昭和中期の顕微鏡の世界(その6)スペアレンズの導入と予備機の再生
(オリンパス顕微鏡GC型の観察、改造)  05.9.19 up

 ジャンク(あるいはジャンクに近い)顕微鏡を整備する上で困った事があります。 いくらジャンクでも鏡基は比較的マシです。 しかし、レンズは別です。 ガラス面は手入れが悪いとすぐにカビが発生するし、傷付きやすいし、小型の別体パーツなので無くなっている事もしばしばです。 これまでさとう研では鏡基に比べてレンズ(接眼レンズ&対物レンズ)が少なく、バランスを欠いていました。(..... そもそも鏡基もレンズもワンセットあれば良いのでは?) 今回ヤフオクで入手したのはジャンクのレンズ群。 学校の備品払い下げらしいです。 


【写真6-1. ジャンクレンズ群】

 中身を改めると ..... 。 さすがに汚れているというか、カビているというか .... 。 オリンパス中心とのふれこみでしたが? 接眼レンズは5X、7X、10Xの3本ともオリンパスのホイゲンスです。 対物レンズは40X=ノーブランド、10X=オリンパス、10X=ノーブランド。 ... オリンパスブランドが多数派なのでこの「昭和中期の顕微鏡」コーナーで紹介するに至った訳です。

 クリーニングと言えば、ともかくバラす訳ですね。 本当の所、分解掃除が趣味の博士の事、「6本セットなら6日遊べるな」ということで購入したのでした。 いつものごとくカニ目オープナーを使って分解します。 それにしても眼レンズが汚いなぁ(写真9-2)。


【写真6-2. 分解の図】

 さらにレンズ内側にはカビが生えています。 何故ガラスにカビが? 博士も不思議に思いますが実際に生えているのは間違いありません。 どんなカビかって?


【写真6-3. レンズに生えたカビ】

 いやぁ、恐ろしいですねぇ。 これは完全に乾燥していたのでいわばカビのミイラです。 余談ですが試料(カビ)が乗っかっているのがレンズなもので、照明するのが結構難しかったです。そんな恐ろしいカビもノーコートレンズなら比較的楽に落とせます。 一方でコート付きのレンズにカビが生えたら厄介ですね。 コーティングがダメージを受けている可能性は極めて高くなります。 「備えあれば憂い無し」。 防カビ剤で日頃から予防しましょう。

 掟やぶりの対物レンズ分解クリーニング、ついでに内部つや消し塗装までやってしまいました。 この内部のつや消し塗装、接眼レンズの時もそうだったけどあまり効果が分りません。 単なる自己満足ですね。 ともかく、全てのレンズは実用できるようになりました。 せっかくだからOLYMPUS(GC)君の予備機も再生しましょう。 こちらはレンズが足りなかったので長い間ホコリまみれのままでしたが大胆に水洗い(+クリームクレンザー)と液体コンパウンド仕上げですっきりピカピカです。


【写真6-4. OLYMPUS(GC)君兄弟】

 さて、このまま終わらせるのもなんですね。 皆さん、同じ接眼レンズでただの「10X」と「P10X」では何が違うんだろう?と疑問に思った事はありませんか? この「P」はプラン対物レンズとセットで使うと視野周辺までピントが合う、という意味らしいのですが博士のようにただのアクロマート対物レンズを使っている人には意味があるのか? .... 取りあえずレンズ自体を比較しましょう。 「7X」は教科書通りのホイゲンスです。 2枚の片平凸レンズから構成されており、2つのレンズの間に絞りがあります。 一方で「P7X」は絞りが2群のレンズの間にあるのでホイゲンスの仲間ではありますが、眼レンズが2枚張り合わせ&視野レンズが両凸ですので、ケルナ−の変種と考えられます。(ホイゲンス=ハイゲンス、ケルナ−接眼鏡については「星を見る道具の工房」の「接眼鏡図鑑」を参考にしてください) しかし、P15Xは絞りが2群のレンズの外にあり、ラムスデンの仲間です。 どうも望遠鏡の世界と違ってレンズ構成で名前をつけている訳では無さそうです。

 
【7XとP7Xの比較】

 で、見え味は? うーん、(ただのアクロマート対物と合わせているせいか)博士には違いが分りませんね、視野の広さもほぼ同じだし。 無理して「P」接眼レンズを買う事はなさそうです。 もっとも中古ですから選択の余地があるかどうかも疑問ですが。



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★実はこのOLYMPUS(GC)君予備機、ちょっと疑問点があります。 OLYMPUS(GC)君は「GC」と銘打っているのでやはり「GC型」だと思いますが、この予備機は銘板が無く、コンデンサーの上下調節機能や光学的鏡筒長調整機能、ネジの頭など、細かい点が幾つか違っています。 ひょっとしたら形式名が異なるかもしれません。