解剖顕微鏡の世界(その3)観察編
(UCHIDA解剖顕微鏡のレストア、観察、改造)
07.11.28公開
あっという間にレストアの終わったHM君。 さっそくフィールドに持ち出しましょう。 今日は三連休最終日、昨日登山したばかりな上にお持ち帰りの仕事もあるので「フィールド」と言っても庭の中です。

【写真3-1. 野外研究所で観察中】
ピンセットやメス、スパーテルを100円ショップで買ったケースに放り込んだ「観察セット」をあすぱらサラダちゃんに持たし、博士はHM君と折りたたみテーブルを抱えて玄関を出ます。 「カラン!」 しょっぱなからレンズを落としてしまいました。 砕けはしなかったけどプラスチックの見口にヒビが...。 「壊しても良い」手軽な顕微鏡が欲しかったといってもあくまでもサラダちゃんたちが壊すのしか想定していませんでした。 まさか大人の博士が...。 同じ様に子供向けの「そのまま覗ける顕微鏡」コンセプトである小型実体顕微鏡が固定倍率であるのはそのためだったか。 ファーブルミニなんかニコン製の光学系ならば接眼レンズ交換式にすればもっと使い勝手が良いと思ったのですが、そんな仕様では子供に屋外で使わせるなんて気が気じゃありませんね。
気を取り直して何か面白いものを探しましょう。 博士はダンゴ虫やアリの類を想定していたのですがあすぱらサラダちゃんが選んだのは花、木の実、苔など植物系です。

【写真3-2. 苔のサンプリング】
実体顕微鏡でも最初のピント合わせは手伝いする必要が有りますが、さすがに10倍ならば最初から最後まで一人で出来ます。 今回のサンプルの中では苔がヒットでした。
実際にあすぱらサラダちゃんに使わせるまでは10倍や20倍ならばルーペで実現できる倍率であり、わざわざ「顕微鏡」にする必要は無い気がしていました。(実際、HM君の光学系はルーペそのものだし) しかし、HM君のレンズを外して子供に渡してもちゃんと観察できるかどうか
は疑問です。 たかが10倍でも手で保持するには焦点深度が狭く、且つ手ブレがすごいのです。 同じ光学性能でもきちんとした架台で固定されると手持ちでは見えないものが見えてきます。 「解剖顕微鏡」などという仰々しい名前を付けるから期待との格差が出ちゃうんでしょうね。 時間の限られる授業で使うのにはちょうどいいとの判断は決して間違っていないと思います。
さて、せっかくですからどの程度か見え味を紹介したいですね。 写真3-3は室内で観察&撮影したビクセンプレパラート「グミの厘毛」です。 10倍ではさすがに小さいですね。

【写真3-3. ビクセンプレパラート「グミの厘毛」】
左:おおよそ目で見たイメージにリサイズ 右:中央付近のみ拡大
写真左は500万画素で撮影したものをリサイズしていますが、感覚的にもこんなものです。 これのリサイズ比率を小さく、言ってみればデジタルズームした様な写真が写真右です。 結構キチンと見えているんですね。 うーん、複式顕微鏡であるはずの学習顕微鏡「Unique君」並に立派かも。
