さとう研究室天体望遠鏡第1号(その7) 〜 さらに改造
07.9.30公開 ・ 07.10.21追加
ほんと、秋雨前線という訳でもないのですが...曇り空がずーっと続きます。 そもそも勤め人の博士には星見の機会は金曜日と土曜日の夜しかないのに...。 と言う訳で腹いせ?にスピカにさらに手を入れるはめに。 スピカの対物レンズは出来が良いとの評判です。 付属アイピースも頑張ってはいるのですが、広視野アイピースに慣れるとやはり狭く感じてしまいます。 という訳でアメリカンサイズ(φ31.7mm、スピカ付属のツァイスサイズφ24.5mmよりもふた周りくらい径が太い)に対応するよう、手を加えました。
用意するのは天頂プリズム(ビクセン)、サランラップ(など)の芯です。 ラップの種類によって径が異なるのでスピカ本体に入り、且つアメリカンサイズよりも内径の大きな芯を選び出します。 博士の場合、写真7-1のごとくスピカ本体のお尻(●)にラップの芯(●)を差し込み、その内側(●)にラップの芯に切り込みを入れたアダプター(●)を差し込み、その内側(●)に天頂プリズム(●)を差し込みました。 径の若干の違いを切り込みを入れたアダプターや写真7-1に見える様にテープで径を調整したりする訳です。 やってみると結構簡単ですよ。 ...ただしこのままでは無限遠にピントが合いません。 実用化する為には本体を10〜20mmくらい切り詰める必要があります。 また、お尻が相当重たくなりますので取り付けネジの位置をずらすか頭におもりを付けるなどしてバランスを取り直す必要があります。 今回はお遊びなのでそこまではしていませんけどね。 同様にお試しなので内面のつや消し黒塗装も行っていません。 本当にやる方は必須ですよ。

写真7-1. アメリカンサイズアイピースへの対応
UW15mm(当時笠井トレーディング扱い、現時点ではビクセン扱い?)を装着すると28倍、見かけ視野66°、実視野2.4°。 「すばる」も収まる広視野なので導入も楽になるし、なんといっても広々として気持ちいいはず。 もっとも最近では66°程度では「広視野」とは言わないようです。
【07.10.21追加】 あれから何度かスピカで星見をしました。 同架している150mmドブと星雲・星団を見比べると苦戦してしまいます。 口径の差があるので仕方ないとはいえ、付属のK-12.5mm(45倍)では倍率が高すぎるのもアレですね。 という訳で本格的にアメリカンサイズ対応に改造しました。 低倍率なら顕微鏡用WF10Xも用意したのですが、せっかくアメリカンサイズ広角アイピースを持っている訳ですから。 改造と言っても写真7-1のドローチューブ内部を黒く塗るくらい、と思っていたのですが...。 鏡筒内を覗くとかなりの迷光が。(写真7-2左)
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写真7-2. 鏡筒内迷光対策
ノーマルでは殆どドローチューブで隠れてしまう鏡筒内側。 写真7-2で真ん中くらいに見える黒い影(輪っか)は鏡筒(もともと2分割のパイプ)を接続する為の小パイプの影です。 5年前の博士は遮光環が用意されていないスピカの迷光対策としてドローチューブの入り口に遮光環を取り付け、さらにドローチューブ内側全体に遮光クロス(植毛紙)を張り込んでいたのでした。(ばらすまですっかり忘れていました) ノーマルスピカでは細く長いドローチューブの内面ばかり見えていたので鏡筒まで対策する必要は無いと判断したんでしょうね(多分?)。
アメリカンサイズ&天頂プリズム専用化によりドローチューブを極端に短くするので鏡筒内の迷光対策をきちんとやりなおす必要があります。 結局遮光環を2枚(Φ23mmとΦ10mm)追加しました。 遮光環の写真は撮っていないのですが、
学習顕微鏡に取り付けた例を参考にしてください。 ともかく写真7-2右側のごとく迷光対策は完璧です。【追加分ここまで】
しかし...。 やっぱり曇り空。 せっかくの広視野も試せずじまい。 というわけで天頂プリズムを正立プリズムに交換し、フィールドスコープもどきにしましょう。 正立プリズムというのはケプラー式望遠鏡(オペラグラス以外の屈折式望遠鏡は双眼鏡も含めてたいがいこの形式です)の天地ひっくり返った像をもとに戻すものです。 フィールドスコープや双眼鏡の中にはもとから組み込まれているものですが、どんなに高級品でも余分な反射やガラスの透過を経る訳ですからどうしても像の劣化が生じるはずです。 付けなくても良いのならばそれにこした事は無い訳で、天地逆でも特に問題ない天体望遠鏡には組み込まれていません。 でも、やっぱり天地は逆にしたくないという需要もあり、一般的なオプションとして売り出されています。
さとう研の正立プリズムはビクセン製で、目の肥えた方からは辛口に言われる事もありますがまぁ、いいじゃないですか。 ビデオ三脚に取り付けて完成です。 さっそく庭に持ち出して試してみましょう。 本当は鳥にモデルになっていただきたいのですがそうそう都合良く来てくれる訳はありません。 あすぱらサラダちゃんから「とうふ」のぬいぐるみを借りました。

写真7-3. スピカ改造フィールドスコープもどき
うーん、ピント合わせが大変ですね。 星見用ならピントは無限遠固定ですから問題は無いのですがピント位置がコロコロ変わる地上では紙管擦り合わせの合焦機構は大変です。 この辺りはこの世界で有名なボーグの接眼ヘリコイドを使えば解決するのでしょうが... あんまりお金をかけるのもどうかなぁ。 という訳で?写真7-2(右)はきちんとピントがあっていません。 さらに手持ちコリメートで撮ったのでぶれているし...お恥ずかしい。 でも眼視ではぬいぐるみの毛並みがよく見えるし、なかなか良いですよ。 これをフィールドに持ち出すのはどうかと思いますが庭に遊びにくる小鳥の観察くらいには十分かと思えます。 ただし微動雲台は必需品ですね。
その1:製作記へ
その2:星見編へ
その3:改造記その1へ
その4:改造記その2へ
その5:ちょっぴりマニアックへ
その6:星見レポートへ
その7:さらに改造へ
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★スピカのフィールドスコープ化はなかをさんの「ちょっとそこまで、星を見に...」の「6cm小型屈折」の自作レポートに刺激され、前々から試してみたかったものです。 実用になりそうなので本格的に改造してみようかなぁ。
★アメリカンサイズアイピース化はスピカを卒業してからお遊びで行った方が良いと思います。 なんと言っても改造にかかる費用だけでスピカが何本も買えますからね。 スピカ(ないし他のコルキット)を使い倒し、ステップアップした天体望遠鏡にはおそらくアメリカンサイズアイピースがついてくると思います。 それを利用してチープに楽しむのが吉です。
★参考までに、今回用いた光学部品の博士の入手価格を明かしておきましょう。天頂プリズム(31.7)=¥2310、正立プリズム(45°、31.7)=¥2100、アイピースUW15mm=¥6246
★【07.10.21追加】一方でツァイスサイズのままでも迷光対策はした方が良いかもしれません。 ノーマルのままではドローチューブが長過ぎるのでピント位置を良く見極めた上で切断し、鏡筒内とドローチューブ先端および中間点くらいに遮光環を取り付けるだけで効果があると思われます(ノーマルの見え味を知らないので確証はありませんが)。 昼間スピカを覗いてなんとなくぼやけて見える場合、実際には迷光のため視野が白っぽくなっているだけかもしれません。【追加分ここまで】