ニコン顕微鏡(S型)の世界(その6)あちの花観察
(ニコン顕微鏡S型(SIN顕微鏡)の紹介)
Nikon(S)君の改造はひと休みして観察でもしてみましょう。 お題は「あちの花」(写真6-1)。 ? そんな花の名前、あるの? .... すみません。 博士のバイブル、『ヤマケイポケットガイド11 庭の花』に載っていないんですよ(写真6-2)。 「あちの花」とは「あすぱらサラダちゃんの花」という意味です。 あすぱらサラダちゃんのピアノの発表会の後、貰ってきた花なのです。 できればネームプレートもつけておいて欲しかった。

【写真6-1. あちの花(仮名)】

【写真6-2. 図鑑検索中】
花の形はキク科の花っぽいですね。 葉っぱは典型的なキクとはちょっと違います。 ともかく、花粉を調べてみましょう。 まずはセロハンテープでペタペタと雄しべ部分をなでていきます(写真6-3左)。 あすぱらサラダちゃんでも余裕の作業です。 数回触っただけでテープは花粉だらけ(写真6-3右)。 こんなに小さな花なのに ..... 。 生命の子孫を残そうというエネルギーには想像をこえるものがあります。

【写真6-3. 花粉のサンプリング】
左:セロハンテープでペタペタ 右:こんなにたくさんとれました
このサンプリング方法は簡便法です。 そもそも研究用の顕微鏡は0.17mm厚のカバーガラスがサンプルの上に載っている事が前提で設計されており、これがないことにより光学的に像が劣化する可能性もあります。 しかし梅の花粉の観察でも経験したように花粉を浸透性のある液体に浸すと膨潤して全く違う外見になることもあります。 そういった意味では乾燥状態を観察できるこの方法も有用です。
とかなんとかこむずかしい事は置いておいて、セロハンテープ法と普通に花粉をスライドガラス上に落とし、グリセリン・カバーガラスで封をした場合の2通りを見比べてみましょう。

【写真6-4. 400×&デジカメ1×】
左:セロハンテープ法(乾燥状態) 右:グリセリン封入(液体湿潤)

【写真6-4. 400×&デジカメ3×】
左:セロハンテープ法(乾燥状態) 右:グリセリン封入(液体湿潤)
実際に比べてみてどうですか? 液封している方が明るく感じますね。 眼視でもやはりそうです。 やはりこちらの方が正統な観察方法の様です。 一方、花粉の形は? どちらも典型的なキク科の花粉、コンペイトウ型ですね。 UNIQUE君で観察した時は(これまたキク科でも別種)水で封入しましたがやはりコンペイトウ型でした。 どうもキク科の花粉は液体による湿潤に強い様です。
Nikon(S)君のコーナーですから、その姿も出さなくては。 写真6-5にあすぱらサラダちゃんの研究の様子を紹介します。 同じ研究用(でかい)でも傾斜型接眼部の為に覗きやすい様です。

花粉というのはサンプル調製の手間がいらず、手軽に観察できて良いですね。 しかも、種の違いまで良く分るとは。 なかなか奥が深い。 キノコ愛好家は同定のために胞子の顕微鏡観察を行うそうです。 次はキノコかな?
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★その5で簡易照明のボリュームをつけたのに? 気付いた方は鋭い。 実はこちらの観察の方が時期的に先だったもので。