さとう研究室天体望遠鏡第1号 〜 改造記その2
   07.9.15公開


 スピカ専用架台の作製を始めたのが2004年。 完成間近でぴたっと止まったまま早3年。 やっと重い腰を上げました。 なにしろ後は鏡筒とファインダーをネジ止めするだけでしたからあっと言う間です。


写真4-1.スピカ専用架台

 ともかく、完成です。 一見すれば分かるように、この架台はかの有名な高垣さんのきりんさん望遠鏡シリーズをモデルにしています。 さとう研でのきりんさん架台第1作は60mmビクセン屈折鏡筒であり、この時は(特に三脚部分は)材料から寸法までかなり忠実にコピーしました。 このスピカ専用架台は第2作ということもあり、楽に作れる博士なりの工夫を加えています。

 じゃあ、普通のきりんさん架台とどうちがうのか? 違いは材料にあります。 高い工作能力をお持ちの高垣さんはコンパネから全ての部品を切り出す事によりコストダウンを図っているのですが、逆に言えばコンパネからの切り出しはコストダウンのための手段であって品質に対する必然ではないという事です。 第1作では博士もそこまでは見抜けなくて長い脚をコンパネから切り出すのに往生しました。 どうせ我々は一台しか作らないのだから少々コストをかけてでも既に整形された材料を使い、楽をしましょう。 というわけでさとう研のスピカ専用架台の精度の必要な箇所はスノコ(をばらした細長い板)、テーブル脚(用の丸材)、なべフタなどすでに形の出来上がったものを組み合わせて作りました。

主要材料
・檜スノコ×2枚(脚、上部構造物:ユーザーの身長に合わせてサイズを選ぶ。一般的な85cm長のもので¥1000/1枚くらい)
・角材(三脚の基部、スペーサー=写真4-1の赤く塗ってある部品:¥120くらい)
・テーブル脚用の丸材(耳軸(縦方向の回転軸)=写真4-1でファインダーがついている丸い部品:¥500)
・なべフタ×3枚(三脚上部の板:¥100/1枚)
・カグスベール(回転部分の滑りを良くする:¥500くらい)
・プラスチック薄板(各可動部分の滑りを良くする為のワッシャー自作用 下敷きなどの流用可)
・塗料、木工用ボンド、真鍮釘、M6ネジ&チョウナット&ワッシャー(合わせて¥2000弱)

必要工具
・のこぎり(ジグソーがあれば楽だけど無くても可)
・ドリル
・紙ヤスリ、カッター

 コンパネから切り出せば材料のうち、上から4項目はコンパネ1枚(¥1000くらい)だけで済みますからコスト的に不利な事は否めません。 しかし、目くじらを立てるほどの差額ではないでしょう。 一方で精度の必要な切断面は全て用意されています。 その他の部分を手ノコで切って少々曲がっても味のうち、と笑っていられます。 文章が長くなってきたので具体的な工作内容は省略しますが先に紹介した高垣さんのHP情報と上の材料を組み合わせれば土日の2日間で完成するはずです。(リクエストがあればレポートしますが... 何ぶん写真など残していないもので)

 写真4-2を見ればお分かりと思いますが、板の直線性や断面の直角が必要な部分、あるいは耳軸の円形は全てもともとの形を活かしてあります。 博士が切断した面は全て精度には関係のない所であり、仮にグニャグニャ曲がっていてもフォークや鏡筒ボックスの断面は真四角を保つ訳です。 既存の形を優先するためデザイン的に遊びの余地がないのが難点ではあります。


写真4-2.フォーク周り

 ちなみに製作の上で唯一悩んだのがファインダーの実装です。 当初は写真4-3(3年間も放ったらかしにしていた写真です)の形を想定していたのですが、これでは前後方向の重心が耳軸(回転軸)よりも高すぎます。 結果として上方に向けたら勝手に真上まで動いてしまい、逆に下方に向けたらフォークと激突するまで下がってしまいます。 結局、写真4-1の姿に落ち着いた訳です(見た目が今ひとつですが)。


写真4-3.製作途中(ファインダーの位置を探索中)

 できた、さっそく星見に使ってみるか! と行きたい所ですがこの3連休は台風の影響でまず晴れは望めません。 うーん、残念。

その1:製作記へ
その2:星見編へ
その3:改造記その1へ
その4:改造記その2へ
その5:ちょっぴりマニアックへ

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★ところで何故今頃になって作ったのかって? 実は娘さんが天体望遠鏡の自作教室(?)でスピカを作ったという方からメールをいただいたのがきっかけです。 前にもレポートしましたが安価なビデオ三脚に載せたスピカで目標の星を捉えるのは至難の業です。 しかし経済的な理由から「夏休みの科学教室」ではスピカ+自宅の三脚の組み合わせとならざるを得ないでしょう。 せっかく素晴らしい天体望遠鏡であるスピカに出会えたのに、多くの子供達は月を見るくらいでそれ以外の対象に興味を持ってもドロップアウトしているのでは? ...そんな子供達(と親御さん)に対してさとう研が少しでもお役に立てれば、と思い立った訳です。
★出来れば「スピカで楽しむ星雲・星団」みたいな所まで発展できたら良いのですが...。 今の博士の状況では難しいかな...。