天体望遠鏡第3号(ビクセン60L鏡筒×きりんさん架台)
   07.10.30公開


はじめに:このページはさとう研公開前に別に誰宛でもない、敢えて言えば忘れ防止に書いたレポートを元にしています。 久しぶりにコルキットKT-スピカをいじったので当時の写真でも残っていないかな?と探しているうちに再発見しました。 せっかくだから公開しようと思い立った次第。

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 2003年9月、燃えないゴミの日にVixenのカスタム60L(D=60mm f=910mm)望遠鏡が捨てられているのを発見。 星見に興味を持ち始めた頃であり、早速持ち帰りました。 今思えばきっと架台やアイピースなどの付属品も一緒に捨てられていたはずなのですが... 残念。 当時『ドブマガジン』で紹介されていた高垣さんの「きりんさん望遠鏡」シリーズを作ってみたいと思っていたこともあり、「子供でも扱える望遠鏡」のコンセプトできりんさん望遠鏡化を目指したのでした。

 まずはばらして各部を洗ってみました。ネジ類のさびはともかく、対物レンズに正体不明の斑点があります。 水で洗っても、99.5%エタノールで洗ってもとれません(だから捨てられたのかな?)。 組みなおし、K-20mmをつけて夜空を眺めるものの、45倍の重たい望遠鏡を手持ちで扱えるはずもありません。 本製作の前に簡易架台を作って使い物になるかどうかチェックすることにしました。

 ともかく固定できれば良いとの観点から水平&垂直軸(フォーク)のみ作り、デッキの手すりに固定することにしました。 「きりんさん望遠鏡」を参考に設計図を描き、(自作2号で手ノコの大変さが身にしみていたので)安物のジグソーを用意して一気にコンパネから部品を切り出します。 しかしこのジグソー、「Home Tool」なるよくホームセンターで安売りされているメーカーの品なのですがかなりの曲者! まずは刃の固定が弱く、ちゃんと固定されているかどうか確信が持てません(かなりの高速で動くので怖い)。 また、音が凄い!サラダちゃん達があわてて逃げていきましたが、使っている博士自身も恐怖におののく事に。 さらに切り口がガタガタ。 コンパネの表層が砕けてボロボロになってしまいました。 それでも電動工具の威力は凄まじく、わずか2日間で切り出し〜組み立てまで終了しました。


ベランダ観望仕様
(鏡筒:ビクセン60L、ファインダー:ミード6×30、アイピース:ビクセンK-20mm)

 さて、未塗装ながらさっそく星見をしてみました。 架台はとりあえず操作性・安定性の両面でO.K.。 光学性能に関しては? K-20mm(45倍)、K12.5mm(72倍)はO.K.。 しかしOr9mm(100倍)、Or5mm(180倍)では恒星が点像になりません。 口径60mmならば120倍は実用範囲のはず。 対物レンズの斑点のせい? それとも光軸が歪んでいるのか?

 ※本題から外れますが写真のウッドデッキが博士の星見ステージです。 住宅地のど真ん中にあり、しかも背景の左寄りのレンタルビデオ屋の派手な看板と、写真には写っていませんがレンタルビデオ屋の前辺りを横切る片側2車線の国道の照明のお陰でお世辞にも環境が良いとは言えません。 といいつつも東側の国道の向こうは海へと続く田園地帯なので東の空は比較的良好です。 さとう研での観察レポートでは東の空に見える天体を対象にしたものが殆どなのはこんな理由です(東以外の低〜中高度は何にも見えません)。

 この後、150mmドブソニアンの製作が終わるまでほったらかしになっていました。 しかし、完成した150mmドブソニアンは手作りのためにやわな部分が多く、子供に自由にさせるのは少々不安。 小口径なれど総金属製の頑丈なこのビクセン60Lを子供用に整備する事にしました。 なんと言ってもこの「ベランダ天文台」は東向きに固定されているので見る事の出来る対象が限られているのです。 移動可能とする為には三脚が必要です。

 他にも問題があります。 150mmドブソニアン完成と同時にツァイスサイズのアイピースは売り払い、高倍率はアメリカンサイズ、低倍率は2インチとしてしまいました。 となると.... この60mm鏡筒は2インチ不可ですので使用できるアイピースはOLV 5.2mm(182倍)&OLV 10.5mm(91倍)と子供が使うには倍率が高すぎます。 うーん。 一方で150mmドブソニアンを使って念願の星雲・星団観望を始めるとその常用スペック(倍率57.7倍・見掛視野62°・実視野1.07°)が月、惑星、星団、星雲にほぼオールマイティーに使えることが分かりました。 よし、60mm鏡筒でもこれを実現できるようにアイピースを新調しましょう。

