《シティリング》構想
岡山市の中心部にリングが見える!
図ー1 シティリング概念図[水色の部分がシティリングと名付けたエリア]
岡山市の中心部には、いままで気づかなかった特徴的な構造が存在している。クレド、農業会館あたりを中心にして半径800M〜1300Mの円を描けば、そのなかに公共民間を問 わず都市のインフラ的な公益施設が密度濃く入っている。以下、「シティリング」 と名付ける。このリングは、放射状にそれぞれ機能ゾーンを分担し、その中心で対面する向いに興味深い関係性があることも分かった。

図ー2 シティリング機能ゾーン図
岡山市中心部に発見したシティリングは各機能ゾーンにハッキリ色分けがで
きる。また、それは中心市街地の境界を形成していることが分かる。このリ
ングのうち、東部分には岡山のシンボルである後楽園と岡山城を主にした歴
史文化ゾーン(カルチャーゾーン)があり、ちょうど反対側の西部分には駅
西口の再開発とザハヤシバラシティの計画があることが分かる。
旧のシンボルに対して岡山駅周辺に新しいシンボルができようとしている。
今後、地方の再編や都市間競争の激化が予想されるなか、新旧互いの魅力を
織りまぜた都市全体による顔づくりと吸引力強化が求められる。
このような関係性をもつシティリングを頭に描いたうえで中心部をながめれば、例えば今回の林原のビッグな構想(ザハヤシバラシティ)は交流ゾーンの核となる布置なわけで、シティリング構想から見ても適った構想であると言える。そこで、もしその対極方向の後楽園を中心にしたゾーンの再浮上を実現することができれば岡山をシンボライズする新と旧の2極の観光ゾーンを一気に形成できるというまたとない機会となりえる。その経済効果を含めた影響ははかり知れない。そしてこのリングを意識した都市成長管理を継続的に促せば、リングの輪が岡山市の「スーパーアイデンティティ」となって、他都市では決してマネのできない都市の魅力となるであろう。街の骨格に関わるグランドプランの欠如から、今後も個別の動きが事業主体の自由な判断で行われるとしたら、この特徴も崩れて行くわけで、都市の損失ともなろうし残念なことであると危惧している。
のどかで特徴の乏しいといわれる岡山市の中心部には、実は明解な特徴が隠れていたのだ。
リング上の各施設は、様々な個別のファクターでその配置が決まったのであろうが、結果的に円環上の配置群と見て取れることは、将来の岡山市の中心部を考えるヒントとなりえる。また、リングの各ゾーンを繋ぐことで有機的な全体像として都市を眺める視点を得ることにもなる。いままで個別のプロジェクトに右往左往してきた歴史をもつ岡山市民に対して、「こんな都市の見方をすれば、他ゾーンへの投資も自分の地域のメリットとなって巡って来ますよ!」というヴィジョンを呈示することに意義があると判断した。
次に、図を使ってシティリングの特徴を紹介する。
(注)下図の水色のリングは,図ー1、図ー2で示したシティリングを示す。
集積と憩い
西口、市役所筋界隈ー中心ー後楽園、岡山城 新旧布置

駅前の集積度が増すほどコントラスト効果で憩いのニーズも増す。受け皿として憩いの質のレベルアップが必要となろう。間に挟まれた中心市街地は、その間で生まれる東西方向の人の流れを何本も特徴を持たせて整備する必要がある。
商店街
駅前一番街、ビブレ界隈ー中心ー表町商店街 綱引布置

綱引き関係の両界隈は、西口再開発や林原の計画によって、バランスが崩れようとしている。表町界隈は、リングの東部の特徴を視野に入れた人と金の流れの新たな仕掛けが求められる。今後表町界隈は、地域密着型の指向を進めながら輝きを外に放つような商店街にすべきだろう。
法と俗
北の裁判所ー中心ー田町、柳町 対比布置
裁判所の建て替えが始まりリング北部にランドマークになる施設が完成すれば、リングの強化になる。今後の裁判所利用ニーズの増加と酒場の消費量に注目したい!
娯楽と文化
イトウヨーカドー界隈ー中心ーカルチャーゾーン 対比布置
リングの南西ゾーンは、都市型娯楽の一層の集積が求められる。
映画館
岡山駅前ー中心ー千日前 同類布置
商店街とセットの時代を経て、命運を共にしている感がある。郊外の複合施設型に負けない魅力の創出が求められる。
会 館
まきび会館などー中心ー衛生会館など 同類布置

長年の市民に定着している各施設である。それぞれの隣接地の活性化があれば利用も進む。
メディア
放送局ー中心ー新聞 類似布置
放送局の一部移転計画は惜しまれる。跡地利用では、リングを意識した慎重な対処が求められる。
総合病院
中心ー境界配置ー郊外 円環布置

この図では、配置がやや西よりだが旭川を考慮すれば、ほぼ理想的な間隔でリングをなしている。中心部と郊外の境であるリング近辺に点在するこの状況は、都市インフラ施設の戦略的な布置として好例である。
以上8つの用途分野で対極布置のあり様を紹介したわけだが、だから岡山の街はこうだと断定するものではない。どちらかというと、こういう見方もありますよ。こういう見方をすれば、岡山の街の問題点、課題が分かり易く見えてきますということをまずは言っておきたいということである。
こうした考えを、この街に住む方、訪れる方、関心をもつ多くの方に読んでもらいたい、知ってもらいたいと思っている。今後とも岡山の街の具体的なヴィジョンをエリアごとに紹介したいと考えている。