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Apertura 2005 観戦記


1. 2節 UNAM vs Guadalajara 1 - 0
2. 3節 Cruz Azul vs Tecos 5 - 1 
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1節 UNAM vs Guadalajara 1 - 0

この試合は試合前にロックグループのMolotovとグアダラハラのベルガラ会長の賭けがあったことで、話題になりました。Molotovの歌は社会的な問題を取り上げる本来のロックが多いのですが、チバスとベルガラ会長を批判する様な内容が歌詞に入っていたことで、賭けになったらしいのです。この試合でチバスが勝てば、Molotovが無料でコンサートをおこなわなければならず、その収益はチャリティーにまわされ、UNAMが勝ったら、Molotovがチバスからコンサート一回分の費用をもらい、収益がやはりチャリティーにまわされるといった賭けだったようです。(Molotovのメンバーは皆UNAMの大ファンだということでした。)

UNAMのホームのオリンピコは当然満員状態で両チームのファンが入り交じって声援を送っていました。

試合開始直後にグアダラハラのオマール・ブラボ選手がシュートを放ちましたが、UNAMのGKベルナル選手の正面でゴールになることはありませんでした。

しかし徐々に試合はUNAMに勢いが傾いていきました。UNAMは左サイドからレアンドロ選手、アイルトン選手とつないで、中央のマリオニ選手につなげようとしていました。しかし、最後のヘディングシュートがふわりと浮いたものばかりでゴールの枠に飛んで行かなかったり、あるいはチバスのGKオスワルド・サンチェス選手に止められたりとゴールを割る事はなかなか出来ませんでした。

32分にサルシード選手が怪我からレイノソ選手に交代して、チバス最初の交代がおこなわれました。

その後もほぼUNAMの一方的ペースで試合が進みましたが、グアダラハラのGKオスワルド・サンチェス選手の好守もあって、UNAMのゴールになることはありませんでした。

39分にマリオニ選手とジョニー・ガルシア選手がボールを競り合った際にマリオニ選手のパンチがガルシア選手の耳に入り、ガルシア選手が倒れました。ガルシア選手の治療に時間を要し、それをマリオニ選手が心配そうにずっと眺めていました。マリオニ選手は昨シーズンにテコス戦で相手の選手をむち打ち症にさせてしまい、3試合出場停止になったことも思い出していたかもしれません。結局ガルシア選手の調子はそれほど悪くなく、しばらくしてピッチに戻ってきました。

前半はそのままお互いに無得点のままおわりました。

後半15分、お互いに中だるみして来た頃、ついにスコアが動きました。左サイドからアイルトン選手がクロスを入れ、チバスのディフェンスの選手達がクリアしたのですが、クリアしきれず、新加入のカルデッティ選手がすぐにボールを得て、マリオニ選手の所にボールが戻って来て、マリオニ選手がそれをきっちりと決めたという展開でした。

その後もUNAMのほぼ一方的ペースで試合が続きました。グアダラハラは中盤が薄くなってフォワードの選手達と後ろのラインが間延びしている様に見えました。昨シーズンにパレンシア選手がうろちょろしていたあたりに居るべき選手がディフェンスラインに吸収されてしまっていました。2列目の司令塔をバウティスタ選手がやっていましたが、中央を効果的に使うというよりは左右の両サイドをまっすぐ使う以外パターンがない様にも見えました。やはりお休みが少なかったからでしょうか。グアダラハラの選手達全体に疲労がたまっている様な感じで生彩が感じられませんでした。更には酷使されていたサルシド選手が怪我をしてしまって交代したのが心配されます。

UNAMはそのまま逃げ切りを決めた様でした。37分にボリビアのボテロ選手が疲れの見えて来ていた新加入のカルデッティ選手にかわってはいりました。そして、46分エスピノサ選手がホセ・ルイス・ロペス選手に。48分、とどめにレアンドロ選手が交代して、グアダラハラの追撃をかわしました。

UNAMの勝利で、Molotovはコンサート代儲かりましたね。


Cruz Azul vs Tecos

3節は代表に呼ばれている選手達がキャンプから戻ってこなかったため、どのチームも代表に呼ばれている選手達はプレーしませんでした。この結果、クルス・アスルはフランシスコ・フォンセカ、ヘラルド・トラド、リカルド・オソリオの3人を欠いていました。このメンバー変更について、ディフェンスのカニサ選手は「監督からはリベロをやれって言われてたんだけど、今のところマーカーをやることが多かった。でも、今回はオソリオが居ないから、最終ラインを締める役回りだね。どれも得意だから大丈夫」とコメントを出していました。

そのディフェンスラインはアルベルト・ロドリゲス、デニス・カニサ、ホエル・ウイッキィのいつものディフェンス3選手に、トマス・カンポス選手が入り、カンポス選手のポジションにはウルグアイ人の新加入のリカルド・ヌニェス選手が入りました。そして、トラド選手のポジションにはアレハンドロ・コロナ選手が入り、フォンセカ選手のポジションにはマリオ・オルティス選手が入りました。
そして、ガブリエル・ペレイラ選手は引き続き怪我が癒えておらず、ディエゴ・リベロ選手が先発出場したので、3節のメンバーは2節と随分毛色の変わったメンバーとなりました。

テコスのほうはコロット選手が2節に退場になった為、プレー出来ませんでした。また、テコスは昨シーズン準優勝であったにも関わらず1敗1分と調子が出ておらず、新しく就任したアセベド監督の試行錯誤がまだ続いている状態の様でした。

