グラン・ローヴァ物語 全4巻 角川書店版

 グラン・ローヴァとは、放浪の賢者のこと。生涯を旅に生き、ところを定めず、人の英知の極みを修めた最高の賢者の称号、それがグラン・ローヴァ…のはずだった。

 けれども、ケチな詐欺師のサイアムが出会ったグラン・ローヴァは、ちっこくてやたら元気でとんでもなく脳天気な老人???

 大蛇の化身イリューシア、サイアムを「とーちゃん」と慕う妖魔イヌワラシの「デシ」と「ダシ」など、珍妙な仲間を引き連れて、彼の旅はいつしか「銀晶球」を巡る謎の中に巻き込まれていく。

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1巻 表紙
2巻 表紙
3巻 表紙
4巻 表紙

……主なキャラクター……

サイアム若いのにまじめに仕事もせず、かといってたいして悪人にもなれず、調子良く世の中を渡っていきたいケチな詐欺師。…と書くとさんざんですが(^_^;)、まあ最初はホントにそんな感じ。

 少女漫画とくればヒーローヒロインは美形か可愛いと相場が決まっていますが、少年漫画に連載とあって、あまり「かっこよく」ならないようにと考えて作ったキャラです。どこかぽやぽやっとしているのが、妖魔やら大蛇やらになつかれる原因なんでしょう…。

グラン・ローヴァ作品を描いていた頃は、私も今より更に若かったわけで、その若輩者が「放浪の大賢者」なんて描こうとすること自体無謀なチャレンジなんですよね…(^_^;)。歳を経て初めて語ることのできる人生の叡智の数々、なんてものが私にあるわけがないし。

 ただ、真実というのは突き詰めれば突き詰めていくほど、シンプルでわかりやすいものになっていくんじゃないかというおぼろげな感触があって、で、結局赤ん坊に近いようなじーさんになっちゃった(笑)。お肌つやつやです、かれ。

イリューシアやはり、初めて男性読者を意識して描いた女の子です。大蛇だけど、どこまでもどこまでもオンナノコなのです(笑)。

 初めは自分のことしか考えていませんが、人を愛し、その愛が深くなっていく過程で、彼女は変わっていき、また哀しく染まってもいきます。ゆめゆめオンナノコをなめてはいけません(笑)。

デシとダシ今、あなたのマウスポインタにつきまとっている奴らです。ご用心、ひょっとしてなつかれたかも…。後が大変です、こいつらは…。

作者から一言

 この作品は、私の2作目の作品です。「辺境警備」と同時期に連載していました。連載当時は、非常に悩み、迷いながら考えて描いていましたが、今読み返すと自分だけで描いたのではないような気がします。

 作品自体、何かに導かれながら描き上げたような気持ちになるのです。作者として意図した以上の何かを、この作品は持っているのかもしれません。

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