガか、アルタイルか、まぐれでもいいから...とアヒルの体(鏡筒)を振り回しつづけました。 やっと1等星らしきものを導入しましたが、それが何であるのかは博士でも分かりません。 あすぱらサラダちゃんに見せると...「見えない」。 覗く角度が悪く、ブラックアウトしているんでしょうね。 あすぱらサラダちゃんの頭の向きを「ちょい」と修正すると「見えた、虹色に見える」。 やれやれ。

「虹色に見える」(屈折じゃあるまいし、色はつきません。 念のため。)
どうにも受けが良くないので(さんざん待たされた挙句、覗いても見えないんじゃ当たり前か)150mm反射を持ち出してしばらく好きに覗かせました。

さすがに150mmともなるとどこに向けても、少しくらい薄雲がかかっていても、視野には星がいっぱい入って来ます
コスモキッズ、色形からして子供向けであることは明らかです。 そもそも「キッズ」ですし。 光学性能も決しておもちゃではありません。 アイピースさえまともなものにすればその性能を発揮します。 しかし、ファインダーが無いのはいかんともしがたいことです。
この望遠鏡の意味は? おそらく、(1)すでに家庭に天体望遠鏡があり、(2)親が星見を趣味としていて、(3)その結果月・惑星・メジャーな星雲・星団を見ようと思えばいつでも見ることの出来る、子供がターゲットとなるのではないでしょうか。
....天文好きな親が子供にも共通の趣味を持たそうと、子供専用の望遠鏡を買い与える。 惑星が見たいとリクエストされれば親の機材で存分に見せてやる。 子供が飽きたら自分専用の望遠鏡で気ままに夜空を散歩させる。(その間、親は存分に観望している) 時には子供が「おもしろい形を見つけたよ!」「あぁ、これはコートハンガー星団と呼ばれているんだよ。○○ちゃん(くん)はすごいなー。良く見つけたね。」「エヘヘ(得意)」 週末のキャンプ場、満天の星空の下でいつまでも続く親子のしずかな笑い声.... などというシチュエーションがぴったりはまる望遠鏡なのではないでしょうか。 早くはるさめ&あすぱらサラダちゃんがそんな年齢になって欲しいものです。
さとう研究室の天体望遠鏡第5号(その2、改造編)へ
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★ドローチューブとアイピースの合いの甘さはさとう研究室のコスモキッズ特有の現象かも知れません。 ユーザーの方、御意見をお願いいたします。 →本文で追記したように、さとう研究室のコスモキッズ特有の現象(不良)でした。 購入を検討の皆様、御安心ください。
★言い訳じみていますが、博士はビクセンを信頼していますよ。(さとう研究室の天文機材はビクセン製が多いです) 今回あえて辛口な内容になったのは、「子供向けだから操作もやりやすく、我々初心者親子にぴったりだ」と信じてコスモキッズを購入すると大変、と言いたかったからです。 現在、コスモキッズはビクセンアウトレットで安価に売られていますが、「お買い上げ合計30000円以上には無料で」ともあります。 三万円もアウトレット機材を買う人はきっとヘビーユーザーでしょうし、そういった方が子供にプレゼントするのには最高だと思います。(博士には早すぎたかも)
★なお、子供は想像以上に順応性が高いものです。 もし、「わが子はコスモキッズの使い手でメシエマラソンも軽くこなす!」という方がいたら御一報ください。 心を込めて謝罪させていただきます。