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私のマンマーク

リカルド・オソリオ

国籍 メキシコ
出生地 オアハカ
誕生日 1980/3/30
身長 173cm
体重 68kg
ポジション ディフェンダー
所属チーム(2005年) クルス・アスル
メキシコ代表
「正直者は得をする?」(2005代表ピックアップ)

リカルド・オソリオ選手は、タイミングをうまく見計らった攻撃参加が持ち味の、センターバックもサイドバックも両サイド出来るユーティリティープレーヤーです。2002年にクルス・アスルで一部リーグデビューし、2003年にはもうA代表に呼ばれ、それ以来割とコンスタントに代表に呼ばれています。監督が変わったり、あるいは怪我したりしなければ、来年のワールドカップにも呼ばれる事になろうかと思います。

オソリオ選手はメキシコの南オアハカで生まれ、まだ小さな子供の頃に家族はメキシコシティの郊外にあたるネサ市に引っ越してきました。経済的に苦しい家庭に育ったそうですが、それでも両親の理解とサポートがあり、クルス・アスルのサッカースクールに通い始めました。ネサ市はメキシコシティの北東にあたりますが、クルス・アスルはソチミルコというメキシコシティの南にあり、かなりの距離があります。リカルド少年はその距離をバスに延々と乗ってクルス・アスルに通ったということです。

その精進の甲斐あって小さい頃からあこがれのクルス・アスルでデビューしたオソリオ選手が全国的に有名になったのはデビューから2シーズン目のことでした。2002年の開幕シーズン、7節にクルス・アスルはネカクサと対戦したのですが、オソリオ選手はネカクサのGKナヴァレッテ選手の手中に既に入っていたボールを蹴ってボールをはたき落としたのです。それがゴールとなりました。それだけだったらもちろんオソリオ選手は有名にはならず、「疑惑の判断」と主審の判断が1週間話題になる程度で済んだでしょう。ところが、オソリオ選手はそれで良心の呵責を感じてしまったのです。多分、勢いでボールをはたいてしまったものの、それが正しい判断ではなるべきファウルにならず、審判の見落としによってゴールになってしまったからです。オソリオ選手は結局それをわざわざ主審に申告し、主審はゴールを取り消しました。

この正直さが話題となり、オソリオ選手はサッカー協会から「フェアプレー賞」を授与されました。本人は受賞の困惑を隠せなかった様です。というのも、
「こんな賞をもらっちゃったら、これからもずっと正直に申告しないといけないでしょう?それで、将来代表に呼ばれたとして、例えば自分のハンドでゴールが入っちゃった、そのゴールでメキシコが次に進める…とか言う状況になっちゃったら…それでも正直に申告出来るかっていうと自信がないです。」
という将来に向けた良心の葛藤を既に想定していたからなのです。
インタビューでもあくまで馬鹿正直さを発揮したオソリオ選手でした。

そういう将来の心配をしていたオソリオ選手は2003年にA代表に初招集となり、その悩みの仮定の第一歩が現実のものとなりました。その時のインタビューも「自分が呼ばれるなんて信じられません」と、実に正直を絵に描いた様なコメントでした。それ以降、メキシコメディアも「オソリオ選手にインタビューをすれば、正直にコメントをしてくれる」と気がついた様で、所属先のクルス・アスルについても、代表についてもインタビューを沢山受ける様になりました。

これだけ正直者のオソリオ選手ですから、2005年のコンフェデレーションズカップで代表でもクラブでもオソリオ選手の両側に並んでいたチームメートのガリンド選手とカルモナ選手がドーピングの疑惑から追放され、随分と心を痛めたことでしょう。メキシコメディアはチームメートで同じポジション、かつ、正直にしゃべってくれるオソリオ選手に対して執拗にコメントを求めた事でしょう。しかしながら、オソリオ選手のコメントは記事に載ることはありませんでした。

更に運命はオソリオ選手に過酷でした。準々決勝のアルゼンチン戦はPKにもつれ込みキッカーは6人目のオソリオ選手の番になりました。それまで、辛い気持ちでも頑張って活躍していたオソリオ選手でしたが、PKは止められてしまい、アルゼンチンが次に進みました。うなだれるオソリオ選手。もうちょっとで泣きそうな表情がテレビでアップにされました。
「それまでは自分でも満足いくプレーだったんだよ。でも、みんな『オソリオは頑張ったね、良いプレーしてたよ』とか言わないで、このペナルティの失敗だけいろいろ言うんだよね。分かってるよ。でも、気持ちは落ちついてる。チームは団結してるし、誰も僕を責めたりしなかったよ」
と、翌日にはまた正直なコメントが紙面をにぎわしました。

楽しい事も悲しい事も選手の生活の間にはあるでしょうが、正直者は得をすると、すくなくとも報われるとファンが信じられる様にまっすぐ進んで行ってもらいたいと思います。