買い付けの旅9
2007年12月 久しぶりにタイ北部の古都チェンマイを訪ねる旅ができました。 今は亡きセンダーさんの遺されたバーン・ライ・パイ・ガーム(美しい竹の村)は何一つ変わることがなく、ピン川の流れのほとりに静かに機織りの音だけを響かせていました。布三昧の旅はまさに魂の清めの旅になりました。素敵な出会いができたことをすべての人々に感謝します。
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カンボジア上空を通過中 トンレサープ湖が眼下に! その上空だけ雲が晴れ渡っている。
今回の旅を象徴するかのように新空港で出迎えてくれたアカ族のポスター。 赤ちゃんのバラ色の頬が愛くるしい。
5番線からチェンマイ行きの夜行寝台は出る。夜の中央駅が旅情を誘い、布の旅への期待感がいやがおうにも高まってくる。
チェンマイ門から朝一番で路線バスに乗り、揺られること2時間半。 ようやく桃源郷、竹の村の入り口に到着
この竹の小道は現世を離れた異次元世界へのトンネルのよう。木漏れ日の中、鳥のさえずりの他は何も聞こえず、静かに風が頬をなでるだけ。
クムセートの真っ赤な実が 目に鮮やかに飛び込んでくる。
今を盛りに実るクムセート。 犬がのんびりと昼寝している。
クムセートは棘があって堅そうに見えるが、実はとても柔らかい。ふわふわとした外皮を剥くと種が一杯入っていてオレンジ色の汁が染料になる。
朝早くから集まって機織りに余念がない近所の農家の主婦たち。おしゃべりに興じることもなく黙々と機を織る。
美しいランナーの機織り機。素晴らしい彫刻で埋め尽くされもう何十年も現役で働き続けている。
見事に彫刻が施された座板と機の一部。 手の込んだ美しい機からは愛情溢れる布が 織り出されるに違いない。
クムセートの実を乾燥させて中の種をとり染めに使う。オレンジかかった明るい茶色。 なんとも味わいのある色になる。
高床式建物の床下で機を織る風景。まるで夢のようにゆったりとした時間が流れて行く。
床下で糸車を回している。 リズミカルな音だけが響いている。
今は亡きセンダーさんのベッド脇の窓からは遠くピン川の流れが眺められる。心洗われる風景だ。魂が清められていくように感じた。
文化功労者として王室から表彰を受けたセンダーさんも幼少時は貧しく苦労続きであった。 彼女の生い立ちや活動を記したブックレットで今回初めて知ることとなった。
チェンマイの三千院と言われるトンネル様式の珍しいワット。三千院か?はともかくとしても1200年代に建てられた寺院は静かな佇まいで旅の疲れと興奮を鎮めてくれた。
アンコール美術を彷彿とさせる砂岩のレリーフがトンネルの入り口を飾る。
トンネル内は石灰分を含む水が絶えず沁み出して真っ白になっているが表面を削ると往時の鮮やかな壁画が現れる。
まるで高松塚古墳の壁画を彷彿とさせる素晴らしい色と絵。修復が進んでさらに保存に力を入れてくれることを願うばかりだ。
インドシナ芸術の黎明ドンソン文化の最も魅力ある遺品、青銅鼓があった!本物だと言うが・・・太陽を中心に放射状の模様が描かれている。
銅鼓の音は季節風とともに訪れる落雷の音を喚起する。飾りの蛙は水中を泳ぎ回る雨のシンボル。平原に響く雨乞い祈祷の鼓の音を聞いてみたい。
ナイトバザール近くのワット・チャイモンコン。ビルマ様式の古色が美しい仏塔を楽しみに訪ねたところ、真っ白と金ぴかに塗り直されたばかりで驚愕!の訪問となりました。
お供えはバナナの葉でソフトクリーム型を作り白菊を入れ黄色いろうそく2本と大きなお線香3本を立てる。その色合いは美しくランナーの美意識そのものだ。
カオソーイの二大横綱と言われる、 カオソーイソムジャイ。濃厚で刺激的な 初めての本物カオソーイでした。
お世話になったトゥクトゥク。学校帰りの超美少女の娘さんを乗せて目に入れても痛くない可愛がりようが伝わってくる微笑ましいひととき。
さてバンコク、チャトチャ。民族衣装布をリメイクしている店ここ数年で随分垢抜けして本当に毎回訪ねるのが楽しみになってきた。彼女の謙虚で誠実な人柄が魅力。
いつも元気な自然石鹸を売る店のお姉さん。今回はお店が倍の広さに拡張されてインテリアも素敵に。立派な木の看板の文字はお父さんの名前だとか。何故か店の名はない・・・
ジムトンプソンの家では有名な法律事務所のコレクションから28点が厳選された極上の布の展示がされていた。布の旅の最終日を締めくくるに相応しい最高の出会いでした。
水盤の蓮の花。蓮の葉の中央に花開いた大きな花を乗せ、周囲に花びらを折り畳んだ花と蕾みを浮かべる心憎い演出。
目にすることは稀な極上のラオスのパーシンの赤に魅了され、ナーガの大胆な配置のカンボジアシルクを堪能して布の旅を締めくくりました。
バンコク最後の夜。ホテルの部屋からの夜景。高架鉄道のナナ駅に電車が滑り込んだ。 布三昧の旅ももう終わり。たくさんの出会いに感謝