結果的には、クルス・アスルの作戦があたり、テコスはなす術がなかったということになりました。

まず、試合の立ち上がりはクルス・アスルが圧倒的にテコスのゴールに襲いかかりました。それをやり過ごしていたテコスですが、6分しか持ちこたえられませんでした。

6分クルス・アスルの攻撃をやり過ごしたテコスが攻撃に掛かろうとしたところを、クルス・アスルのコロンビア代表レストレポ選手がボールカットしました。レストレポ選手はそのボールを、振り返り様にダイレクトパス。ボールは逆サイドにフリーになっていたウルグアイ人のリカルド・ヌニェス選手に届きました。ヌニェス選手はそれを過たず時間もかけずにシュートして、ネットを揺らせたのです。ヌニェス選手の鮮烈デビューゴールでした。

13分にはクルス・アスルは追加点を入れました。これまたロングパスからチェリート・デルガド選手にパスが渡りました。デルガド選手の周りには二人のディフェンダーがついていましたが、デルガド選手は普段と違いシンプルにシュートを放ち、ボールを逆サイドのサイドネットに引っ掛けるうまいゴールで2点目をきめました。
テコスはコロット選手が不在だったというだけではなく、毎回変わるディフェンスラインに選手達が役割をしっかりと理解していないのかも知れないと思わせました。特にテコスの右サイドはスカスカで左サイドバックの役割をしていたはずのトマス・カンポス選手もよく攻撃に参加し、2アシストしていました。

そのアシスト1本目は19分にありました。カンポス選手は左サイドを楽々と突破し、中央よりに張っていたヌニェス選手にクロスをだしました。ヌニェス選手は相手のディフェンダーが体を寄せる一瞬前にダイレクトにシュートし、スーパーゴールを決めたのです。

20分程度で本日の試合の勢いがほぼ見えてきましたが、テコスも反撃しました。前半も終わろうかという44分、ペナルティエリアでテコスのルドゥエーニャ選手とトマス・カンポス選手がボールを競りました。カンポス選手がルドゥエーニャ選手の足にファウルしてしまいペナルティとなったのです。それをルドゥエーニャ選手がしっかりと決めて3−1となりました。

しかし、テコスの反撃はそこまででした。ペナルティを与えてしまったトマス・カンポス選手が再びアシストをして、ヌニェス選手がゴールを決めてしまったのです。トラド選手の代わりに入っていたコロナ選手から、左サイドのカンポス選手にボールが出て、そして前方にいたヌニェス選手にパス。ヌニェス選手はテコスのGKコロナ選手のポジションを見て取ると、ふわりとカーブを効かせた難しいシュートを放ち、コロナ選手をあざ笑う様にゴールにボールを落としこんだのです。

もう前半だけで試合の結果は見えていました。

ハーフタイムにメキシコシティの夏場によくあるスコールが降りましたが、後半には雨もやみました。クルス・アスルは焦る事なくそれでも確実にボールをコントロールして、テコスを圧倒しました。ひやりとする場面はほとんどなく、代表選手の居ない穴を感じさせない安定感がありました。

そして、とどめをヌニェス選手がさしました。52分にFKから直接ゴールの右を狙ったシュートを放ち、ネットを揺らしたのです。

リーグデビューで4点を稼ぎ出し、一躍得点王に躍り出たヌニェス選手。本人にとっても、この日は後々まで忘れられない記念の日となったことでしょう。

ヌニェス選手の良いところは相手のポジションをよく見計らい、非常にシンプルに、かつ正確にシュートを放つことだと思いました。クルス・アスルのいつものFWコンビであるキキン・フォンセカ選手もチェリート・デルガド選手もどちらかと言うとゴール前でもたもたして、シュートを放つまでに時間がかかるのです。デルガド選手は「アイドルがオルテガ」と言うだけあって、目の前にディフェンダーが居たらゴールが開いていてもディフェンダーを抜いてからじゃなければシュートをしたくないのではないか…と思うほどの執念ぶりです。この日の試合もシンプルにシュートを放ったのはゴールになったあの13分だけで、その後は完全にゴールラインが見えているにも関わらず、ゴールまえでシザーズだの小難しいパスを使おうとしてゴールチャンスをつぶし続けていました。フォンセカ選手も一瞬の判断というよりはドリブルでもたつくタイプですし、ヌニェス選手が放った様な難しいゴールは多分出来ないと思うので(笑)、ヌニェス選手のゴールはどれも非常に新鮮でした。…とはいえ、ヌニェス選手もこれで思いっきりマークされると思うので、テコス戦の様に自由にはさせてもらえないでしょうが、これからが非常に楽しみです。

来週は代表連が帰ってきますが、ミスラヒ監督代行はこの3人をどうやって使うことにするのか、贅沢な悩みを抱えた様です。

最後にぼろぼろだったテコスについて一言。
昨シーズンからメンバーは変わっていないのに、今シーズンはまた降格争いをするのか?と思われる様な雰囲気を漂わせているテコスですが、違いは監督にあります。昨シーズンの終わりにテコスはもちろん準優勝に導いた監督を続投させる意向でした。しかし、それを横取りしたチームがありました。隣町のアトラスです。テコスの経営陣は非常に怒りましたが、契約はどうにもならず、テコスはその前にまあまあやっていたウルグアイ人のアセベド監督を再招集したのです。アセベド監督は非常に厳格な人の様で、前回テコスの監督をしていた際、毎年テコスの選手が楽しみにしていたお祭りに参加することを禁じました。「そこで疲れでもしてプレーがおろそかになったらいけないから」という理由でした。昨シーズンのテコスを見ていると、そういう厳格なムードというよりは選手達が本当に友達の様に仲良く和気あいあいとやっているムードが漂っていました。おそらく、いい雰囲気だったチームが監督が変わった事で戸惑っているのかもしれないなぁと思います。テコスは今まで監督に対しては容赦なく首を切ってきましたので、アセベド監督がシーズン最後までイケルかどうか…ちょっとその辺も気になるところです。