『橡葉の森』   2008.11.20.


『橡葉(しょうよう)の森』       井草晋一

(「兵庫歌人クラブ」 平成20年『年間歌集(第48集)』参加作品)


水仙の花は肩寄せ春を待つ みぞれまじりの雪の降る朝

赤々になお透き通る赤に染め 春嵐(しゅんらん)一過の夕焼け去りゆく

やって来たカブトクワガタススメバチ 橡(くぬぎ)の森の居酒屋開きに

あっラズベリーの群生だ 石垣の笹の中より刈り分ける夏

ファイアーの残り火囲む子どもらは 和解のプロセス始めているよ

礼拝堂の小さな庭のここかしこ オオマドボタルの幼虫光れリ

ニイニイにアブラにクマにミンミンに ツクツクカナカナ猛暑過ぎ行く

「一刀両断」求め来たりし我に問う 戦闘能力奪う剣あり

レンジャーの訓練終えての昼食会 頬こけた君に清さを感じて

降り積もる橡(くぬぎ)の落葉を照らす影 夜半の月は凛と光れり



(所属結社) 「ちぬの海短歌会」





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