さとう研究室の天体望遠鏡第2号

 スピカの次に導入した天体望遠鏡です。 実はスピカを製作(さとう研究室の天体望遠鏡第1号)したのは同じくオルビィスより発売されている10cm反射望遠鏡自作キット「KT-10cm」を作る腕ならしのつもりでした。 ところが、冷やかし半分で入札した反射望遠鏡(鏡筒のみ)があっけなく落札してしまい、急きょ予定を変更して「市販鏡筒+自作架台(ドブソニアン型)」の製作となりました。
 2002年10月に鏡筒を入手、翌11月に架台完成&運用開始、2004年に手放すまでの2年間、博士の愛機となりました。 以下、博士の思い出のつもりで製作のさわりを紹介します。 望遠鏡自作の参考にしようという方へ:細かな部分は諸先輩方のHPを参考になさるか、あるいはいずれ公開する予定の150mm反射望遠鏡の自作記を参照ください。


鏡筒はVixenのMystar G-R 135Sです。 比較的手ごろなサイズですが、入門機に多い口径114mmよりもひとまわり大きい口径135mmなところがミソです。


 ドブソニアン架台はおおまかなデザインはKT-10cmのスケールアップとし、細部は「ドブマガジン」、「星を見る道具の工房」等を参考にしました。 設計図を書き、いざ製作! ですが、のこぎりで切った板を組んでみると箱型の架台が、なんと申しましょうか、上から見たら菱形にへしゃげてしまいました。 ようは切断面が直角でなかったのです。 また、耳軸と言われる丸い板(垂直方向の調整を行う重要なパーツです、下の写真参照)ですが、真円に切り出す事ができず、上下角(垂直軸)を変えようとするとカクカク。 イヤー参りましたね。

 
この写真では分かりずらいけど、箱型の架台がへしゃげています。 また、耳軸もでこぼこ....。


 気を落としながらも夜、ベランダに出して星を見てみます。 なんと、こんな架台でもしっかりと星を導入&追尾できるではありませんか。 ドブソニアン架台の基本デザインが優れている事が良く分かりました。 (ドブソニアン架台とはそもそもドブソンさんが日曜大工程度の腕で望遠鏡を作れるようにデザインしたものだそうです)
 少し元気が出て来ました。 架台がへしゃげていても大きな問題は無いのだ。 でも、耳軸のでこぼこは問題です。(スムースに星を追尾できない) 自分で丸く切り出すのは諦め、既製品を探します。 .... 椅子の座面。 ウム、いい形だ。 大きさも程よい。 でも5000円、2つで10000円か。 なべすけ(鍋を置く板です)。 500円か、手ごろだな。 これに決めかけましたが、こんな単純な形はいかにも100円ショップにありそうです。 100円ショップを探索して見つけたのが下のモノ。



 焼いてある必要は無いのですが(後日焼いていないバージョンを発見)大きさはちょうどよさそう。 4枚買って2枚張り合わせで耳軸としました。 これで上下調整もスムースです。

 アイピース群もヤフオクでゲットしました。(アイピース:接眼鏡ともいいます。目で見て覗くところです。) Or.5mm=144倍(惑星を見るのに使用)、Or.9mm=80倍(オリオン大星雲などのアップに)、K.20mm=36倍(すばるなど散開星団に)の3本で。 高倍率がいいのだろう、と思うでしょう? 博士のお気に入りは一番倍率の低い36倍でのんびり夜空を眺める事でした。
 



 また、せっかくのアイピース。 裸のまま持ち歩くわけにも行かないのでケースも作りました。 格好いいですか? 「初心者親子で見る天体望遠鏡」の中で紹介されていたアイピースケース自作(これよりももっと大きくて立派)にヒントを得て、所有するアイピースに合わせてコンパクトに作ってみました。




 ようやく博士の望遠鏡セットは完成しました。 この望遠鏡では初心者定番のコース、つまり月→惑星(金星、火星、土星、木星)→超メジャーな星雲・星団(すばる、オリオン大星雲)を楽しみました。 しかし、淡い星雲や銀河を見つける事が出来ません。 博士はそれは口径が足りないせいだと思い、次期望遠鏡計画を立てはじめたのでした。

