続傾斜型顕微鏡の世界(その2)レストア編
(オリンパス顕微鏡KC型)のレストア、観察、改造)
06.6.27公開
レストアと言ってもメカとしてはおかしな所はありません。 もっぱらクリーニングですね。 なんと言ってもこの砂?汚れ。 よっぽどひどい所に放置されていたのでしょうか? いつもの様に分解し、磨き上げましょう。
注目すべきは接眼部付近です。 当初はEH型の双眼接眼部を流用するつもりだったのが仕様の違いで出来なかったのは前回レポートした通り。 アップで見てみましょう。 写真2-1の真ん中がKC型、左がEH型です。 EH型の写真で赤矢印のギザギザリングが鏡基と接眼部の接続部分で、ここから外す事により、接眼部を直筒⇔単眼⇔双眼⇔三眼⇔落射照明⇔(偏光)アナライザー⇔位相差の・・・と自在に交換する事が出来ます。 KC型はこの部分が固定式です。 入門用or実習用ならそれでも構わないんでしょうね。 更に言えばレボルバー(対物レンズを装着し、クルクルと回して簡単に倍率を変える事の出来る装置である、「わっか」)も異なります。 EH型のごついのと比べ、KC型のはいたってシンプル。 むしろクラシカルなGC型と瓜二つです(EH型、KC型も十分クラシカルですけど)。 まぁ、設定販売価格の差がありますからね。 差別化されて当然でしょう。 ただし機能的には殆ど変わりありません。 個々の対物レンズの光軸調整機能まで付いていれば別ですが、ただ「回すだけ」ならKC&GC型のシンプルな形で十分です。

【写真2-1. レボルバー・接続部の比較(左:EH型、中:KC型、右:GC型】
他の特徴と言えば合焦ハンドルですね。 これも前回レポートしましたが、KC型ではこの時代の顕微鏡には珍しくピント調整の粗動ハンドルと微動ハンドルが同軸になっています。 しかし機構自体が変わっている訳で無く、相変わらず微動範囲には限界があります。 微動範囲の限界を示す「=-」マーク(写真2-2(EH型(左)、KC型(中))に青矢印で示す)がそれを物語ります。
再照準装置(博士は対物レンズの「激突防止装置」と理解しています)も少しだけ変わっていますね。 レバー式なのはEH型と同じですが形状が異なります(写真2-2の赤矢印)。 同じオリンパス顕微鏡でもMIC顕微鏡ではよりシンプルなネジ式です。 おそらく油浸レンズを前提とした設計とそうでない設計の違いでしょうが、油浸レンズを使わない博士にとってはシンプルなネジ式の方が信頼感があって好きです。

【写真2-2. 再照準装置(左:EH型、中:KC型、右:MIC型)】
レストアと言いつつ、レストアっぽい事は何も出てきませんね。 と、いうわけでレストア編、続きます。
