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メキシコ代表まっしぐらっ!
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ウーゴ・ヨンチェスさんの代表レポート。
連絡なしの転載・引用等はご遠慮ください。転載・引用ご希望の場合は こちらまでご連絡ください。責任もってヨンチェスさんに取次ぎます。
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親善試合 メキシコvsノルウェー
さて、W杯イヤーである。6月の本大会まで様々な準備試合が続くが、メキシコが弱い。ヨワっちぃ。まず1月25日に若手主体のノルウェー相手に2-1で勝つには勝ったが、内容はピリッとしないものだった。
メンバーはGK コロナ、DF ドゥエニャス、ダビーノ、ウィキ、オルベラ、MF ロハス、パルド、シーニャ、ブランコ、FW フォンセカ、マルケス・L
交代は後半開始時にマルケスに代えてペレス、後半17分にシーニャに代えてサラサル、オルベラに代えてグアルダド、更に75分にロハスに代えてメンデス、80分にダビーノに代えてJPロドリゲスというもの。
親善試合に多く見られるが、ラボルペの代表では特に後半15分以降、選手を代えすぎて戦術もバランスも全く機能しなくなる試合が目に付く。遊んでいるのかいな、という感じである。これが始まると『あっ、今日も終わりかな』という気分になることが多いのだ。それでその通りに試合は混乱したまま終わる。この試合も交代で入ったペレスが際どい時間帯でゴールを決め面目を辛うじて保ったものの、満を持して久々に復帰の感があったブランコのパフォーマンス含め内容的には見るものの少ない試合だった。
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親善試合 メキシコvs韓国
次に2月15日にロスで行われた韓国戦。この試合は内容で相手が上回った上、結果も0−1で敗れるという世界ランク6位の面目丸つぶれの試合で大いにストレスがたまった。
メキシコの先発はGK サンチェス、DF F・ロドリゲス、サラサル、ウィキ、MF パルド、ロハス、シーニャ、ペレス、サルシード、FW フォンセカ、ブラボという布陣。昨年は試合出場のなかったサラサルがセンターに入り、サルシードがオリジナルともいえる左のアウトサイドに入ったのが目立った。交代は後半立ち上がりからシーニャに変えてボフォ、ロハスに変えてグアルダドを投入、さらに64分にウィキに代えてメンデス、67分にサラサルに代えてオルベラ、69分にペレスに代えてJPロドリゲス、74分にフォンセカを下げてオソルノ、というものであった。
さて試合だが、非公式ながら既に米国にも勝利している韓国のコンディションのよさが目立ち、欧州勢を欠くメンバーながら攻守にメキシコに優り終始優勢に試合を進めた。中盤での速い寄せからボールを奪うと、左サイドを中心に自在の動きを見せた李天秀を中心に速いパス回しと豊富な運動量でメキシコを翻弄、チャンスを作った。見事な内容だった。実は日韓W杯後韓国代表の試合を見る機会にほとんど恵まれなかったこともあり、この日の韓国のパフォーマンスはまったくの驚きであった。フィジカルとスピードでメキシコを上回ったし、テクニックも劣ってはおらず機動力も優れている。このチームに欧州勢が加わってどうなるのかが非常に楽しみな印象であった。
メキシコのフォーメーションはいろいろやったが今ひとつ混乱していてテスト起用、という程度にしかコメント出来ないようなもの。フォーメーション的には後半立ち上がりがグアルダドを左に置きサルシードを下げての4−4−2、その後はブラボを右にしたりサルシードがセンターに移ってオルベラをサイドバックにしたり、メンデスを右バックに入れたりしていたが特に効果的な交代策はなく、個々のフィット感を確かめた程度の収穫しかなかったといって良い。カルモナとガリンドの本大会出場が限りなく難しい状況となった今、ラボルペも本腰を入れてバックアップを確保する必要があるが、現状では秘蔵っ子のサラサルやメンデスは経験はあるものの今ひとつインパクトがない。