 実際には135mmもあればメシエナンバーのついた星雲・星団・銀河くらい余裕で観測できます。 メシエナンバー? ほら、ウルトラマンのM78星雲とか。 この「M」が「メシエ」の意味です。 詳しい説明はネットで調べてもらうとして、実用的にはメシエさんが作った小さな望遠鏡でも見える星雲・星団のカタログ番号、と思っていただければ結構です。 博士の誤りは詳細な星図を見ずにだいたいこの辺だろう、と望遠鏡を向けていた事です。 後日150mm反射望遠鏡ではじめて淡い銀河を見る事が出来ましたが、試しに同じところをこの135mmで見てみるとしっかりと見えました。

 また、この望遠鏡では大失敗もしでかしました。 保管時の防カビ対策として蓋の裏側に乾燥剤をガムテープでくっつけていたのですが、ある日星見をしようと蓋をあけると... ない? 目線を下に向けると見事に主鏡に落ちていました。 おそるおそる拾い上げてみると.... 。


中央にガムテープの跡があるのが分かりますか?


さすがに落ち込みました。 でも仕方ない、とりあえず星見をしよう。 ..... 見た感じでは「いつもと変わらない」。 実は反射鏡(=主鏡)の中央はもともと使われていないのです。 「?」 写真手前左に丸いものが一部写っていますよね。 これは「斜鏡」と呼ばれるパーツで詳しくはネットを調べてもらうとして(そればっか)、ようは反射望遠鏡の入り口にはこの斜鏡が中央にデーンとあるため、主鏡の中央は影になっているのです。 もともと少々ゴミがついていても見え味に大きくは影響しません。 ですが、やっぱり間抜けですよね。 みなさんも御注意ください。(似たような失敗、だれかやった人います?)

 ともかく、大接近した火星も見る事が出来たし(火星フィーバーの前に星見を始めましたからね、一応)、ずいぶん楽しませていただきました。 結局、自作150mm反射望遠鏡を完成した後、このまま死蔵するよりは新しいオーナーに存分に使ってもらった方が幸せだろうと思い手放しました。 1回も遠征せず、自宅のベランダでしか使わなかったのは心残りではあります。

 下の写真はちょこまか手を加え続けた末の最終型です。 口径50mmのファインダーは150mm反射用に買ったものを「慣れるため」と称して強引につけたもので、重量バランスが狂って実用上はむしろ使い勝手が悪くなってしまいました。 150mmの完成と同時にもとの口径30mmに戻しましたが「使い勝手が良くなった」と感じたものです。




 この望遠鏡(の架台)を作る前、諸先輩方の望遠鏡自作HPを毎日のように見ていた博士は自分も明日にでも巨大望遠鏡が作れると思っていました。 でも設計では「この部分はどうなっているのだろう」と悩み、組み立てれば「へしゃげた」、出来たと思っても「がたがた....」。 博士の根拠のない自信はもろくも打ち砕かれました。 でも、「失敗は成功の母」です。 そんなトラブルを悩みながらもひとつずつ潰していく間にいろいろなノウハウを得る事が出来、3号機(現在の博士の愛機です)の自作ではこのノウハウが大いに生きました(新たな失敗もたくさん生み出しましたが)。 近く公開する予定の3号機製作記ではもっと詳しくこれらノウハウを含めて紹介するつもりです。

 今回ははるさめサラダちゃん、あすぱらサラダちゃんは登場しませんでしたね。 ファンの方(いるのか?)、申し訳ありません。 なにぶん、実験はともかく、製作の助手は文字どおり「十年早い!」2人ですから。 博士が工作に精を出す傍らで2人は板の切れ端で家を作ったり、釘を打ち付けて針千本にしたりして遊んでいました。 4年生くらいになればまずはスピカでも作らせてみようかと思っています。

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 鏡筒、耳軸、主鏡、.... いきなり耳なれない言葉がでてきましたね。 「天体望遠鏡の自作」に興味を持ってこの「さとう博士の研究室」を訪れた方には違和感がないかも知れないけど、「こどもと科学を楽しむ」ことの一貫として天体観測コーナーを御覧になった方には不親切だったと思います。 いちいち説明できなくもないのですが、ここは自作望遠鏡分野の偉大な先輩HP、「ドブマガジン」、「星を見る道具の工房」を御覧ください。 博士の生半可な知識とは比べ物にならない情報量です。 願わくば感化されて博士のごとく星見の趣味に走る方が出ていただければ..... 。 もちろん、他にも偉大な先輩方はたくさんいます。 望遠鏡、自作、などのキーワードで検索してみてください。