京舞妓について (赤字クリック→関連ページへ)
 point京の花街

京都には現在でも花街が5つも残っていて、それぞれ独自の歴史としきたりを保っています。
 ・祇園甲部(こうぶ・祇園町南部)
 ・祇園乙部(おつぶ・祇園町北部)
 ・先斗町(ぽんとちょう・鴨川西部)
 ・宮川町(みやがわちょう・鴨川東部)
 ・上七軒 (かみしちけん・北野天満宮東部)
街ごとに別々の舞妓・芸妓達が所属し、芸風や着物・装飾品などもかなり違っています。

私の作品の舞台「上七軒」は、京の花街の中で最も古い歴史を保っています。
上七軒は室町時代、北野天満宮焼失時にその廃材で作られた7軒の茶屋街が起こりと言われ、染織の街「西陣」を背景に栄えてきました。現在でも風格ある建物が並んでいます。
上七軒の舞妓は格式を誇り、目の肥えた西陣の粋な旦那衆は、厳しく仕込まれた上品で芸達者な舞妓達を愛してきました。また旦那衆が商売柄、お座敷着にはうるさかっただけに、その衣裳の素晴らしさには特筆すべきものがあります。衣裳自慢の舞妓達の絵姿を是非お楽しみ下さい。


上七軒の紋章
5つの団子をモチーフとした上七軒の紋章は、太閤秀吉の北野大茶会に奉納し、大変喜ばれた御手洗団子が由来と言われています。
 point舞妓になるには?

舞妓とは芸妓になる前段階のことです。
舞妓は全員「お茶屋(ちゃや)または置き屋(おきや)」と呼ばれる館に住み込み、まず半年〜一年間の「しこみさん」と呼ばれる見習い期間を経たのち、「店出し」(みせだし)という一人前の舞妓としてのおひろめが行われます。
昔はわずか12〜3歳の少女でしたが、現在では義務教育や法律などとの関係から、中学卒業後15〜6歳から始める場合が多いようです。

なりたい人は多くとも大変厳しい世界。芸妓までになるのはとても難しいようです。
慢性的な人不足から、なんとネットでも舞妓を募集中とのこと。
興味のある方はのぞいてみてはいかがでしょうか?
 point伝統としきたり

舞妓には季節や年齢に合わせて、非常に多くのしきたりがあります。
その都度さまざまな行事が行われ、それと共に華麗な衣装、装身具も大きく変化していきます。

例えば舞妓になってから一年間は、あごの下まで下がった花簪(はなかんざし)を付け、下唇にだけ紅をさします。髷(まげ)も最初は「割れしのぶ」(われしのぶ)ですが、次第に「おふく」に、半襟(はんえり)も赤から白に変わっていきます。

その他着物・襦袢(じゅばん)・帯留めなどの小物類にいたるまで、すべてが細かく工夫され、様々な約束事が決められています。
 point季節のモチーフ

花簪のデザインは季節感に合わせて、一月は松竹梅、二月は梅、三月は菜の花というように、 毎月変えられます。着物や帯の柄などにもこれら季節のモチーフが使われています。
作品タイトルを参照しながら、是非探してみて下さい。

旧暦(よみがな)
主なモチーフ
 
正月
稲穂、干支飾り
1月
睦月(むつき)
松竹梅
2月
如月(きさらぎ)
梅・水仙
3月
弥生(やよい)
菜の花
4月
卯月(うづき)
5月
皐月(さつき)
藤・あやめ
6月
水無月(みなづき)
7月
文月(ふみづき)
うちわ・祇園祭用の飾り
8月
葉月(はづき)
すすき
9月
長月(ながつき)
ききょう
10月
神無月(かんなづき)
11月
霜月(しもつき)
紅葉
12月
師走(しわす)
もち花に顔見せのまねき
 point上七軒の季節行事

上七軒で行われる季節行事のいくつかをご紹介しておきましょう。

始業式
正月、上七軒歌舞練場にて「始業式」が行われます。
黒紋付で正装した舞妓・芸妓が一同に会し、年頭の決意も新たに素囃などが演奏されます。

節分会
毎年2月、北野天満宮にて舞が奉納され、無病息災を願った豆まきが行われます。

梅花祭
梅花祭は毎年2月25日、北野天満宮にて菅原道真公の祥月命日に行われる祭典です。
北野天満宮には大変素晴らしい梅園があり、見慣れているはずの私も春が来る度に、その規模と花の種類に驚かされます。
満開の梅花の馥郁たる香りの下、上七軒の芸妓舞妓総出にて、華やかな野点(のだて)が行われます。

北野おどり
芸の確かさでも知られる上七軒。
駅や街角で見かける告知ポスターなどで有名な「北野おどり」は、芸妓舞妓の舞踏公演です。毎年桜の時期、4月15日〜25日・上七軒歌舞練場にて行われます。

夏期限定ビアガーデン
毎年夏(七月初め〜八月末まで)上七軒歌舞練場の庭にて、ビアガーデンが開かれます。
舞妓や芸妓が実際にテーブルについて、接客をしてくれる貴重な機会です。もちろんどなたでも入場することができます。
白塗りの化粧にひきずりの着物とは全く違う、夏らしい浴衣姿を見ることができるのも楽しみの一つです。

寿会
10月初旬の5日間、舞、上方唄や長唄などが披露される「寿会」が行われます。「北野おどり」の秋版とも言えるでしょう。
 pointおしまいに

このように花街の女性達は、古い伝統としきたりを守りながらも、私達と同じ時代を生きています。
人形のように着飾っていても、中身は生身の人間。もしかしたらその見た目と現実とのギャップこそが、私の創作のエネルギーとなっているのかもしれません。
今後とも是非このテーマを追及していきたいと考えております。
icon