個々の選手ではシーニャとペレスの両インナーMFが全くボールをキープできなかったことが敗因の大きな要因だった。シーニャとペレスはほとんどボールを持たせてもらえず完全に抑えられた。中盤のパスワークがリズムの生命線のであるメキシコ対策ではお手本のような戦術であった。
右の新鋭ロハス、左のグアルダドとオルベラも役不足の感は否めない。左は最終的にはモラレスとロサノ、ピネダの中で組めるが、右にインパクトのあるアタッカーがやはりいない。それでブラボを使ってみた、ということかもしれないが、トップに近い位置で置くならフォンセカの方が右から切り込む動きはよいものがある。が、安定したパフォーマンスで本大会の2トップレギュラーの座をボルゲッティと共にほぼ確保しているフォンセカは右ウィング的な位置には起用しづらいのも事実。新星が現れるか。
他に特筆すべきことは、この試合での唯一のゴールがなかなかの珍ゴールであったということであろう。前半14分、韓国の左FKからのクロスを処理したGKサンチェスがオフサイドか何かのファウルがあったと勘違いし、ボールを大きく前方に転がしてプレースキックへ移ろうとした。サンチェスは『笛が鳴ったのを聞いたのでてっきりオフサイドだと思った』とコメントしたが、このシーンで特に審判は笛を吹いておらず、目の前に転がったボールを李東國が難なく蹴り込んだ。こういう珍ゴールはめったに起こるものではないし、その後は安定したプレーを披露したサンチェスを責めるのは酷だろう。
不甲斐ない試合が続くメキシコだが、個人的にはあまり心配していない。この時期の親善試合の結果が酷いことで本大会のライバルが油断すれば思う壺だ。メキシコ的な作戦かもしれないではないか。前回大会の直前の親善試合も似たような内容、結果だったと記憶する。狸となったアギーレはこの時期決して尻尾を出さなかった。全く持って不可解なメンバーとポジションで親善試合をこなしながら、本大会には予想外の配置で結果を出した。ラボルペも策士。その可能性は十分にある。
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親善試合 メキシコ vs ガーナ 1-0
心配なシーニャの怪我
代表の中軸シーニャ(ナエルソン)が7節のモレリア戦で怪我をした。すぐに病院で手術となったが膝の十字靭帯損傷で全治6週間から7週間。怪我自体は比較的深刻なものではないようで、6月のW杯までには完治することが確実視されるものの、復帰までに4月いっぱいはかかるだろう。本大会までにコンディションを取り戻せるのか非常に気にかかる。チームのゲームメーカーが不在ではメキシコ大ピンチである。今回の代表チームにシーニャの代わりになる選手はいない。もしシーニャの本大会までの復帰が難しいとなれば、メキシコ代表は戦術やフォーメーションも変更を余儀なくされる。これから数試合の親善試合の中で万が一のときにシーニャのバックアップになるような選手を見出せるのかが注目される。
ガーナ戦
そんな状況下、テキサスのフリスコで国際親善試合ガーナ戦が行われた。メキシコのスタメンは以下の通り。
GK サンチェス、DF F・ロドリゲス、オソリオ、ウィキ、MF カストロ、マルティネス、パルド、L・ペレス、M・ペレス、FW ボルゲッティ、ブラボ
左右のアウトサイドに入ったカストロとM・ペレス、第2ボランチに入ったマルティネスがやや注目か。特にネカクサのM・ペレスは五輪予選で活躍して一躍注目されたがその後アメリカに移り交通事故で怪我をして以降は泣かず飛ばず。今季に入って戻ったネカクサでようやく本来の軽快なドリブルを取り戻しつつあり久々の代表復帰で注目された。
試合はアッピア等欧州のトップで活躍する一部の選手を休ませ、親善試合のムードに徹するガーナの前にメキシコもヒートアップすることなく粛々と前半を0-0で終えた。ガーナはエシアン、クフォー、ムンテリといった主力級を擁するメンバーながらアフリカ選手権後のためかどうもスピード、パワー、組織とも今ひとつ、迫力のある攻めはついに最後まで見られなかった。そんなガーナ相手にメキシコも歩調を合わせるかのように鋭さを欠き、やや支配率で上回るもののゴール前での決定機は作れずじまい。特にボルゲッティは所属のボルトンで試合出場機会に恵まれないこともあって動きの重さが目立った。
