蚕から絹糸が生まれるまで
タイ東北地方はラオス同様、織物が盛んな地域。特にタイシルクと絹絣(マッドミー)の産地として世界的に有名。そのしなやかで光沢のある絹糸が生まれるまでをコンケーン県のいくつかの村で見せてもらった。農家の女性達の真っ黒に日焼けした指先から黄金色の絹糸が紡ぎ出される。
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カイコガ(家蚕)の原種の卵。一羽の蛾の産む卵は350~400。40~45日の一生が始まる。
なぜか子どもの学校のノートの反古紙が使われている。
平らな笊の中で大事に育てられる蚕。近所に自生する桑の葉を取って来て入れてやると、眠っていたかに見えた蚕が途端に活発に動き出す。
NGOの援助と指導の入っているこの村は一年中蚕を育てている。高床式住居の床下の棚に何段も蚕の笊が置かれている。笊の形は日本の梅干し用のものと全く同じだ。
糸を吐き繭を作る蚕。チョーと呼ばれる竹のまぶしの中で繭になって行く。蠅と蟻等の昆虫が天敵なので、大事に布で覆われ風通しのいい床下の棚に置かれる。
直系2メートルはある大きなチョー。このチョーと呼ばれるまぶしは村や民族によって様々な形があるようだ。
大振りの細長い、黄金色の繭。糸を吐き始めて4日ほどで繭になり糸がとれる状態になるという。いくつかの繭は次世代の蚕を産ませるために残される。
鉄鍋の中で煮られた繭から木の柄を使って糸を引き出す。柄の先の割け目を通って15〜20本の糸が合わさり、滑車を使って面白いように糸が引き出されて行く。
繭を煮る湯の温度は高過ぎず、低過ぎず、熟練した者だけが知っている。繭の糸は内側、中間、外側の順で品質が良く、使い分けられる。おしゃべりしながらの楽しい糸取り作業
生まれたての絹糸。セリシンという物質に守られた糸は思いのほか堅く、シャリ感がある.一つの繭からおおよそ1000mの糸がとれるという。
足の親指を使って,器用に糸の綛(かせ)を作る、クゥンメーワン(ワンお母さん)村一番の絣作りの名人と聞く。彼女はマットという、糸を括る作業を得意としている。
糸取り作業といえども熟練者とそうでない者が作ったものとでは糸の品質に雲泥の差があり、素人目にも一目瞭然である。一綛は150〜200gでおよそ一枚のスカートを織る
より美しい絹糸を求めて、ワンお母さんの親戚の家へ。その村で糸作り熟練者のとった糸を分けてもらった。輝くばかりの黄金色の絹糸。その色も精練され漂白される。