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| 敗戦から十数年経った頃、子供達はもはや焼跡をはいずり回る必要はなかったが、成長に必要な蛋白質をもっぱら肉から得る程には裕福ではなかった。だから、高度成長期の子供は、あの赤い被覆で商店街のあっちこっちの店の棚に並んでいた、魚肉ソーセージのおかげで大きくなったのだ。戦後復興は、まさしく魚肉ソーセージによって成し遂げられたのだと言って、過言ではあるまい。
しかし、魚肉ソーセージとは一体何なのだろう。どうして蒲鉾でも竹輪でもなく、ソーセージのようなふりをしているのだろう。鮫の蒲鉾のような白でもなく、鰯の練物のような黒でもなく、なぜピンク色をしているのだろう。そしてまた、あの示し合わせたように赤い包装は、何なのだろう。かつてのウィンナーソーセージは、表面が赤く着色されているのが主流だったが、それを連想させようとしていたのだろうか。その果たした役割に比べて、装いは堂々としていない。何かしら「本物のソーセージ」に対して卑屈にすり寄っているように見える。 ここに、魚肉ソーセージの持つソーセージ・コンプレックスからの脱却の試みがある。その名を「あげ天」と言う。けったいな名前ではある。天麩羅は揚げてあるのに決まっているからだ(大阪を含め、魚肉練製品を「天麩羅」と呼ぶことのある地域が存在することは、広く知られているが、そのテーマは、ここで扱うには大きすぎるので、今は触れないでおく)。また、別に大阪で造っているわけでもなく、大阪限定商品でもないだろうから、大阪弁のシャレだというわけでもない。 それはともかくとして、このネーミングにせよ、パッケージ(金色と赤の魚が泳いでいる)にせよ、かなりの程度に、ソーセージ・コンプレックスが払拭されているように思えないだろうか。肩書が「まるかじり フライドソーセージ」となっていることに、やや残滓が見えることは認めよう。あるいは、ネーミングが既存魚肉練製品から発想されたであろうために、斬新さを欠いていることも認めよう。それでも、魚肉ソーセージが、魚であることを(DHAブームなどに依存する形でなく)自己主張しようとしていることには、拍手を送りたいものだ。 魚肉ソーセージの身上である、コストパフォーマンスの良さは、保たれている。なにしろこの充実感で1本100円だ(消費税率値上で105円になってしまったが)。店頭に一緒に並んでいる高いだけの中途半端な肉製品や、満足感に欠ける2本入り竹輪パック等に比べると、その充実感がよくわかる。朝の慌ただしい出勤時に、カロリーメイトなどをかじる位なら、あげ天を喰いたまえ。見慣れない褐色の縮れた肌の下に、懐かしい味と食感を発見して、安らぎと満足感を覚えるに違いない。 |
| 品名 | フィッシュソーセージ |
| 原材料名 | 魚肉(たちうお、あじ、たら、その他)、結着材料(でん粉(コーンスターチ、馬鈴薯)、植物性たん白(大豆、小麦))、砂糖、食塩、植物油脂、香辛料、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、酸化防止剤(エリソルビン酸Na)、発色剤(亜硝酸Na)、赤色106号 |
| 殺菌方法 | 120℃ 4分間加熱 |
| 内容量 | 70g |
| 賞味期限 | 枠外に記載してあります |
| 保存方法 | 枠外に記載してあります |
| 販売者 | マルハ株式会社 TGKP7H 東京都千代田区大手町1−1−2 |
| エネルギー | 118kcal |
| たん白質 | 9.5g |
| 脂質 | 3.6g |
| 糖質 | 10.9g |
| 食塩 | 1.3g |