後半は負傷のウィキに代えピネダを、マルティネスに代えて左のインナーMFにグアルダドを投入し、前半そのポジションにいたL・ペレスを右のインナーに、FWのブラボをやや右に開き気味に張らせる布陣に変更した。一進一退のまま試合は進んだが、後半18分にメキシコはスペインのビジャレアルでプレーするフランコをブラボに代えて投入しやや流れが活性化する。更に攻撃的なオプションへとチームをいじるラボルペは、加えてM・ペレスに代えてサンドバルを入れ、サンドバルを左インナー、グアルダドを本来のアウトサイドに出して前がかりが加速した。迎えた後半30分、パルドに代わって中盤の底に入っていたトラドとサンドバルのたてのパス交換からサンドバルの短いクロスをフランコがヘッドで決めて待望の先制点。結局この1点を守りきった。
ポジション別に見ていくと、GKを含めたDF陣は安泰。ガーナの攻撃がやや淡白で単調だったこともあったが全後半各1回のピンチ以外は問題なかった。サルシード、ピネダ、ウィキ、オソリオ、F・ロドリゲスにマルケスを加えたメンバーは多くの選手がマルチなポジションをこなせ4のラインも3バックも問題なく、ユーティリティに富む。試合中の布陣の変更も破綻なくこなせるはずだ。他にベテラン中心に2人くらいはバックアップが入るだろうが、先の6人は当確といってよいだろう。
MFはまずアウトサイド。左のM・ペレスの出来はまずまず、後半投入されたグアルダド、サンドバルとともに本大会メンバーの枠を争うことになりそう。左は全く駒が豊富である。懸案の右はこの日起用されたカストロは今ひとつの出来。この日のようなパフォーマンスではメンバーに残るのは厳しいかもしれない。もう少しダイナミックに上下し攻守に加わる選手がほしい。クルスアスルの新鋭チャベスが見たいが所属でも最近は試合出場も減っている。ロハスが落ち着いてくれればいいのだが、だめなら攻撃的なアレジャノやアルタミラノ、守備的なメンデスやA・ロドリゲスといった攻守の各駒に分けてのベテラン勢起用も再度検討が必要になってきそうだ。ボランチに入ったマルティネスも出来はもうひとつ。このチームでなら、むしろアウトサイドの方が活躍できそうな気がするが。
シーニャを欠いた中盤のトップ下に入ったL・ペレスもややスケールが小さい感が否めない。この日のガーナ程度の相手に存在感が出ないようでは中盤のリーダーにはなれない。得点直後に入った20歳のランディンは、まだまだ粗削りでラボルペの良くやる『とりあえずは代表デビューさせてやったぞ(若手育成はオレの専売だぜぃ)』というお披露目程度の意味しか持たない。最終選考に残るとは考えにくい。ラボルペとしてはむしろブランコのメンバー入りも考えなくてはなるまい。ボールを持ったときの存在感が、キラメキが違うのだ。中盤の構成の決定にははもう少し時間が必要のようだ。
FWはどうか。ギジェの得点は好材料だったが、エースのボルゲッティが全く精彩を欠いたことは不安材料だ。ボルトンでは交代出場も少ないだけに試合間を如何にして取り戻すのかこれからが正念場である。
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親善試合 メキシコ 2-1 パラグアイ
W杯本大会登録選手23名を決定前の最後の国際親善試合となるパラグアイ戦がシカゴのソルジャーフィールドスタジアムで行われた。メキシコはスペインリーグ所属のマルケス、フランコ、ボルトンのボルゲッティが合流せず、更に北中米杯の試合があったアメリカのパルド、ロハスらも不参加、パラグアイもサンタクルスら欧州組主力を欠いたメンバーとなったが両チームとも本大会メンバー当確線上の選手たちが最後のアピールを見せた。
メキシコのメンバーは以下の通り。
GK サンチェス、DF カストロ、スアレス、ダビーノ(46分F・ロドリゲス)、ピネダ(46分ウィキ)、MF ロペス、ガルシア(71分メディナ)、ペレス、グアルダド、FW フォンセカ(77分トラド)、ブラボ
