|
|
|
|
6月28日
6時半、空港のラウンジで堅いベーグルと格闘しながら眠気を覚まそうとしている私がいた。ヒューストン行きの飛行機は8時発である。空港は7月4日(金曜日)の祝日にあわせて旅行に出かける観光客で混みあっていた。ヒューストン行きにしても、一目で観光客とわかる客の方がビジネス客よりも多かった。彼ら観光客は、ヒューストンで乗り換えてカンクン、アカプルコといったビーチリゾートに向かうのだ。
ヒューストンでモノレールに乗ってターミナルBへ移動する。一緒に飛行機に乗っていた人のほとんどとはここでお別れだった。ターミナルBは小型の飛行機がメキシコの都市へ出発するのに多く利用されている。搭乗口の前で待っている人たちもメキシコに里帰りの人がほとんどの様だった。グアダラハラ行きの飛行機は前回のモンテレイに行ったときと同じで横3人(1人・通路・2人)というこじんまりとしたジェット機であった。実は隣りのゲートから出発する飛行機はモンテレイに行くものであった。「みーさんがいたら興奮するだろうなぁ」などと考えながら、過たずグアダラハラ行きの飛行機に乗り込んだ。
2時間弱のフライトでグアダラハラに到着した。4年ぶりのグアダラハラである。
飛行場からセントロにあるホテルまではタクシーを使った。空港タクシーのドライバーは回転率が収入に直接効いて来る。だから「おぉ〜」と内心驚くほどにすいすいとレーンを変え、フルスピードでセントロへ向かった。しかし、一旦セントロに入ると渋滞で思うように進まなくなった。この渋滞も折込済みだったのだろう、ドライバー氏はとりたてていらいらする様子もなく、流れにあわせて道を進んでいく。見覚えのある通りが見えてきて、あのグアダラハラのカテドラルの尖塔が見えてきた。街の中心にやってきたのだ。
ホテルについてしばらく昼寝を決め込んだ。そのつもりはなかったのだが、グアダラハラのガイドブックをおさらいしているうちに眠っていたという訳である。3時間ほどベッドの上に倒れた後、むっくりと起き出して最初のお買い物と晩御飯を食べに出かけることにした。
お買い物の行き先はもちろんアトレティカのショップであった。住所を部屋にあったセクション・アマリージャ(職業別電話帳)で確認すると、インターネットのサイトにはないお店の住所が載っていた。住所からするに数ブロック先の近所である。これは好都合といそいそと出かけることにした。
どうやらそのお店は新しい物のようであった。奥のほうはまだ陳列が済んでおらずダンボールが積まれていた。本当の目的はモンテレイの優勝記念シャツであったが、モンテレイやティグレスといったチームのユニフォームは見当たらなかった。
「全在庫をモンテレイに送り込んでいるに違いない」
とふと思った。あのモンテレイ市でのオフィシャルユニフォーム着用率の高さは、メキシコ広しと言えどもあそこだけだと断言できる。アトレティカにしてみたら「巨大マーケット」であることに間違いない。グアダラハラにしたって、サッカーにかける情熱はモンテレイの2チームに引けを取らないが、「試合がなくてもユニフォーム」というのはモンテレイでは普通でも、グアダラハラですら普通ではない。
残念ながらお目当てのものはなかったが、他のアトレティカのユニフォームはなんと半額セールをしていた。
「正規品をいくらシーズンオフとは言え、50%引きにするとは太っ腹な」と、狂喜したのは言うまでもない。結局パチュカのトレーニングウエアの白バージョン(紺のは既に持っている)とトルーカのセカンドユニフォーム(白)を買い上げた。いずれにしてもメキシコリーグにありがちな派手派手広告が「あまり」入っていないので、(パチュカのトレーニングウエアにはアトレティカしか入っていない。トルーカは正面にBanamex後ろにCoronaが入ってるだけだ)会社のジムで着ていてもとがめられないだろうという控えめな理由から選んだのだった。
初日の晩御飯はLa Chataで食べることにした。このレストランはキッチンが通りに面している。お客さんはキッチンを眺めながら奥に入っていってテーブルにつくのだ。4年前に来たときに泊まったホテルがこのレストランのすぐ近所にある。そのときにしばしば行列ができているのに気が付いて、入ってみて気に入ったお店である。料理は伝統的なメキシコ料理である。
私はポソレを頼んだ。ポソレというのは巨大なとうもろこしの入ったスープである。皮が取り除かれてふやけた状態になっているので一粒のサイズが差し渡し2cm程度になっている。これにラディッシュ、レタス、たまねぎの薬味を入れ、ライムを絞り、非常に辛いソースで辛味を調節して食べる。聞いたところによるとこのポソレというスープはグアダラハラのあるタパティオ地方の名物料理だそうだ。どんぶりサイズで供されるので、基本的にはこれだけでおなか一杯になる。お昼ご飯をしっかり食べるここの人たちは夕食にポソレを始めとするスープで済ませることも多い様だ。私の頼んだポソレは期待にたがわず非常に美味しかった。スープはしっかりとだしが効いていて、とうもろこしがスープを吸ってほっこりとしているし、薬味と旨くハーモニーを奏でていた。この味は病みつきになる。
満足して店を後にして、カテドラルの方へ散歩に出かけた。空港からの沿道には数え切れない程のポスターが並んでいた。統一地方選が間近に控えているからなのだが、カテドラルの前の大きなプラザではなにやら選挙イベントの準備に忙しそうであった。
(続く)
|
|
|