身近なものの観察!シリーズ

岩石標本の作製&観察

2007.3.30公開


 さとう研で岩石標本と言えば、既に滑石=ろう石の標本を作っています。 ろう石=蝋石というくらいあって柔らかく、あっというまに薄片が出来ちゃうんですね。 しかし、その辺に転がっている石は違います。 「石」というくらいあってとても硬いんです。 サンドペーパーでこすってもなかなか削れてくれません。 本来の岩石標本は0.03mm厚まで薄くするものらしいのですが、我々は所詮素人です。 「向こうが透けて見えるくらい」薄くて、偏光顕微鏡で見て楽しめたら良しとしましょう。 ...それにしても硬いんです。


【自作岩石標本】

 ろう石の後、当然の流れとして本物の「石」に挑戦し、そして敗れ去りました。 Fuji偏光顕微鏡を入手し、観察手段が整いつつある今、再び挑戦の時がやってきました。 前回は人力でやって敗退したのだから今度は文明の利器=機械の力を借りましょう。 卓上ボール盤(ようはドリルの親玉ですな)に石を固定し、耐水ペーパーでシュイーンと削っていきます。 派手な装備、大げさな音からいかにも効率が良さそうですが.... やはりなかなか削れません。 そうこうするうちに強力両面テープ、はては接着剤で固定しても削る力に負けて石が外れてしまいます。 うーん。

 話は元に戻りますが石の大きさは25mm×20mmが良いとされます。 博士もそれに近い石を使っていたのですが...。 あすぱらサラダちゃんが一言。 「石が大きすぎるんじゃないの?」 そう、1cm角×厚み3mm程度、あるいはさらに小さな石を探して来れば子供の腕力(あすぱらサラダちゃん=小学1年生)でも削りだせるものだったのです。 なーんだ。 考えてみたら顕微鏡観察が目的なのです。 顕微鏡の視野を考えれば米粒大でも十分な大きさと言えましょう(小さすぎると取り扱いが厄介なので過ぎたるは... です)


【ひたすら削ります】

 あとは入門書に書いてあるセオリー通り、耐水ペーパーの目を少しずつ細かくし、#240〜#2000まで磨いてからスライドグラスに貼付け、さらに反対側を同様に削り&磨きます。 カバーグラスをかけて完成です。 博士は貼付けにエポキシ接着剤(高透明型)を使いました。 あふれるくらいたっぷりつけた方が足りないよりも上手くいくようです。 重しをのせてはみ出た分は完全に固まる前にカッター、ピンセットで取り除けば見た目もすっきりです。 (下の写真は余分の接着剤を取り除く前です)


【完成直前】

 さあ、観察しましょう。 さとう研では本格的な偏光顕微鏡であるFuji偏光顕微鏡を使いますが、通常の生物顕微鏡をお手軽に改造しても同様の世界が楽しめます。 あすぱらサラダちゃんも自作の岩石標本に魅了されています。


【観察の図】

 ちなみに偏光顕微鏡で覗いた世界は下の写真のようなものです。(専門家の方、笑い飛ばしてください。 所詮素人の仕事です) 通常の生物顕微鏡と同じようなオープンニコルでの視野、これにアナライザーをかませたクロスニコルでの視野ではまるっきり違う世界となることがお分かりになると思います。

 
【庭でひろった石の薄片】
左:オープンニコル  右:クロスニコル

 庭の石にも色や硬さが違うものがいっぱいあります。 どんなものが奇麗な標本になるのか、宝探しですね。




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★こういった手作業の大好きなはるさめサラダちゃん。 今回は何故顔を出さない? 実はインフルエンザに感染し、隔離状態なのです。 やれやれ。
★偏光顕微鏡による岩石標本観察の参考HP、参考書を以下にあげておきます。 岩石標本作製&観察に真面目に向き合う方は(1)〜(3)を、博士のようにまずは体験して(子供と一緒に)楽しみたい方は(4)〜(6)が参考になるでしょう。
 1) 岩石薄片製作のマニュアル
 2) 偏光顕微鏡の使い方(理科の先生のための)
 3) 益富壽之助『原色岩石図鑑(23刷)』保育社(1968年)、P.100-118
 4) 沼澤茂美『ミクロ探検隊 顕微鏡入門』誠文堂新光社(2001年)、P.87
 5) 山村紳一郎『ミクロのワンダーランド 顕微鏡大作戦』誠文堂新光社(2005年)、P.49
 6)『学研の図鑑 顕微鏡観察(17刷)』学習研究社(1986年)、P.112-113
kmalさんから文献3について情報をいただきました。 なんと、その名も「益富地学会館 石ふしぎ博物館」。 益富先生という方は有名な方だったんですね。 GWには大阪市で大規模な催し物も行っているようです。 「石」と言えば『石の来歴』(奥泉光著、文芸春秋、H6年)のイメージがあったのでかなりマイナーというか暗いイメージだったのですが催し会場写真を見る限り明るく楽しそうですね。