最も注目されたのはキャップ数174試合を数える37歳の大ベテラン“皇帝”スアレスと98年の仏W杯出場選手でやはりベテランのダビーノのパフォーマンス。召集の背景にはカルモナとガリンドの代わりに本大会出場経験のあるベテランをメンバーとして加えたいラボルペの意図がある。ラボルペの守備フォーメーションは右が上がり目の変則4バックもしくは2人のマーカーにリベロを1人余らせる3バックだが、現時点でほぼ本大会メンバー入りが当確のマルケス、オソリオ、サルシード、F・ロドリゲス、ウィキの5人のうち、過去にリベロを務めたことがあるのはマルケス、オソリオ、サルシードの3人。左サイドバックの登録となるピネダが左のストッパーもこなせることを考えれば、よほどのことがなければDFは先の5名+ピネダで事足りる可能性はが高い。サルシードは左マーカーでの起用の方が多く、チームとしても攻撃力を生かせる利点があることを考えればサルシードのリベロ起用はまず非常手段と考えるべきだろう。現時点でレギュラーのリベロはオソリオ。オソリオが出場できない場合は右マーカーのマルケスがリベロとしてプレーする公算が高いが、万が一もありリベロの第3の控えとして経験豊富なベテランの2人が試されることとなった。
88年から十数年に渡ってメキシコ代表の主軸としてプレーしたとはいえ、スアレスは昨年まで所属のティグレスからも放出され、MLSのチーバスUSAでプレー、ダビーノもアメリカでまずまずのプレーを続けているとはいえ98年の最盛期からはほど遠いコンディションで過去に召集された試合でも緩慢なプレーが目立ってきた。2人とも下り坂の選手であることは間違いなく内容が注目された。
またボランチでロペス、ガルシアも久々の起用。2人ともラボルペ代表の立ち上げ時から召集されてきた信頼の厚い選手ではあるが、ここ1年くらいは若手の成長もあり試合出場機会は減っていた選手。スアレスとダビーノの98年W杯コンビ同様、この2人も昨年3月のアルゼンチン戦以来いきなりセットでスタメン起用。
更にこの日の右サイドの懸案のポジションにはカストロを起用。縦に強く左右共にこなせるロハスか、ボランチとアウトの両方をこなせるマルティネスがこのポジションの最右翼と見られていたが、技巧派のカストロがどの程度実力をアピールできるかも注目された。
他にも左のオフェンシブMFに新鋭19歳のグアルダド、FWは当確線上のブラボがスタメン。というわけで、チームのバックボーンの選手が不在の上、初顔合わせの選手が大半で、コンビネーションなど望めないのは開始前から明らか。となれば、あとは個々のパフォーマンスを如何に見せ付けるかに試合の焦点は絞られた感があった。
試合は開始2分、カバニャスからのパスを受けたクエバスが得点しパラグアイがいきなり先制する。メキシコリーグで活躍する2選手によるゴールだったが、カバニャスがボールを受けたポジションはどうみてもメキシコのDFラインから2mくらい飛び出しており、真面目に考えればオフサイド以外には見えづらく、審判が例によって能力のない米国人のセットだったこともあり敢えて細かい言及はしないが、ダビーノのパスミスがきっかけでクエバスとカバニャスのワンツーが決まっての得点ではあった。ミスも頂けないがその後のクエバスへの対処も緩慢で、ダビーノはこの時点でほぼ落選決定となった。
試合は25分過ぎまでパラグアイのプレッシャーが非常に厳しくメキシコはたじたじとなりミス続出、不慣れなメンバーと言うこともありオタオタする場面が目立った。プレッシャーで中盤が機能せず、DFから中途半端なボールがFWの2人に出るものの収まるシーンは少なく、ほとんどがパラグアイの手堅いディフェンス陣に難なく処理された。特にボランチの2人、左のピネダとグアルダドが焦り過ぎ攻めの起点が中盤に出来なかったのが大きい。また右のカストロは積極的に出ようとする姿勢は見えたが良いタイミングでボールが出るシーンはなかった。長いボールを入れれば相手得意のパターンにはまるのは明白で、我慢してつながなければいけなかったはずだ。そんな中ひとり積極的に中盤を落ち着かせようと献身的に繋ぎに入るプレーを見せたのがスアレス。DFラインでパラグアイのFWをケアするのみでなく積極的に中盤に上がってゲームを組み立てようと試みた。
メキシコの同点弾は30分。ブラボに対するベニテスのファウルで得たPKをブラボ自らインステップで豪快に中央に蹴り込んだ。その後ややリズムが変わり、メキシコに落ち着きが見られるようになりパラグアイにファウルが増え前半終了。
