Chateau LAGUIOLE
ソムリエナイフ
人生2%だけ、ハッピー度アップ。
あたりまえのことなのですが、人は誰も生涯ただ一度だけ”自分の人生”という役割を生きていくことを宿命づけられた生き物なのですね。それは他の誰のものでもない、自分だけの取替の利かないただ一度の試みでもあるので、厳密に言えば(言わなくても)完全な客観視はできません。客観視はできないので、次善の策として(というかただひとつの選択肢として)相対化するしかないのですが、そのときの対象は【A.過去もしくは未来の自分の人生】か、【B.他人の人生】のふたつしかありません。しかしどっちにしても人は原則的に自己肯定的にしか生きれないので、「これまで(誰それ)よりも豊かなじぶん」は自分が努力して獲得した人生の豊かさであり、その逆は自分の所為じゃない周りや環境や境遇や生まれや育ちに原因を転嫁して結論づけてしまおうとするものなのです。人生が豊かでハッピーかどうかは、外から見ると、モノやお金や社会的信用や権威をどのくらい持っているかとか、いろんな尺度があるのでしょうけれども、けっきょくのところ自己肯定の総量を当社比で量るしか術はなさそうなのです。自己実現の達成というのも、自己が矮小でねじ曲がった人格だったりすると世の中的には善いことでもなんでもなくて、危険や反社会的になることすらあるのですから。そんなわけで、人生にはあってもなくても特に支障はないのだけれど、あると少しだけハッピーになれますよ、というモノコトがいろいろありますね。
ソムリエナイフなんていうのも、そう。べつにこんなのなくったって、ワイン飲みたきゃ好きに開ければいいんですよ。キャップシールにスクリューの先差し込んでムリヤリ力任せに破っちゃって、あとは自慢の腕力でぐりぐりコルク抜いていけばいいんですよ。いつかどこかでオマケでもらった、あのプラスティック柄のスクリューで。でもね、でもね、ちょっと試しにいっかいこれ使ってみてください。なんだかちょっとだけ幸せな気持ちになれるんですよ。これで開けると。なぜだか具体的な理由はわかりません。ま、やっぱり綺麗にスムースに開けられるっていうのはもちろんなんですけどね。当社比でいうと2%くらいですかね。ハッピー度アップは。そういうごくごく小さな幸せというのは、取るに足らないことではあるのだけれど、人生の豊かさというのはこんな小さな幸せの積み重ねなのではないかなあ、などと思うのです。お気に入りのジャケットを着て出かけるときのうきうきした感じとか、ガレージに佇むバイクのこと想ってニンマリしてしまう感じとか、オイル交換直後のギアのスムースさとか、並んだレジのおねーさんの優しい対応とか、ラジオから流れるそのときの気分にピッタリの曲とか、過酷なツーリング先ですれ違うライダーの挨拶とか、夕焼けや星空の美しさとか、そーいう小さな小さな幸せ。人生大転換とか、そうでなくとも2割や5割増の大幅幸せアップというのもたしかにあると思うんです。愛する人との出会いとか、仕事の大成功とか、宝くじ大当たりとか。でもね、そーいう大きな幸せだけを人生の目的のように追い求めるよりも、日々の暮らしの中にある特筆するほどじゃないないけどステキなこと、っていうのを積み重ねていける生き方っていいなあ、と思うのです。落ち込んだりへこんだりまいったりうまくいかなかったりストレスだらけだったり、そういうときであればあるほど。少なくともね、誰かを羨んだり妬んだりしているよりは、小さな小さな幸せを見つけて積み重ねてるほうが、確実に建設的ですしね。
で、ラギオール(Chateau LAGUIOLE
)というこのナイフにはシンボルの虫が付いてますね。ハエかと思ってましたがミツバチだそう
ですよ。いや、ミツバチには見えませんけど。こういうハエだかハチだかわかんないディティールを愛でるのも、小さな小さな幸せのひとつかもしれません。ここまで書いて思い出したのですが、そういや私、バイク用のフィルターレンチ持ってませんでした。ドライバー突っ込んでぐりぐりして外してました。んー、さらに2%ハッピーな人生のために、手に入れようかなあ。んでもって、自分的スベらないネタ思いついたときも、小さな幸せだったりするのですよ。オーケー、ホーケーアイム・ソーローアイム・ソーリースベらない?
Posted: 土 - 3月 17, 2007 at 02:07 午後