ミクロの世界(その2) 顕微鏡との出会い
(顕微鏡の観察、改造、自作)
結婚式の引きでもので「シャディのカタログ」を見るといろいろなものが載っていて見ているだけで楽しいですね。 今を去る事2年前、はるさめサラダちゃんが好きなものを選んでいいよ、と言う話になりました。 ちなみに本人はアクセサリー類を希望したのですが博士夫人の「子供らしくない」という意見から顕微鏡になりました。 これがさとう研究室初の顕微鏡となったMICRON君です。

さて、MICRON君です。 見た感じはおもちゃですが、正統的な「顕微鏡」のデザインです。 接眼レンズは固定、対物レンズの変更により100倍、200倍、300倍の能力があります。 子供向けなのだから一段階倍率を落として50〜200倍くらいにしたほうがいいと思うのですが .... 。
永久プレパラートが1枚付属しており、とりあえず覗いて楽しむ事が出来ました。 では、他に何を見るか? この顕微鏡は本来透過照明で見るものですが透過照明用のサンプルは光を透過させる為に薄いものか、或いは薄く切り出す必要があります。 ハッキリ言えば手軽に観察できるものがないんですよね。 ウーム。
また、しょせんおもちゃなのでいたしかたないとはいえ、視野が全体的に白っぽく見え、コントラストに欠けている事も「ウーム」な点です。 何が原因か? ばらしてみるとレンズ内側〜鏡筒までつやつやしています。 植毛紙を貼るのも大変なので黒色紙を丸めて入れて反射防止を行いました。 しかし、白っぽさは消えません。
次に接眼レンズをバラすとこれがただのシングルレンズです。 なにげなくコルキットKT-スピカ付属のK-12mmをつけると鏡筒の外側がスリーブの内側とぴったり合います。 少なくとも付属の接眼レンズよりは見え味は向上しましたがまだ白っぽさはなくなりません。 それよりも視野が広くなった事がメリットです。 これに味を占めてUW-15mmを試してみました。 視野がさらに広がりました。 職場で使っている研究用顕微鏡よりも見かけ視野が広いのは驚きです。 でも、視界が白っぽいのはそのままです。 結局、対物レンズの限界なのでしょう。 (ずっと後になって、「照明の絞りの問題」だと気付きました)
MICRON君栄光の絶頂はゾウリムシを観察した時でしょう。 「2年の科学」教材のカブトエビ飼育セットですが、見事にカブトエビの飼育に失敗し、しばらくデッキに放置されていました。 どこかで「長期間放置された水の中にはゾウリムシがわく」と書いてあったのを思い出し、試しに見てみると .... 「!」 いました。 サラダちゃん達はおろか、普段科学に全く興味を示さない博士夫人さえもが顕微鏡に見入りました。
他にもなにかしら覗いてみたはずなのですが、この頃の記憶は余りなく、また写真を探してもMICRON君の姿は見つかりません。 一番の問題は見るべき対象が思い付かなかった事です。 これは当時天体望遠鏡の自作が佳境に入っていた時期だからでもあり、また覗く対象を調査したくなるほど見え味が良くなかったせいでもあり、更に言えば「もともとタダで貰ったもの」ということから「どうしてもモノにしてやるぞ」という強い意志が生じ得なかった事があります。 しかしながらこのMICRON君、おもちゃ然とした外観からは想像できない程の性能を優していることは確かです。 「おもちゃの望遠鏡はしょせんおもちゃだけど、おもちゃの顕微鏡はなかなかあなどれない」という意味のフレーズをどこかで見た事がありますがまさにその通りです。
次にこのMICRON君をいじっていて思い付いたのが「天体望遠鏡のアクセサリーを活用して顕微鏡を自作できないか?」ということです。 アクセサリーのなかでもアイピースはそのまま流用可能です。 天体望遠鏡のアイピースは焦点距離(f)で、顕微鏡のアイピースは倍率(Z)で表記されていますが、これらの間にはZ = 250 / f の関係があり、簡単に変換できます。 顕微鏡で一般的な10Xのアイピースは焦点距離25mm、つまり天体用では比較的長焦点アイピースに該当します。 博士は職場でも顕微鏡を使いますが、「広視野」型のアイピースでもその見かけ視野はUW-15mm(見かけ視野=66°)にも及びません(と、思うんですけど...)。 天体の世界には80°以上もの広視野(&高価格)アイピースがゴロゴロしていますがこういった逸品を所有している方々は顕微鏡の世界ではけた外れの高視野顕微鏡を自作(改造)できる環境にあると言えます。

上の写真は試作中の自作顕微鏡です。 対物レンズは「写ルンです」から流用しました。 この顕微鏡自作プロジェクトについてはまたページを改めて報告したいと思います。(今の所、UNIQUE君の改造に手一杯でなかなか進みません)
ミクロの世界(その1;プロローグ)へ
ミクロの世界(その2;顕微鏡との出合い)へ
ミクロの世界(その3;Vixen UNIQUE導入まで)へ
ミクロの世界(その4;Vixen UNIQUE迷光対策)へ
ミクロの世界(その5;プランクトンの観察)へ
ミクロの世界(その6;市販永久プレパラートの観察)へ
ミクロの世界(その7;観察セットを使ってみました) へ
ミクロの世界(その8;照明の検討)へ
ミクロの世界(その9;絞りの試作)へ
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★今回は文章ばかりで写真が殆どありませんね。 おそらく最後まで読んでくださる方は殆どないものと想像します。 そりゃあ、そうですよ。 でも、さとう研究室における「顕微鏡」というものを記録するためにあえて公開しております。 まぁ、自己満足ですから ..... 。
★顕微鏡の自作例というものは(少なくともWEB上では)殆ど見かけません。 天体望遠鏡の親戚でありながらこの差はいったいなんなんでしょうね? 星見を始めて初めて分かった事の一つに、「星見に適した夜は案外少ない」ことがあります。 せっかく高価な機材を揃えても(さとう研究室は「安物」ばかりですけど)なかなか活用できる機会がありません。 機材をバードウォッチングに転用する方は結構多いです。 たとえば「ちょっとそこまで、星を見に…」など。 実は博士も活躍の場所を失ったコルキットKT-スピカを鳥見に活用すべく画策中です。 同じようにミクロの世界にも眼を向けてみてはいかがでしょうか。
★2005.4.16追記:最近顕微鏡つながりでお友達になった丸山さんがついに自作顕微鏡を完成されました。 (「kmal's HP」の「複式顕微鏡の自作」コーナー) 少なくとも日本のWEBの世界ではここまで顕微鏡らしい顕微鏡は初めてだとおもいます。 他にも参考となるサイトも紹介されているので要チェックです。