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スタジアムに行こう! 番外編

ウーゴ・ヨンチェスさんによる
スポーツフォーラム潜入記


おことわり
このページは2005年12月現在の情報を元に書かれています。
この情報を元に行動して、何らかの不都合があったとしても
責任は負えませんので、ご自身の責任と判断で行動して下さいね。
(ヨンチェスおよびのり)



ウーゴ・ヨンチェス サッカーフォーラムへ行く

 みーさんより『ブランコ選手がレストランをオープンした』との情報あり探しに行くことにした。彼女が見たという『メディオティエンポ』というサッカー関連ウェブサイトを早速確認したのだが『市の南にオープンした云々』としか書いていないので正確な場所が分からない。
新聞や雑誌の記事を一通り眺めて見たが宣伝の類は一切発見できないので、電話の番号案内に聞いてみたが案の定『登録されておりません』で一蹴される。次にブランコの所属クラブ、アメリカに電話。午後は警備員しかいないのか3時くらいにはおっさんが電話に出て『朝10時すぎに電話してくれ。受付の子がでるから』っていう。どうやら本当らしいので再度午前中に電話すると受付の女の子らしいのが5分ぐらいかかって周囲に聞きまくった挙句『えーと〜、次の電話番号に電話してください。』ということで、レストラン直の電話番号ゲット。普通ならここで住所確認、メデタシメデタシとなるのだが、そうは問屋がおろさなかった。


ヨンチェスさんには大捜索していただきました。ありがとうございます。その上一度出かけた後、わざわざ写真を撮りにもう一度行っていただき感謝感激です。(のり)

 まずもらった番号に電話しても誰も出ない。再度アメリカに確認し、もらった番号が間違いでないことを確かめる。根気強く毎日2回、時間帯を変えて電話をかけ続けたが、リーグの最終戦であるモンテレイ戦(アウェー、11月26日)があった当日午後になっても電話は誰も出ないのであった。いったいどうなってんだ。
 仕方がないので元サッカー選手の友人に調べてもらったところ、『インスルヘンテス通りの○ISSANの辺りらしい』という又聞き情報ゲット。インスルヘンテス通りというのはメキシコシティを南北に貫く有名な通りで、しかも○ISSANも有名な日系企業であるのであって、情報が確かならそうそう道に迷うようなことはあり得ない。所詮はその通り沿いである。じゃあ、自分の足で直接探しても見つかるであろう、店の写真は先のみーさんご指摘のWEBに載ってたし、と、楽観的に土曜日の試合の1時間ぐらいに、のこのこ愛車に乗って出かけてみたのでありました。が、しかし、期待は儚く消え、○ISSAN社のビルは楽勝で見つかるのに2回その付近を2度往復しても全くそれらしきレストランは見つからない。そうこうしてる間に試合の時間10分前になってしまった。ウーム仕方がない。比較的自宅からは近いので、リーグ最終戦は自宅観戦に決定。出直しじゃ。



 翌月曜日、ようやくレストランに電話がつながって住所を確認したところ、思ったよりは随分北にあったのだったが、あっけなく住所は確認できた。とりあえずは12月2日水曜日のリギージャ1回戦第1戦、ティグレス VS アメリカの観戦をネタにしよう。2週間に渡る苦難の彷徨の末ついにスポーツフォーラムへ行けるのだ(感涙)。


 当日。一緒に行くと約束していた女の子のドタキャンにもめげず、市の中心部からメトロバスに乗り、インスルヘンテス通りを南下。そういえば、メトロバスは最近、従来の切符方式からJRのようなプリペイドカード方式に変わった。各駅に自動販売機があり、そこでカードとデポジットの合計金額を入れるとカードが出てくる。もちろん次回からはデポジットだけすればよい仕組みである。システム自体は日本と同じで便利だが、例によって自動販売機が壊れていたりカードが売り切れていたりと、インフラやサービスの不出来から、なかなかカードを売ってくれない仕組みになっているので注意しよう。1回の乗車料金は3.5ペソ(2005年12月現在)。半年経ってようやく落ち着きを見せているメトロバスは速くてまあ安全。アスルスタジアムやオリンピックスタジアムへ観戦に行きたい旅行者にも心強いという当初の印象はかわっていない。

 さて、そうこうしているうちにバスがスポーツフォーラム近くまで着く。降りる駅はRio Mixcoacとの交差点で、市の中心部から行く場合にはアスルスタジアムを越え、右手に公園をみながらしばらく行くと、今度は左手にLIVERPOOLという大きなデパートがある交差点に着く。この次の駅が降りる駅で、右手に映画館の入ったモールがある。
 駅を降りたら進行方向右に渡って、インスルヘンテスと交差する目の前の大きな通りRio Mixcoacを渡ると目の前にやや派手な3階建ての建物があり、それがわれらの探し求めたスポーツフォーラムである。
 外装はモダンなデザインで、入り口側に例のポーズを取ったブランコはじめスポーツ選手の描かれた壁画みたいなのがある。影つきでリアルだ。


