Nikon顕微鏡(S型)の世界(その1)導入編
(ニコン顕微鏡S型(SIN顕微鏡)の紹介)
顕微鏡増殖の波はついに研究用クラスにも及びました。 さとう研初のプリズム内蔵顕微鏡、ニコンS型の登場です。 これまたヤフオクで入手しましたが、またしても「ジャンク」扱い。 思ったよりも安価に落札できました。 まぁ、使い物にならなければプリズムをバラして構造を勉強すればいいや。

【写真4-1 . Nikon顕微鏡(S型)】
メーカー名: Nikon(ニコン)
機種名: S型 SIN顕微鏡
総合倍率: 50〜2000×
対物レンズ: 10×、40×、100×(油浸)
接眼レンズ: 5x、10×、20×
鏡筒形式: 45°傾斜
焦点調節: ステージ上下動式、粗動ハンドル、微動ハンドル、再焦準装置付
ステージ: 角型固定式、X-Y微動装置
照明: サブステージランプ(オプション、標準は反射鏡)
集光装置: アッベ式コンデンサー
サイズ: 32×15×19cm (H×W×D、博士実測)
重さ: 3.1Kg(ランプ込み、接眼レンズ含まず、博士実測)
用途: 学生実習用
製造年: 昭和45年(1970年)前後
特徴: (1)再焦準装置によりピント合わせが簡単、誤って標本を破損する心配がない
(2)レンズ類は標準品を使用(安価でよい顕微鏡を提供するのが目的)
オークションではニコン(G型)とあったのでWEBで調べてみましたが情報が見つかりません。 木箱には確かに「MODEL G」と書いてあるのですが。 ニコンインスツルメント(ニコンの顕微鏡部門のHP)に問い合わせてみたところ、とても丁寧な解答を頂きました。 どうもありがとうございます。 お陰さまで正式名、特徴、製造年が良く分りました。 ただ、「研究用」ではなく、「実習用」なんですね。 微妙にニュアンスが違います。 といっても「学習用」でも無さそうだし ..... 。 ともかく、さとう研では「研究用」に分類しておきます。

【写真4-2 . Nikon(S)君とOLYMPUS(GC)君の比較】
OLYMPUS(GC)君と並べて大きさを比較してみましょう。 重量の感覚からひと回り以上小さいのかと思っていたのですが ..... 。 以外にも並べてみるとほぼ同じような大きさですね。 しかしデザインの関係か、単独で見ればNikon(S)君の方がコンパクトに見えます。
さて、「ジャンク」扱いのNikon(S)君、果たして現物の程度は? これが思った以上に良好です。 前オーナー(研究室だそうです)のマーキングの中に「47」の文字があるので昭和47年(1972年)という意味かもしれません。 となれば博士よりも若く、さとう研の顕微鏡群の中では例外的な存在となります。 といっても昭和中期には変わりありませんけど。
軽くばらしながらクリーニングしましたが徹底した内部つや消し処理、レボルバー内部にベアリングを仕込んでいるなど、なかなか丁寧な作りです。 それにしても接眼部分(上部構造)がまるで「タコ」のような、ユーモアのある形ですね。 双眼仕様にした方がデザイン的にまとまりそうです。 シリーズの上位機種は双眼で、このNikon(S)君はボディを共用した末弟なのでしょう。 博士から見ればオーバークオリティに見える作りの良さも兄貴(上位機種)譲りだと思えば納得できます。

【写真4-3 . 木箱】
これまたさとう研の顕微鏡としては初の木箱付きです。 木箱などかさばるからいいや、と思っていたのですがやはりあるといいものですね。 少々ぶつけた跡がありましたがウッドデッキ用の塗料で修正すると目立たなくなりました。

【写真4-4 . 微動装置付きステージ】
さらにさとう研初物である、スケール付きの微動装置です。 TIYODA(B型)君にも微動装置は付いていましたが、スケール(目盛り)はありません。 スケールを何に使うのか? スケールのX-Y座標を記録しておく事によりプレパラートのどこに観察対象があるのかを記録できるのです。 もっとも現時点では、永久プレパラートを作製する技術のない博士にとっては無用の長物です。 将来的には役に立つことでしょう(?)。

【写真4-5 . ステージ下】
a:簡易照明 b:青フィルター c:開口絞り目盛り d:コンデンサー上下レバー e:ピント粗動ハンドル f:ピント微動ハンドル
さらにさとう研初と言えば「照明装置」です。 もっともこれは簡易的なもので、いわばただ単にレフ球をつけているだけですが、それでも便利は便利です。 ボリュームが無いので明るさのコントロールは出来ないのでさとう研保有のNDフィルター(サングラスみたいなもの)で行う必要があります。 この部分はいずれ改造の対象となる事でしょう。 照明がフィラメント系なので色補正用に青フィルターがついています。 なお、コンデンサーの開口絞りに目盛りが打ってあったので「アクロマートコンデンサーか?」と期待しましたがやはり「アッベ式コンデンサー」でした(前者が高性能)。
最後に紹介する「さとう研初物」はステージ上下によるピント合わせです。 鏡筒に重いカメラを載せても大丈夫、というのが特徴です。 さとう研ではデジカメを外部架台で固定しているので接眼部が動かないのは好都合です。 しかし、TIYODA(B型)君ら接眼部直筒型と比べ傾斜型では内蔵するプリズムにより像が劣化する可能性があります。 カビの生えたプリズムを見たことのある博士のもっとも心配する所ですが、幸いこのNikon(S)君ではカビはありませんでした。 もっともプリズムを通す事による潜在的な像の劣化はある訳なので、ある意味興味深い所です。
次回は写真撮影を含む見え味のチェックを行いましょう。
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Nikon顕微鏡(S型)の世界(その2)見え味検証へ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その3)改良編へ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その4)照明LED化の試みへ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その5)照度の制御へ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その6)あちの花観察へ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その7)油浸レンズへ
Nikon顕微鏡(S型)の世界(その8)サラダちゃん仕様へ
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★今回のNikon(S)君は程度が良くてあまりバラバラにしよう、という気が起きません。 修理(レストア)しなくても使える顕微鏡なんて、...「続学習顕微鏡の世界」でも言いましたが、やはり博士にとってはもの足りません。 まっとうな人は何かを見る手段として顕微鏡を購入するし、コレクターは収集が目的です。 一方、博士は? どうも人がポイッと捨ててしまうものを磨き上げるのが楽しみ(目的)なようです。 うーん、健全な趣味と言えるのだろうか。