太宰治「斜陽」



総中流社会と呼ばれていた頃から時代は変わり、やれ格差社会だ、ワーキングプアだ、と騒がれだして久しい。近々に生活に困る訳ではないけど、先細り。別に将来が明るいわけでもない。没落貴族の家族が描かれているこの小説の雰囲気は、微妙に現代にマッチしているような気がしないでもない。

タイトルが示す通り、人生のお日様が陰ってしまう人達が放つ、最後のきらめき、のようなものが感じられる。でも、そんなきらめきを発したら、人生が一気に終わりそうで参考にはできない。

直治の夕顔日誌に「厳粛=阿呆感」という一節がある。厳粛な雰囲気の中に漂う阿呆感、ということか。どんな生活を送っていたら、こんな文章が思い浮かぶんだろうな。

この小説で太宰治は一躍流行作家となったらしい。この小説が流行する世の中って、どんな世の中だったんだろうな。

太宰治「斜陽」(青空文庫)

Posted: 金 - 6月 22, 2007 at 05:57 午前        


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