 壁画の脇にある入り口を入ると1階、2階はレストラン、3階がラウンジ風のバーになっている。内装は品の悪くないカジュアルさを適度に醸し出している。また、どのフロアも壁や天井にいくつものプラズマTVが設置されているのが目を引く。あらゆる席から試合の中継が見やすい。メキシコシティにはいくつもスポーツバー・レストランがあるが、このレストランのスポーツ中継観戦への配慮は他の店をはるかに凌ぐ印象で合格点。クワウ(ブランコの愛称)、やるじゃん。
 この日の試合はティグレスのホーム開催で夜8時45分からだったが、着いた8時過ぎにはほぼ満員で、飯を食うにはいささか難儀な3階のラウンジ席へ案内されることとなった。照明が暗いので書き物にも向かない。ぶつくさ言いつつ周囲のウォッチに入る。TV画面はCopa Sudamericaの準決勝、ウニベルシダ・カトリカ(チリ)とボカの試合を放映している。目の前のへんてこりんな機械から定期的にシュッと煙が出ている。加湿器なのか毒ガスなのか。従業員は結構たくさん配置されているので客はいらいらを感じることはなさそう。テピートコネクションで就職したのだろうか。でもなんかみんな気取っているような気がする。横柄さもブランコに似たのだろうか云々と、ずっとウォッチしていたが、着席して25分してもメニューも飲み物のオーダー取りも来ないのである。周囲は客で埋まりだしており、女の子のいる席とかには速攻でアテンドが入っている。TVでは試合が終わり、ボカが決勝進出を決めた。プーマスの相手はボカ。でも、飲み物のオーダーくらいさっさと取りに来いよ〜〜〜。むっとしているとようやくウェイターが飲み物のメニューをもって来た。ビールが30ペソくらい。他のリコールは各種コップで50〜95ペソくらいで、やや高めの設定。大人数ならボトルを頼むほうがいいかもしれない。

 裏面にいくつかディッシュメニューがあるが、どれもなかなかいいお値段である。ビールを頼んでいるとアメリカの入場シーンとなり場内が沸く。ビールを飲みながら今度は料理のメニューを拝見。おつまみ、スープ、サラダ、ピザ、パスタ、肉類、とまあ普通の構成である。が、チストラ(腸詰の一種)やガジェゴ風蛸といったスペイン系の料理、春巻き、パイ(エンパナダ)、ピザ等ラテンで一般的なスナック類、と、様々なジャンルが入り混じる。インターナショナルといえば聞こえはいいが、節操がなさそうでもある。フロアを回ってきたキャプテンらしき兄ちゃんに『ブランコ選手の御勧めメニューとか、何かこだわったのはある?』と聞いてみると、『ない』という答えがあっさり返ってきた。

 結局、カニコロッケとエンパナダをつまみに頼み、試合観戦に入る。開始のホイッスルとともにレストラン内は拍手に包まれ、かけ声が上がり、スタジアムにいるような陽気なムードに。アメリカのチャンスやピンチのたびに一喜一憂の歓声が上がる。アメリカがアウェーにも関わらずほぼ中盤を支配、優勢に試合を進める。守備に不安定さを抱えながらも今季リーグ首位を快走したアメリカの強さはこの中盤だった。シーズンを通して全く安定感を失わないビジャとパルドのボランチコンビを中心に厳しいボール奪取から組み立てへと滑らかに入り、トップ下のブランコ、前線のロペスとクレーベルに次々に楔が入り、さらに中盤の適切なサポートで連続的な好機を作り出す――。40分にパルドの正確無比のクロスからクレーベルが頭で合わせて先制すると、後半にもパルドのFKが直接決まり、さらにブランコがダメを押してアメリカが完勝で先手を取り、レストラン内の興奮も最高潮に達した。

 肝心の料理のほうだが、カニコロッケ、エンパナダはまずまず。ハーフタイムにビールを追加で頼み、さらにアラチェラ(はらみです)のステーキを注文してみた。キャプテンいわく肉類は皆お勧めらしいのだが、ミディアムで頼んだこの肉は焼き加減が今ひとつで、生焼けで食えない部分があった。暗くてよく見えないので文句も言えない。料理は総じて中くらいのレベル、採点で言ったら5星中3つ星くらいな気がする。肉類を食べるならいくらでもアルゼンチン系焼肉レストランがあるし、サッカー観戦と雰囲気を楽しむのが目的なら、ビールにピザとかフレンチフライを適当に注文してシェアするのがいいかもしれない。サービスの質は、この日は客が多すぎたこともあり評価は保留にした。

『16歳の頃からレストランをやるのが夢だった』というブランコは、選手生活引退後のビジネスとして、このレストランを皮切りに地方も含め数件レストランを出店したい意向のようで、共同経営者として仲の良いB・ルナ選手の名も挙がっている。今後も期待しよう。



外観は偉いこじゃれた店ですね。もっと小さなところを想像しておりました。こういう突撃レポート面白いのでカンポス氏のトルタやとかもやっていただこうかな〜(笑)。でも第2戦を観戦しに行ったのではなくて、良かったですね(大汗)。[のり]