観察レポート・(ミクロの世界の観察)ポテチの袋の観察2
「ポテチの袋の観察2」
2006.10.28公開
10.29追加
前回はポテチ袋の断面を金属顕微鏡で観察してみました。 驚くほど手軽に多層フィルム構造を見る事が出来ましたが切断カミソリによる切り傷が目立ちましたね。 今回は切片を作って生物顕微鏡で観察してみる事にしましょう。 しかし、こんなに薄いものの切片なんて...。 ご安心下さい。 厚くすれば良いのです。 今回は透明性の高いエポキシ接着剤を使ってみました。 細く切り出したポテチ袋の上下面をエポシキ接着剤で太らすと切片の切り出しが容易になる訳です。

【包埋剤(エポキシ接着剤)】
といいつつもフリーハンドで薄〜い切片を切り出すのは容易ではないですね。 ないにかしらのジグを用意したいところです。 ともかく何枚も切り出し、ましなものを選びましょう。

【ポテチの袋の断面(オリンパス(EH君)対物10X, 接眼WHK10X)】
修行が足りないので分厚い切片ですが、これなんかはまぁましな部類でしょう。 対物10X(開口度=0.25)では2層構造に見えます。 金属顕微鏡の観察結果とは異なりますね。

【ポテチの袋の断面(オリンパス(EH君)対物40X, 接眼WHK10X)】
対物40X(開口度=0.65)に交換すると1層に見えていた(1)層が3層に見えます。 本当? 金属顕微鏡で見た1+2+3層の厚みとかなり異なりますね。 切片の厚みが厚すぎるのでなんらかの偽色が出ている可能性があります。 そもそも透過照明なのにこれだけ濃い色が出ているのはなんかおかしい気がします。
やはり生物顕微鏡では試料作り(薄〜い切片切り出し)が重要ですね。 そこで以下の工夫をしてみました。 切片の切り出しにはミクロトームという道具がありますが素人が買えるような値段ではありません。 プラスチック注射器を利用した簡易ミクロトームも知られています。 これを真似て作ったのが長ナットを利用した簡易ミクロトームです。 ストローに細く切ったポテチ袋を入れてホットメルト接着剤で包埋し、長ナットミクロトームで厚みを調整しつつカミソリで切片を切り出す訳です。

【簡易ミクロトーム】
こうして得られたよりましな切片をオリンパス(EH)君で観察してみましょう。 やっと透過照明らしい観察結果が得られました。 結果は .... 『高分子新素材写真集』と全く同じですね。 6層からなる多層構造であり、第2層がAl層です。 ちなみに第1層側が印刷面が見える袋外側、第6層側が銀色に見える袋内側です。

【ポテチの袋の断面(オリンパス(EH君)対物40X, 接眼WHK10X)】
『高分子新素材写真集』の編集者もカルビーに取材したんだろうし、やはり6層構造が正解なんでしょうね。 では金属顕微鏡では何故7層に見えたのか? うーん、5層と6層の接着界面が独立した層に見えているんでしょうね。 上の写真でも独立した層に見えなくないし、他にも独立した層があるようにも見えます。 はっきりさせる為には溶剤などで層を剥離する必要があると思います。 もちろん顕微IRがあれば一発ですがそんなもの素人の持ち物じゃないですからね。
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★前回も今回も同じようにカミソリで試料を切り出しているので同じような「刀傷」があるはずです。 しかし見た目はだいぶ違いますね。 反射照明と透過照明の差が現われているのでしょう。
★当初の公開時は最初の2層構造(っぽい写真)を信じてしまいました。 しかし、金属顕微鏡での観察結果と違いすぎる???...と考え、さらに工夫を加えた結果を追加しました。
★今回の簡易ミクロトーム、比較的博士に相性がいいのですがまだまだ要改良の点も。 (1)ストローがつるつるしてカミソリの食い込みが悪く、薄すぎると刃が滑ってしまう→ホットメルトで固めた後、ストローの皮は除去するべし? (2)ホットメルト接着剤が刃に付着しやすく、薄すぎると切片がくしゃくしゃになる→包埋剤を変えるか、グリセリンなどを潤滑剤にする? (3)市販のネジはがたが大きく、精密な厚み調整がやりづらい→ネジにテフロンテープを巻いて固くする?