身近なものの観察!シリーズ

岩石標本の作製&観察(その3)

2007.4.11公開


 岩石標本作製のノウハウ、結構蓄積されてきました。 ただ、これまで作ったものは少し地味ですね。 肉眼で見て筋みたいな模様が入っているのを選んだのですがどうもそういうのは地味みたいです。 見た目ハデハデな岩石標本を作りたかったらモザイクみたいに色んな成分が入っているのを選ぶべきですね。 ここで「モザイクみたいな」とは単色でなく、肉眼でも色の異なる粒の集合体であることが分かる事を博士なりに表現した言葉です。 今日は土曜日、久しぶりに仕事抜きの純粋な休日です(明日は純粋とは言いがたい...)。 サラダちゃん達と海辺までサイクリング。 サラダちゃん達が貝殻集めに夢中になっている間、モザイクっぽい石を探してみました。

 海辺はどこもそうなのか、あるいは九州東岸の特徴なのか、単色の石が多いですね。 その中で見つけたのが下の2つの石です。

 
【写真3-1. 海辺(砂浜)で拾ってきた石A&B(外観)】

 このままでは大きすぎて磨ききりません。 金槌で砕いて適度な大きさ(10mm角以下)にして片面を耐水ペーパーで磨きだします。

 
【写真3-2. 海辺(砂浜)で拾ってきた石A&B(片面研磨後)】
(実体顕微鏡(オリンパスSZ-40)にて観察、倍率=適当)

 前回の手順通り、磨きだした面をスライドグラスに接着し、反対側をセオリー通り字が透けるまで磨きます。 後はカバーグラスをかけて完成です。


【写真3-3. 海辺(砂浜)で拾ってきた石A&B(第2次研磨後)】

 肉眼でも石Aは石を構成する粒がはっきりしているのですが、偏光顕微鏡クロスニコル下で観察するとまさに結晶粒の集合体であることがよくわかりますね(写真3-4(左))。 といっても純粋な結晶粒が集まったというよりも結晶粒が砕けた砂がより細かな泥をバインダーにして集まったように見えます。 砂粒が角々しているので角礫岩かとも思うのですが、『原色岩石図鑑』によれば礫岩とは2mm以上の粒の集合体だそうで、これはそれ以下なのでまた違う命名が必要なようです。

 石Bは肉眼〜実体顕微鏡視野では結晶粒っぽい粒はあるもののバインダー?の方が圧倒的に多いように見えました。 写真3-4(右)はその中でも結晶粒が存在するところを狙ったものですが、大部分はより細かな泥?バインダーで占められています。 ちなみに博士は写真左側の白く輝いている部分と中央よりやや下側のキラキラした紺色部分、さらに紺色部分に浮かぶ黄色く輝く2つの島を結晶粒と考えています(写真下側のキラキラしていない紺色の部分は背景です)。 写真3-3右側が石Bですが、キラキラ紺色部分に相当するのはその中の黒い点々、その他は地味〜な砂漠地帯です。 石Aの様に肉眼で粒々が見えるものの方が見た目がにぎやかで良いですね。

 
【写真3-4. 海辺(砂浜)で拾ってきた石A&B(薄片、クロスニコル下)】
(左:石A、対物10倍  右:石B、対物10倍)

 しかし石Bの結晶粒っぽい所を高倍率で観察するとこれはこれで面白い。 以前観察したグルタミン酸ナトリウムのように針状結晶の集合体に見えます(写真3-5)。


【写真3-5. 海辺(砂浜)で拾ってきた石B(薄片、クロスニコル下)】
(写真3-4(右)の中央やや下側のキラキラした紺色部分の拡大、対物40倍)

 博士の思い描いていた岩石標本の世界に近づいてきました。 石の選び方のヒントも得られたし。 遊びに出かけたおりにまた面白そうな石を探してみましょうかね。



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★エポキシ接着剤で封入するとどうしても泡が残りますね。 ちょうど東京出張があったので東急ハンズに行って専用の封入剤を...と思ったのですが強行軍のスケジュールのためプライベート時間が全く取れませんでした。 残念。
★『ミクロのワンダーランド 顕微鏡大作戦』にヒントがありました。 やはりエポキシ接着剤を封入剤として代用するくだりがあるのですが、そこでは4時間硬化型を使い、泡が静まってから使う、とあります。 なるほど。 博士はせっかちなので10分硬化型を使っていたのでそんな余裕はありませんでした。 4時間も余裕があればカプセルに入れてぐるぐる回して遠心力で脱泡したり、注射器でひっぱって真空脱泡したり出来そうですね。