偏光顕微鏡の世界(その3)レストア(とりあえず)終了
(Fuji偏光顕微鏡のレストア、観察、改造)       07.5.1公開


 試し見ではベルトランレンズホルダーに偏光フィルムを貼付けてみましたが、やはり本来アナライザーがあるべき位置にセットしましょう。 本来のアナライザー(偏光プリズム)は止めネジを緩め、マイナスドライバーをホルダーにかませてカン! 素直に外れてくれました。 写真3-1の左側にある円筒形のものがそれですが、保護用のガラス板はくっついたまま。 これが外せないと偏光プリズムのクリーニングが出来ません。 これは今後の課題にしてプリズムハウスを外した後に残った大きな穴に偏光フィルムを貼付けました。 ただ、この穴内部は中途半端なメッキと真鍮地肌でピッカピカ。 迷光対策として黒色の植毛紙を貼付けています。


【写真3-1. アナライザー】

 ベルトランレンズ、謎ですね。 博士が入手した時点でレンズが欠品だったのでどんなレンズなのかさっぱり分かりません。 これまで使った事も無いし...。 「干渉像を見る為のもの」らしいのですが、これも宿題としましょう。

 次は鏡基ですね。 博士のFuji偏光顕微鏡はアームの動きがものすごく渋く、渾身の力を振り絞ってやっと動く程度。 ここをなんとかしましょう。 アーム付け根のカニ目ネジを緩めるわけですが、たいがいこのネジは固くて回りません。 CRC556をたっぷりかけてしばらくおいておきましょう。 1週間後、カニ目オープナーをかませるとガキッと外れてくれました。 ところが... なんと、樹脂製ワッシャーが崩壊していました。


【写真3-2. 崩壊した樹脂製ワッシャー】

 うーん、ワッシャーを作り直しましょうか。 滑りを良くしようと、フェルトで作ってみましたが柔らかすぎてアームとベースを合わせるときにぐしゃっと曲がってしまいます。 じゃあ、あれにしましょう。 そう、「カグスベール(テフロン製のシート、切り取って椅子などの足に付ければつるつる滑って床を傷つけないという優れもの)」です。 これはあたりですね。 油も付けていないのにアーム角度をスムーズに変更でき、且つぴたっと狙った角度で止まります。

 オルソスコープとして観察する上での機能的な問題はなくなりました。 しかし、気になるのはくたびれた外装ですね。 顕微鏡の「顔」というべきメーカーエンブレムは白のペイントマーカーで色を入れ直しましょう。 その他の外装のクリーニングはいつもの通り、塗装面はワックス入りのコンパウンドで、メッキ面はクロームポリッシュで磨いていきます。 しかし、...協和顕微鏡でもそうでしたが塗装面は磨いても今ひとつすっきりせず、またメッキ面はすぐに地肌が透けてきます。 同時代の顕微鏡でも千代田顕微鏡やオリンパス顕微鏡ではこんなことは無かったのですが...。 いっそのこと! 再起不能なメッキ面はサンドペーパーでメッキを剥がし真鍮地肌を磨き上げました。 どれだけ耐久性があるのか疑問ですが美しいですよ。 くすんできたらクリアー塗装を試してみようかと思っています。

  
【写真3-3. レストア終了後と観察の図】

 さぁ、組み上げましょう。 接眼レンズはオリンパスのWF10Xを、対物レンズはオリンパス40X(鏡筒長160mm用)、オリンパスM10X(鏡筒長210mm用)、千代田4X(鏡筒長160mm用)を合わせました。 明らかにバラバラなのですが、意外にも10Xと4Xの同焦点性は良いですよ。 対物レンズとレボルバーの間にあるギザギザは何か分かりますか? これは芯合わせの為のもので、ここを回すとレンズの芯が微妙に回転するもので、これを使って回転ステージの中心と芯合わせする訳です。

 ふう〜。 やっとレストア終了ですね。 まだまだベルトランレンズとか、鋭敏色検板とか宿題は残っているもののともかく終了です。 写真3-3では導入編と同じようなアングルで写真を撮ってみましたが、違いが分かっていただけますか?

 いつもならここで見え味の紹介をするところですが、すでに「岩石標本の作製&観察」シリーズとして観察レポートをアップしています。 そちらの方をご覧いただければ幸いです。


 

その1:導入編へ
その2:ポラライザーレストア編へ
その3:レストア(とりあえず)終了
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★レストア終了前から岩石標本観察の実戦にかり出されたFuji偏光顕微鏡。 稼働率も高く、良い買い物でした。
★ステージの基部もガタついていました。 ここのネジ(ミラーの基部を兼ねたネジ)もカニ目ですが小さい上に固着していたのでカニ目オープナーでもお手上げ。 カニ目の2つの穴をマイナスドライバーで叩いて一直線つなげ、大きめのマイナスドライバービット(インパクトドライバー用なので六角です)をかませてスパナでまわして解決。 力技も必要ですね。