身近なものの観察!シリーズ(その2)

「CD(コンパクトディスク)の観察(2)」

2006.1.15公開


 CDの観察の続きです。 前回はディスク面を観察しました。 ついでだから断面も観察してみましょう。 CDを割って、断面をカッターで削り、次いで両刃カミソリで薄く削ります。 前者の削りくず(厚い切片)が写真左側、後者の削りくず(薄い切片)が写真右側です。 写真上側の黒く写っているのがレーベル面(塗料)でです。 塗料の下に(見えませんが)アルミ層があり、そこが記録面のはずです。 薄い切片を見るとこの塗料+アルミ層(写真では黒い帯)の下に線があり、しかも厚い切片ではその線から上が剥離していますね。 アルミ層の下はポリカーボネートの一枚板かと思っていましたがどうも2層構造になっていた様です。 

 
【CDの断面】(OLYMPUS(EH)君 接眼10X&対物10X&デジカメ3Xで撮影)

 しかし何故こんな構造をしているんでしょうかね? 2層構造にすれば当然コストアップするはずだから何らかの理由があるはずです。 繊細な金型でピットをプレスする訳だからプレスする素材が頑丈だったら困るのかな? それとも素材が厚いとプレス後の冷却での歪みが大きすぎて精度が保てないとか? いずれにしても解説本には書かれていない「ヒミツ」ですね。

 さて、CDを見たんだからCD-Rも見たいと思いませんか? CD-Rは記録の仕方が異なります。 CDは正に「溝」ですが、CD-Rの場合は立体的な構造は無く、レーザーを当てて記録面の反射率を変化させているそうです。 では、どのように見えるのか? 上の原理ならば透過光では見えそうに無いですね。 と言っても博士は反射照明は持っていないし。 まぁ、これまた「論より実験」です。

 CD-Rの記録面は簡単に剥離する事が出来ます。 透明な面を見て記録された部分と未使用部分が共存するようにカッターで切り出し、グリセリン封入します。


【CD-Rのプレパラート】

 予想されたようにCDのようなはっきりした構造は認められませんね。 肉眼で見える「使用済み」の部分は細かな線が入っていました。 眼視&心眼でじーっと見ると線に並んで構造があるような無いような? 写真で見ると全く分りませんね。 未使用部分はまったく構造がありません。 下の写真の上半分が使用済み部分、下が未使用部分です。 撮影条件はCDの時と同様接眼15×&対物100×&デジカメ3×です。


【CD-Rの記録面】

 CD-Rはそれ程面白くありませんでした。 反射照明(金属顕微鏡)を使えばまた面白いでしょうね。 金属顕微鏡かぁ。 ちょっと興味がありますね。
(2006.11.11追記)上のCD-R記録面の観察に関する部分(取り消し線部分)は誤りでした。 ごめんなさい。 実際にはCDと似た記録面です。 改めて「その4」としてレポートします。



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★CDの2層構造、普遍的なものかどうかは分りませんよ。 試料として用いたCDは5年くらい前のパソコン雑誌の付録です。 特殊なものでは無いとは思いますけどね。
★ところでCDもCD-Rも同も同じレーザーピックアップを使いますよね? しかし一方は凹凸を、他方は反射率の違いを記録原理としています。 不思議と思いませんか? CD-Rの方が簡単ですね。 反射率が違うので検出器は光の強弱を検知する事になります。 デジタル記録には十分です(1か0ですから)。 一方でCDは? 秘密はピットの深さにあります。 ピットの深さは使用しているレーザーの波長の1/4になっているそうです。 このため表面を反射する光とピットの底を反射する光の波長が1/2λ異なる為に干渉して光が弱まる、つまりピットの有無を検出器は光の強弱として認識するのです。 そうなると検出器にとっては相手がCDでもCD-Rでもどちらでも良い訳ですね。 .... しかし、その為にはピットの深さはわずか0.2μmとなってしまいます。 ほんと、なにげなく溢れている製品にもものすごい製造技術が使われているものなんですねぇ。