後半、メキシコはミスの多かったダビーノとピネダに代え当確メンバー組のF・ロドリゲスとウィキを入れ、スアレスとの3バックにシフトチェンジ。10分前後までミスもあり立て続けに決定機を作られたがGKサンチェスが全てセーブし事なきを得ると、14分にはウィキからのクロスをフォンセカが頭で落としブラボがシュート。ここまでで一番の好機だったが、ブラボがシュートをミスし点には至らない。
その後は一進一退のまま膠着状態で試合が進んだが、後半38分にロペスからのクロスを受けたブラボがゴールに背を向けるようにして反転しながらトラップ、それをそのまま右足で引っ掛ける難しいシュートを突き刺して2点目を奪い、結局2-1のスコアで試合は終了した。
この試合の出場メンバーのうち全後半ともまずまずの出来だったスアレスは本大会のメンバーに入ってきそうだ。たとえ本大会での試合出場はなくてもラボルペの期待には十分応えられる器である。当確微妙なのはロペス、カストロ、トラド、メディナ。ダビーノとガルシアは難しいだろう。4月2日に注目の23人が発表となる。
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<本大会向第一次メンバー26名が決定>
6月にドイツで行われるFIFAワールドカップ本大会へ向けたメキシコ代表の第1次メンバー26名が4月2日深夜に発表された。FIFAへの最終登録の締切は5月15日。これから約1ヶ月強かけて強化合宿が行われ、怪我の回復が心配されるシーニャ、アレジャノといったメンバー含めこのグループ内で更なる切磋琢磨の末、最終的に23人の選手が決定される。
メディア内では02年大会のエースだったクアウテモク・ブランコが選出されるか否かが最大の焦点となったが、結論から言えばノー。かなりの数の国粋主義的記者が“ブランコは今の代表に不可欠”という論陣を張る中、ラボルペは過去にも語ってきたように『システムを作るのは私であって、ある選手が私のシステムに相応しいか否かを決めるのは他でもない監督である私自身』であることを再度強調した上で、ブランコの落選は『自分のチームのシステムに合う選手を入念に選んだ結果』『チームに王子様は不要』と持論を貫き通した。
サンチェス、アレジャノらと同様アトランタ世代のひとりであるブランコは既にベテランの域に達した選手。切れ味はやや落ちた感もあるものの、クラブレベルではここ数シーズン、プレーヤーとして円熟期を迎えている。その意味で代表に加えるべきとする意見も理解はできなくもない。だがそれはもちろん精神面の成長が備わって、という条件付だ。ブランコが例え自分がベンチにいてもピッチの仲間を鼓舞し、ベテランとしてチームを励まし続けられるような選手であれば間違いなくメンバー入りしたろう。だが、実際にはブランコはメキシコ代表にとって常に両刃の剣であり続けてきた。自分だけが特別扱いされないと気が済まず、気に食わなければチームメートとの殴り合いの喧嘩も厭わない性格。もしW杯の大会期間が1週間であればメンバーに入れる意味も変わってくるだろうが、今後3ヶ月近く続くであろう合宿期間を考えると逆にチームは爆弾を抱えるようなものだ。優しい選手が多く精神的にチーム全体をまとめる選手が不在の今のメキシコ代表にとってブランコの召集はむしろマイナスと出る可能性のほうが高い。下手をすると大会前にしてチーム崩壊のリスクすらある。それが『(協調性を重視する)自分のスタイルに合わない』という表現でやんわりと落選の理由を説明したラボルペの本音だろう。
メキシコ人監督であれば、アギーレがやったようにそうした潜在的なあるいは顕在したリスクを“メキシコ的オブラート”に包んで知らん顔で通し大会後に『知らなかった』とも言えるかもしれないが、文化的背景の違いもあり外国人にとって“メキシコ的感情的人間関係”をコントロールするのは非常に難しいのは事実。ラボルペがそのリスクを取らないとしても何ら不思議はない。幸いメキシコ代表チームはコンフェデ杯の結果でも明らかなようにブランコが不在でも十分世界で闘えるチームになりつつある。個人的にはブランコを外したラボルペの決定を支持する。ブランコは現時点で不要だ。
2006年W杯ドイツ大会メキシコ代表メンバー(4/2付26名ver.)
