Nikon顕微鏡(S型)の世界(その3)改良の試み
(ニコン顕微鏡S型(SIN顕微鏡)の紹介)
前回でNikon(S)君の見え味をTIYODA(B型)君と比較する事が出来ました。 では、バラしますか? まぁ、ちょっと待ってください。 まずは周辺部分からせめていきましょう。
さとう研のNikon(S)君は対物レンズとして10×、40×、100×が付属している事は「その4」で述べました。 このうち、100×は油浸レンズなので普段は出番無し。 10×と40×を使い分ける事になります。 ところが、この10×と40×、純正の接眼レンズでは問題ないのですが、さとう研常用のコスモキッズ(改)アイピースでは同焦点がかなり悪くなってしまいます。 同焦点って? ようは、レンズを変えてもピント位置が変わらない、つまり10×レンズでピントを合わせておけば40×にしてもピント調整をしなくても済むのが理想です。 実際には工業製品ですから若干の誤差があり、微調整が必要なのは仕方がありません。 しかし、さとう研のNikon(S)君はちょっとずれすぎです。 普通は低倍率のレンズの方が焦点深度(ピントが合う範囲)が広いので40×でピントが合っていれば10×にした時は殆どピント調整はいらないのですが、..... 。 ちょっと不便ですね。 いじっていると、10×対物レンズを少し緩めれば改善することがわかりました。 ゆるゆるにしておく訳にもいかないのでレンズのネジにスペーサーをかませることにしました。 写真6-1の赤いテープがそれです。 厚みは試行錯誤で最適化します。

【写真6-1. 対物レンズのスペーサー】
実際の効果を検証しましょう。 写真6-2に示すように、ノーマルでは対物レンズを変更するとぼけぼけ。 羊毛のように大きなものはまぁ、いいんですけど花粉や微生物などでは見失ってしまう可能性があります。 改良の効果は? うーん、やっぱりぼけていますね。 まぁ、「ぼけぼけぼけ」から「ぼけ」くらいの改善効果はありそうです。
【写真6-2. 対物レンズ10×→40×でのピント(ビクセン永久プレパラート「羊毛」)】
左:対物10×(合焦) 中:40×(成りゆき像、ノーマル) 右:40×(成りゆき像、改良後)
しつこいようですが、普通は同一メーカーでは同焦点性はかなり高いものです。 このワザは買い換えなどで異なるメーカーの対物レンズを混ぜて使っている場合に威力を発揮するでしょう。 ついでに言うならばスペーサーはレボルバー側につけた方がいいと思います。 博士は調整が終わってから気がつきました。
次に眼をつけたのが接眼部(プリズム)での迷光対策です。 接眼部より覗き込むと、ノーマル状態ではプリズムの端面、途中にある段差(プリズム室とパイプのつなぎ目?)、パイプ先端が光っています(写真6-3)。 このうち、パイプ先端は接眼レンズスリーブで隠されるので問題は他の2点です。 かなり丁寧なつや消し塗装がなされているんですけどね(写真6-3)。 なお、写真ではレボルバー上部の外周が金属光沢むき出しですが(写真6-3左)、この部分は黒いプラスチックでカバーされています。

【写真6-3. 接眼部】
左:レボルバー上部 中:プリズム室 右:接眼部より内部を望む
改良策として遮光環を作り、レボルバー上部とプリズム後ろのパイプに仕込みました(写真6-4 左)。 写真は例によって分かりやすくする為に塗装前の真っ白な状態です。 これら2つの遮光環により、プリズム端面とパイプ内側の反射光を遮る事が出来ました(写真6-4 右)。

【写真6-4. 接眼部遮光対策(試作)】
左:レボルバー上部 右:接眼部より内部を望む
さて、実際に見え味はどの程度変化したのでしょうか? (その5)で見つけたなぞの花粉を見てみましょう。 いやー、まったく効果がありませんね。 肉眼で見てもさっぱり違いが分りません。

【写真6-.5 なんかの花粉(その5参照)】
Nikon(S)君125×&デジカメ3× 左:ノーマル 中:プリズム前遮光環 右:プリズム前後遮光環

【写真6-5. なんかの花粉(その5参照)】
Nikon(S)君500×&デジカメ3× 左:ノーマル 中:プリズム前遮光環 右:プリズム前後遮光環
OLYMPUS(GC)君でもそうでしたがさすが研究用の顕微鏡です。 素人が少々いじった所では殆ど変化ありません。 ウーム、他に改良点は無いものか ..... 。
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Nikon顕微鏡(S型)の世界(その2)見え味検証へ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その3)改良編へ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その4)照明LED化の試みへ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その5)照度の制御へ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その6)あちの花観察へ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その7)油浸レンズへ
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★それにしても(その5)で紹介したプレパラート、よく持ちますね。 グリセリンで封入しているので「半永久」プレパラートと言われる手法なのですが、たしかに「半永久」です。