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ウーゴ・ヨンチェスさんとのりのメキシコサッカーにまつわるいろいろなおしゃべり

第一話 「メヒコ・メヒコ・ラララー」 (3/9/2002)
第1話 「メヒコ メヒコ ラララ」


アメリカ合衆国時間なら既に「お休みなさい」に近い時間でも、メキシコではまだ「宵の口」である。とあるメキシコの居酒屋で、ウーゴ・ヨンチェス氏に本当にサッカーを酒の肴にお話を伺う約束をして、私は足早に目的地へと向った。

メキシコでは「あう約束」というのを予めしておいて、その時間通りに約束を履行するというのは、「みずくさい」と思われる節がある。アメリカ合衆国では全てが「予め予定しておかないと、突然のことは対応し切れない」といわれる。本当に国境という線が一本あるだけなのに、違いは大きい。

時間通りに約束の場所に辿り着くと、ウーゴ氏もほぼ同時にやってこられた。「メキシコにおいても、約束の時間はきちんと守られるんですね。」とお互いに苦笑した。

さて、こざっぱりとした居酒屋のテーブルに腰を落ち着けると、おもむろにビールを頼んだ。私はライムのカットを一緒に頼んだが、ウーゴ氏は何やら既に絞られたものを頼まれた。フリーザーに入れられてきんきんに冷えていたグラスが一気に曇る。

のり 「それって何ですか?」
ウーゴ

「これはミチェラーダと言って、最初からライムの絞り汁と氷を入れたジョッキに塩で縁取りをして、そこにビールを注いだたものなんだな。ソルティ・ドッグのビール版みたいだけどメキシコじゃぁごく一般的に出されてるんだよね」
のり

「ふ〜〜ん、今度私もそれ頼んでみよう。メヒコ初心者の私にはライムの切り身を頼むのが精一杯ってところでした。でも、一度この味になれちゃうと、ビールにライム絞らないとなんだか物足りないですよ。家でもビール飲む時はライム切って絞ってます。まぁ飲んでるのがアメリカとかカナダのビールなんで、お米の入ってる日本のビールにライムがあうかどうかは知りませんけど。」
ウーゴ 「日本ではコロナが有名だけど、他にも種類は多いからね。」
のり 「ビールと言えばサッカーのスタジアムとビールは切っても切れない間柄ですよね。」
ウーゴ 「コロナを背中にしょっているチームも沢山あるしね。」
のり 「それからヴィクトリアとか…(トルーカ)」
ウーゴ 「エストレジャとかね(アトラス)」

そして、二人でグラスの中の冷たいビールの一杯めを飲み干すともちろん話題はサッカーヘと向った。

のり 「ワールドカップ、メヒコは日本ですからメヒコへの注目度はあがっているみたいですねぇ。」
ウーゴ 「FIFAのランキングが試合数が多いからとか、対戦相手が弱いからとかいろいろあって、なまじ高いからねぇ。(現在メキシコはFIFAのランキングの10位以内にいる)」
のり

「それとかつて日本代表の監督が『メキシコみたいなサッカー』と言ってほめたらしいですからねぇ。でも、ここのところメキシコは韓国に2戦2敗していて、あんまりほめられたもんじゃないですけど…」
ウーゴ 「コンフェデレーション杯もゴールドカップもさっぱりだったからねぇ。」
のり

「それでも、代表のユニフォームを買ってスタジアムに駆け付けてあげようっていうファンはそれなりにいるみたいですよ。それでね、やっぱりスタジアムに駆け付けたら、応援してあげるわけですから、『相手に伝わる応援』って言うのをしたいですよね。」
ウーゴ 「そうだね。まずは『メキシコ』じゃなくて『メヒコ』だろうな」
のり

「『メヒコ!メヒコ!』ですね。『メキシコ!メキシコ!』じゃないですね。『メキシコ』て言われても、まぁ選手もわかるとは思いますけど。それから、やっぱりあの『謎の呪文』を極めたいです」
ウーゴ 「『謎の呪文』?」
のり 「ほらあの『チキチキなんとか』から始まって『メヒコ、メヒコ、ラララ』で終わるあれですよ」
ウーゴ 「『チキチキバンバン』じゃないんだからさぁ(爆笑)。懐かしいなぁ…」
のり 「私もあれが『チキチキバンバン』じゃないことは分かってましたが、覚えてないんですから、笑わないでくださいよぉ…(赤面)」
ウーゴ

「あれはporroと言って意味は『叫び』みたいな感じかな。応援の時に使う文言で、意味は誰も知らないと思う。口伝文化みたいなもので、決まったスペリングというのはないみたい。友達に書かせてみたことがあるのだけれど、『こんな感じ』っていうだけで、人によって少し違うこともあるみたいだよ。一応書いてみるとこんな感じかな」

そういってウーゴ氏は、テーブルの上の紙ナプキンにさらさらとPorroを書かれた。

Chiquiti bun a la bin bon ban, Chiquiti bun a la bin bon ban, alabio alabao a la bin bon ban, Mexico Mexico ra ra ra

(チキティ ブン アラ ビン ボン バン、 チキティ ブン アラ ビン ボン バン、 アラビオ アラバオ アラ ビン ボン バン メヒコ メヒコ ラララ)

ウーゴ 「このメヒコの部分は応援するものによって変えていいんだ」
のり

「今日テレビでみてたら、テコスの応援にこれを使っていて『メヒコ』
の代わりに『テコス』って言ってましたね。それにしても、応援するのにこれ全部言わないといけないというのは結構長くないですか?」
ウーゴ 「ま、長いけど、これを異国のスタジアムで叫んでもらったら代表の選手も感激するんじゃない?」
のり

「そうですね。うちのホームページみてくれた人で観戦される人にはぜひ覚えていただきたいですね。 そういえばコラムの中で『ポルテーロ(キーパー)』の合唱の話し書かれてらっしゃいましたけど、キーパーはやっぱり『コネホ』ペレスですよね。」
ウーゴ 「まぁ揺るぎないだろうね。」
のり 「第2キーパーはオスワルド(サンチェス)ですかね。」
ウーゴ 「これもまぁ間違いないだろうな。アドリアン・マルティネスもオルティスも不安定だしな」

そうして更にサッカーの話は続いたのだった。

1話終わり