GK
オスワルド・サンチェス、ホセ・デ・へスス・コロナ、ギジェルモ・オチョア
センターバック
ラファエル・マルケス、リカルド・オソリオ、カルロス・サルシード、フランシスコ・“マサ”・ロドリゲス
ホエル・ウィキ、クラウディオ・スアレス
アウトサイド
マリオ・メンデス、ホセ・A・カストロ、ゴンサロ・ピネダ、アンドレス・グアルダド
ボランチ
パベル・パルド、ヘラルド・トラド、イスラエル・ロペス、ラファエル・ガルシア
攻撃的MF
ルイス・ペレス、ヘスス・アレジャノ、ラモン・モラレス、ハイメ・ロサノ、アントニオ・ナエルソン“シーニャ”
FW
ハレット・ボルゲッティ、フランシスコ・“キキン”・フォンセカ、ギジェルモ・フランコ、オマル・ブラボ
ポジション別に順に見ていくとGKはほぼ規定路線。DFの5人に加え94年大会、98年大会を経験しながら前回大会を怪我で棒に振った大ベテランのスアレスの選出も予想通り。だが、所属するチーバスUSAの意向しだいではスアレスは最終メンバーから外れる可能性もないわけではないようだ。連盟がMLS事務局に対し交渉を試みるが、万が一の場合には今後新たなメンバーを呼ばない宣言をしたラボルペの対応が注目される。
左右のアウトサイドは右のメンデスとカストロにMFアレジャノ、左のピネダとグアルダド、更にロサノ、モラレス(上記では2人ともMFとして記載)と多くの候補が選出されているため、落選する3人のうち1人がこのグループから出るかもしれない。更にボランチはパルド以外の3人、トラド、ロペス、ガルシアの3人のうち1乃至2人が外れる公算が高い。フランコをトップ下で起用するオプションもあるためFWはとりあえずこの4人で落ち着くはず。
持病の膝の怪我からの回復が待たれるアレジャノ、左利きのユーティリティプレーヤーで各代表で世界大会を経験してきていながら最近は今ひとつ結果が出ないガルシア、やはりアピールに欠けるとされるロペスらはこれから如何にコンディションを上げていけるかが鍵となる。若いグアルダドは思い切りの良さを発揮できれば自ずと本大会は近づく。
また、J・P・ロドリゲス、オソルノらクラブ時代からラボルペと師弟関係の長く、メキシコサッカーにおいても早くから将来を嘱望されてきた“未完の大器たち”やメディナ、ムニョスといったチャンスを与えられながら伸び悩んだ若手が落選となった。
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栄えあるW杯メンバー23人決定!!!!
5月14日午前、メキシコサッカー連盟ビルにて連盟代表委員会のディレクターであるG・カントゥから、現在最終調整中の代表メンバー26人のうちドイツに行くことのない3名が発表された。カントゥより『3人を落とす選択は非常に難しいものだった』というコメントがあったもののラボルペが会見には姿を見せず、落選の理由等詳細についてのコメントは差し控えられた。また落選した3人はとりあえず怪我人発生の際等のバックアップとなるが、本人たちが望むなら本大会へ“招待”されることも発表された。
さて、晴れてドイツへ行くことになった23人の代表選手たちを、最近行われた親善試合でのプレー振りをも踏まえてポジション別にみていくこととしよう。
<GKグループ>
オズワルド・サンチェス、ホセ・ヘスス・コロナ、ギジェルモ・オチョア
既にベテランの域に達したサンチェスが不動の守護神。アトランタ五輪時代から98年フランス本大会、02年日韓本大会いずれも第3の男だったことは過去にも書いた。カンポス、ペレスというメキシコスタイルの“人気者”GKの陰に隠れて不遇の時代を長く過ごしたが昨年のコンフェデ杯での活躍ぶりを述べるまでもなく、国内最高のGKであることに異論を差し挟むものはない。明るい性格でリーダーシップも強く周囲の信頼も厚い。ラボルペが02年のレギュラーだったペレスをメンバーにくわえなかった理由のひとつに『(ペレスを選出することで)オスワルドとトラブルを起こしてほしくない 』という趣旨の発言があり物議を醸し出したが、裏を返せばラボルペの絶大な信頼を得ているということだ。
サブの二人は次世代につながるGKたちに経験を積ませたいという若手育成感覚に長けたラボルペらしい発想での選出となった。
<DFグループ>
ラファエル・マルケス、クラウディオ・スアレス、フランシスコ・“マサ”ロドリゲス、アントニオ・カストロ、マリオ・メンデス、リカルド・オソリオ、カルロス・サルシード、アンドレス・グアルダード、ゴンサロ・ピネダ
