Nikon顕微鏡(S型)の世界(その2)見え味検証
(ニコン顕微鏡S型(SIN顕微鏡)の紹介)
さて、Nikon(S)君。 さとう研所には勿体無いほどの作りのよさ。 ばらすのは断念していましたが、「学生実習用」と聞くと ...... 。 ばらすのも実習の内かな? 悪い癖がむらむらとわいてきます。 しかし、壊してしまう前にまずはノーマルの見え味を堪能しましょう。
お題は「スギの花粉など空中浮遊物」です。 スギ花粉は季節が過ぎつつはありますが見てみたいものの一つです。 実は丸山さんのkmal's HP(「スギの花粉の観察例」にすでに紹介されています。 マネッコみたいだけど、まぁ、いいや。

【写真5-1. サンプリング】
スライドガラスに薄くグリセリンを塗り、しばらく放置します。 思い立ったのが金曜日の夜だったので8:00 P.M.から翌朝までの夜間になってしまいました。 (翌朝からもう一度やり直したのですがあいにく当日は気温が下がり、風も弱い為か花粉の付着はむしろ減少していました。)
放置したスライドガラスをカバーグラスで封をしてそのまま検鏡します。 1週間程前、マスクをかけた花粉症の人が目立つ時にやった時は花粉?と思わしき粒が肉眼でもぽつぽつと見えていましたが今回は良く分りません。 シーズンが過ぎたせいか?夜間だったからか? 以下の写真、特に断りのない限りNikon(S)君 対物レンズ40X&接眼レンズ12.5X(コスモキッズ(改))+デジカメ3X+Mac上でトリミングしています。 トリミングの範囲を統一していないので倍率はバラバラです。 ご了承ください。
さて、話を戻しましょう。 ウジャウジャいる、という状況にはありませんが、丹念に探せば探せばスギ花粉と思わしき物体を見つける事が出来ました。 パピラというらしい突起もあるので間違い無いでしょう(ちょっと自信が無い)。

【写真5-2. スギ花粉(と思わしきもの)】
ところで、他にもいろいろなものが見つかりました。
例えば、写真5-3。 最初は何かの花粉が気泡の中に入っているのかと思ったのですが同じようなものが幾つもありました。 しかも良く見ると必ず近くに「抜け殻?」が転がっています(写真5-4)。 「きのこ雑記」の「今日の雑記(2005年3月11日付け)」に突起を突くと皮がむけて中身が飛び出した、とあります。 ナゾの花粉はスギ花粉の中身だった様です。 それにしてもこんなに小さなものをどうやって突いたんでしょうね?

【写真5-3. ナゾの花粉?】
同じ写真を控えめ(左)、きつめ(右)に画像処理

【写真5-4. ナゾの花粉?と抜け殻?】
この写真のみ対物レンズ10Xで撮影
他にも明らかに形態の異なる花粉が混ざっていました(写真5-5)。 この特徴のある形、以前見た小さな雑草の花粉と良く似ています。 もっともその雑草の名前は博士は知りませんけど。 また、コーヒー豆状の花粉もひとつ(写真5-6)。 梅の花粉に似ていますが、梅の場合グリセリン中でみるみる間に膨潤していきましたがこれは形状を保っています。 また別の花粉なのでしょう。

【写真5-5. ナゾの花粉2】 【写真5-6. ナゾの花粉3】
さらに面白いものを捕まえていました。 写真5-7を御覧ください。 真っ黒な丸い物体です(若干光が透過しているような... )。 これが『大人の科学マガジン』に載っていた流星塵か! 小さくとも宇宙からの飛来物です。 もっとも本物かどうか確認するすべはありませんが、そうかもしれない、と思うだけでも楽しいじゃ無いですか。

【写真5-7. 流星塵(?)】
いや、なかなか良い見え味です。 と、言う事でさとう研の現主力顕微鏡であるTIYODA(B型)君でも覗いて比較してみましょう(写真5-8)。

【写真5-8. TIYODA(B型)君によるスギ花粉の観察】
左:通常の状態 中:飛び出た中身 右:抜け殻
ほとんど同じレベルですね。 まぁ、光学系(蛍光灯光源、アッベ式コンデンサー、アクロマート対物レンズ、コスモキッズ(改)接眼レンズ、デジカメDSC-P10)がほぼ同じ条件ですしね。 もっともNikon(S)君には接眼部を傾斜する為のプリズムがあり、この点が悪影響をおよぼす可能性もあったのですが特に問題は無かった様です。 問題があったら分解するいい口実になったのに .... (しつこい)
さて、今回の観察は2つの目的がありました。 (1)スギ花粉の観察、(2)Nikon(S)君の見え味チェック(TIYODA(B型)君と比較して)、です。 それぞれまとめてみましょう。
(1)のスギ花粉観察について:テレビや新聞でスギ花粉の姿を見かける事はありましたが、自分の眼で確かめる事が出来たのはやはり感動ものです。 本文でも述べましたが昼間にサンプリングした時はよりウジャウジャとスギ花粉を捕まえる事が出来、ついでに黄砂?と思しき微少粒もたくさん捕まえる事が出来ました。 透明に見える大気にも色んなものが混じっているのだなぁと考えさせられる、いい実験でした。 また、プレパラート作製も極めて簡単です。 親子実験にもお勧めです。
(2)Nikon(S)君の見え味について:当たり前ですが学習用顕微鏡とは比べ物にならない見え味です。 同ランクのTIYODA(B型)君とほぼ同じ見え味ですが傾斜接眼部により首が疲れにくい事、よりスライドガラス全体をカバーする微動装置により対象を探しやすいことなど、使い勝手は向上しています。 また、これはTIYODA(B型)君、OLYMPUS(GC)君にも言える事ですが肉眼ではこのHPで紹介する写真など比べ物にならないくらい微細な構造を見る事が出来ます。 これは博士の写真の腕前や、そもそも使用しているデジカメがフルオートを前提としたコンパクト型であり、この用途に不向きな事が大きな要因ではあります。 しかし、職場の顕微鏡(OLYMPUS BH-2 贅沢仕様)では全く同じように撮影してもとれる写真は全然違います。 やはり、照明なんでしょうかね、ポイントは ..... 。
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Nikon顕微鏡(S型)の世界(その4)照明LED化の試みへ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その5)照度の制御へ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その6)あちの花観察へ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その7)油浸レンズへ
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★ところで、何故接眼レンズにコスモキッズ(改)を? ノーマルの接眼レンズでは眼レンズが小さすぎて撮影が難しいんですよね。 しかも、取り付けるのになんの改造もいらずにスポッと入っちゃったものですから。 ほんと、「コスモキッズ」には助けられっぱなしです。
★写真5-5の花粉に付いて、丸山さんより情報を頂きました。 「ヤシャブシなどのハンノキの仲間の木の花粉に似ているような気がします。」とのことです。 これも風媒花(虫に頼らず、花粉を風に載せて運ぶ)だそうで、やはりアレルギーが疑われているものだそうです。 スギ・ヒノキだけじゃないんですね。