アオちゃん捕獲!の巻

アオちゃんといっしよ


二 日目 夕方、バックスキンジョー・ビレッジ

「あ、あれアオちゃんじゃない?」


と小林君が指さす方向を見ると、よかった。アオちゃんが生きてる。歩いてる。呼吸し てるよ。というような、ちょっとした感動が胸に沸きあがってきました。。


まるで死んだと思った子犬が息を吹き返したような安堵感。


その距離わずか10メートル。
私たちはシンハ・ビールを片手にアオちゃんにむかって手を振りました。かなり大きく振ったつもりでしたが、アオちゃんは前方の一点をじっとみつめたまま、 ただ黙々と歩いていきます。やがて私たちの目の前を夢遊病者のように通りすぎていき、今やもう背中が小さくなろうとしていました。


「どうしよう?」


「このままどこまでまっすぐ行くのか見てみたい気もするな」


とは思ったものの、そのままどこかに消えてなくなりそうだったので、走って追いかけました。

魂を抜かれ、歩き続けるアオちゃんの絵

「アオちゃん!」


と叫んでも立ち止まる気配がありません。
誰かに悪い魔法でもかけられてしまったのでしょうか。
それとももう日本語を忘れてしまったのか。
呼びかけても呼びかけてもアオちゃんの足は止まりません(^^;)


やっと追いつくことができて、肩を押さえ、前方に回り込みました。


「あっ、saiさんだ」


やっと魔女の呪いが解けたのか、ぼ〜っとした顔でアオちゃんはつぶやきました。


「アオちゃん、ちゃんと街の様子を見ながら歩かないと危険だよ」
と私は小林君にアオちゃん捕獲の合図をしながら言いました。


「ほら、ちょっと首をかしげれば見えたでしょう?」


指さす先にはくたびれた感じで小林君が、力なげに笑っていました。

生きてた・・・ほっとする小林君の絵


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