合宿に入った直後の怪我で出遅れたウィキがメンバーから漏れ、9人のグループとなった。グループ別に分けるなら右アウトサイドがカストロ、メンデス、左のアウトがグアルダド、ピネダ、センターバックは右がマルケスもしくはオソリオ、“マサ”ロドリゲス、リベロがオソリオ、マルケス、スアレス、左がサルシードということになる。3バックとなるセンターバックの選手はそれぞれリベロとマーカーの双方をこなせるため組合せは豊富だが、唯一の不安はサルシードのポジションの控えが薄いことだろう。彼が万が一出場できない場合にはマサを右に入れてオソリオかマルケスが左のマーカーに回るくらいしかオプションがないのがやや気にかかる。
また38歳の大ベテラン、スアレスだが、直前に行われたベネズエラ、コンゴとの試合でも期待以上のパフォーマンスを見せ、所属のチーバスUSAとの問題も解決したことから、晴れて選出となった。長く代表に君臨してきた寡黙な“皇帝”の存在はチームを陰から支える役にうってつけだろう。当然Aマッチ出場記録の更新なるかが世界的にも注目される。
サイド勢ではカストロとグアルダドがメンバーに残った。2人とも最近の国際試合でもどんどんチームに馴染みだしており勢いがある。カストロは4バックのサイドバックタイプで、デビュー時は不安定だったが、代表の国内最終ゲームとなったコンゴ戦(13日@アステカ)では持ち味の細かいパス交換から積極的にインにアウトに動き回り決定機の演出をするなど、本来の持ち味が見られるようになってきた。守備能力もしっかりしており開幕のイラン戦でのスタメンも十分あり得る。左のグアルダドはDF登録となったものの実際にはややオフェンシブなMFで起用される。19歳と最年少ながら左サイドでのアグレッシブなプレーが評価されての選出。ディフェンシブであればピネダ、オフェンシブであればモラレスと安定感ある選手がそろうだけに競争は激しいが、フランス大会でスーパーサブ的に起用され活躍したアレジャノのようにのびのびとプレーしてほしい。
<MFグループ>
アントニオ・ナエルソン“シーニャ”、ルイス・ペレス、パベル・パルド、ヘラルド・トラド、ラファエル・“チキス”ガルシア、ラモン・モラレス
6人。DF登録のグアルダド、FW登録のアレジャノらはMFでの起用が多いので実際にはもう少しオプションは増える。トップ下の選手がシーニャとペレス、ボランチがパルドとトラドとガルシア、左アウトサイドもしくは左ウィングがモラレスという構成。結果的に最も選手層が薄いのがメキシコ代表の心臓でもあるMFというのは不安である。今後怪我人が出るようだとメキシコはピンチである。
怪我上がりのシーニャはまずまずの仕上がりは見せたもののまだトップコンディションではない。むろんアレジャノやグアルダド、モラレスがオフェンシブなMFとしても機能し、フランコをトップ下で起用する可能性があることを考えればオプションは豊富なはずだが今後本大会までにどれぐらいバラエティを広げ、かつチームの戦術として定着させられるのかは正直疑問でもある。
ボランチはロペスが外れ2人となった。直前の親善試合では2人とも1ボランチでプレーしまずまずだったが、所属でもビジャとのコンビがさえるパルドはともかく、トラドはダブルボランチでのポジショニングに難がある。ワンボランチならよく機能するが、トップ下にうるさい選手がいるポルトガルやイラン相手にワンボランチでカバーしきれるかどうかがポイントになる。バックアップという面から見ると、所属チームでボランチでの起用が多く、かつ左利きのチキスがボランチ専門のロペスとの比較で最後まで残ったのもまあわからないでもないが、どちらかといえば落ち目な選手で不自然さは否めない。お父さんはやはり娘には弱いのか?
<FWグループ>
ハレッド・ボルゲッティ、ギジェルモ・フランコ、フランシスコ・フォンセカ、オマル・ブラボ、ヘスス・アレジャノ
3大会連続のベテラン、アレジャノはFWというよりはMF。最近は代表に呼ばれていなかったが、コンディションはよい。実質のFWは4人。いずれも実力は安定しており、現時点でベストであろう。不動のエース・ボルゲッティを軸に、ビジャレアルのフランコ、フォンセカの争いになるがこちらもなかなか競争が厳しい。実績ではフォンセカの方が上でコンスタントに力を発揮できるが、ガチガチにマークされると実力を発揮しきれない難がある。ラボルペはアルゼンチン人のフランコを信頼している節もあり調子の良いほうを起用していくことになりそう。
メキシコ代表は5月20日にメキシコを発って欧州入り、仏サンテティエンヌで欧州勢が合流の後、27日にフランススタジアムで仏代表と対戦、翌日にオランダへ移動して6月1日にオランダ代表と親善試合を行った上で翌2日にドイツ入りとなる。
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