村上龍「共生虫」
妹が正月の暇つぶし用に買ってきた本。居間に放り投げてあったので、読んでみた。引きこもり、インターネット、メーリングリスト、BBSなどのいかにもなキーワードが出てくる。それぞれが物語に大なり小なり関係している。研究してるなー、と思ったのは、例えば、小説内に出てくるメールやBBSの文章。「○○とか」などといった、メールやネットでしか目にしないような文章がデフォルメされて使われている。自分もよく「○○とか」という書き方を使ってしまうので、今後は使わないようにしよう、とか思った。読み進めていくと、タイトルにもなっている共生虫とインターネットのイメージがダブってくる。そこらへんの比喩は説得力がある。主人公が引きこもりなのも、単なる興味本位じゃなくて、この小説を書くには必要だったんだと思える。村上龍じゃなくて、もっと若い人が同じような題材で小説を書いていないのだろうか?もっとこういう題材で本が書かれてもいいんじゃないでしょうか?だけど、この本を読んで一番考えさせられたのは、これらのインターネットや引きこもりについての描写ではなかった。公園を横切っていく時に周りで遊んでる人達を見ながら主人公が抱く感想。最後に主人公が新宿を歩きながら道行く人々を見て抱く感想。まさにそれ。それがこの小説の肝だった。あと、村上龍のあとがきも。就職して数年、関東に住んで薄々感じていた事は、既に小説になっちゃってたんだー、と驚かされた。問題としては根深い。未だに答えがわかりません。なんで自分がまだクルマを持っていないか、という理由がこの小説には書かれている。単に「必要ないから」というだけじゃないんです。Amazonはこちら。
Posted: 月 - 1月 5, 2004 at 03:24 午前