 ともかく、要求スペックが定まりました。

  表1-1.子供向け望遠鏡に対する要求仕様(さとう研)
要求仕様ソルーション
倍率40〜60倍を実現 アイピース新規購入(笠トレ扱いUW-15mm(60.7倍)) 
実視野1°以上 上記の組み合わせで1.09° 
高度が高くても首を痛めない 天頂プリズムを新規購入(Vixenアウトレット) 
子供でも扱えるファインダー Quick Finder(笠トレ扱い) 
がっちりした架台 三脚部分を新規作製 

 さっそく対物レンズ、アイピース、天頂プリズムを購入、三脚が出来るまでの間「デッキ天文台」仕様の架台でチェックしてみると60倍でも木星の縞がちゃんと見えます。 若干ゴーストが出ますがUW-15mmの値段を考えるとこんな物かな? 当たりだったのがQuick Finder。 こんな簡単なファインダーでもちゃんと導入可能。 さすが1.09°もの広視界ですね。 しかしウッドデッキの手すりは風の影響をもろに受け、終始視界が揺れ続けます。 やはり「がっちりした架台」の必要性を痛感します。

 架台は「孫きりん架台」をコピーすることにしました。ドブマガジンHPの画像から大体のサイズを割り出し、博士とはるさめサラダちゃんの体格に合わせた架台を設計します。 コンパネから脚とスペーサーを切り出す。が、.....。切り出したまましばらく倉庫で眠りにつくことに。(なにぶん寒すぎて星見や製作の意欲が湧かない)

 冬も終わり、G.W.に入ったのを機会に三脚の製作を再開しました。 やりだしたら順調に進み、三脚基部の切り出し、組み立てが接着剤の乾燥時間を含めても3日間。 塗装の途中でG.W.は終了。 翌週の金曜日、日中は曇っていたものの宵の口から晴れはじめてきたので急いで三脚を仮組みし、金星を観望しました。 小さくはあるけど三日月型が良く分かります。架台の動きもスムーズだし、実視野1.09°と広視界が功を奏し、はるさめサラダちゃんでも金星、木星など自在に導入することができます。

 この後、塗装の仕上げ。 水性塗料を薄めて計4回塗重ねた結果、美しく仕上がりました。 三脚基部は赤スプレーで塗装しましたがスペーサー部分はマスキングが面倒なこともあり、カッティングシートで済ませました。 開き止めは鎖をつないだだけ。 角度が決まらないのでがっちり感は弱いはずですが、傾斜面でも使えるメリットもあります。 今後の課題として残るのはフォーク垂直軸の稼動部分ですね。 0〜80°程度までの動きは良好だが天頂付近で耳軸がしぶく、耳軸受けから外れてしまいます。 もともとフォーク部分は「仮に」作った物で切断面・塗装仕上げの点で三脚部分に比べて品質(見た目)が劣っているのですが...。 ともあれ、三脚を含む架台が完成しました。

  
完成の図

 ここまでに要した費用の内、原材料&部品の総計は約28000円。 うーん、微妙ですね。 口径60mmは現在では入門機としても小口径です。 Vixen製でもポルタA70Lf(口径70mm、フリーストップ+微動付き架台)が33000円か...。 総合的に考えれば買った方がお得なんでしょうね...。

  表1-2.原材料&部品コスト
パーツメーカー金額入手先
鏡筒Vixen0拾った
60mm対物レンズ?1575ビクセン光学アウトレット
6×30ファインダーMead2205ヤフーオークション
Quick FinderRigel7371笠井トレーディング
天頂プリズムVixen2310ビクセン光学アウトレット
UW-15mm?6426笠井トレーディング
ムーングラスVixen1050ビクセン光学アウトレット
外装(カッティングシート、塗料)1975ホームセンター
架台材料(コンパネ、杉荒材、ネジ類)2264ホームセンター
購入品の送料など2775
総計27951

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★博士がこの60mmきりんさん望遠鏡を制作した頃はまだポルタシリーズは発表されておらず、またビクセン光学アウトレットから安く鏡筒が売られていたので自作のメリットは高かったのですが...。 うーん、まだまだ価格破壊が続いているんだなぁ