[music0031] [0031→0040] pravda@mac.com ←(感想などこちらによろしく。)
世界中の全国のMacユーザーの皆さん。よかったね。ほんとうによかった。おめでとう!いやー、なんだかんだ肩身の狭い思いをすることもありますが、やはり信じていれば、こういうことがある。我々は非常にいい感じの「こっち側」にいるということです。この会社の人たちはこういうものを開発するんです。これはもう、音楽ファンとしてほぼ完璧なデバイスです。ただの機械ではないのです。心がこもっているのです。
ここに書いているように、小型のmp3プレイヤーというのはなんせ便利。本気の音楽ファンとしては、今まで手に入れたたくさんの音源の中から、いかに簡単に今聴きたい曲を選んで聴くか、がとても大事になってくるもんなのですが、今のところパソコンとmp3プレイヤーをいうものを使うことがその理想に一番近いのではないでしょうか。
「別の部屋にあるCD棚から聴きたいCDを選ぶ→
取り出す→
プレイヤーのある場所まで移動→
CDを取り出す→
セットする→
自分の好きな曲を頭出し→
そして聴いた後、また逆の作業でCD棚にCDをしまう。」
こんなことを「この曲が聴きたい!」と思ってすぐに出来ませんし「あー、聴きたいけどめんどくさいなぁ、また今度にしよう」、ってな感じになっちゃうことが多い。
この呪縛から逃れようと、MDが発明されたときに好きな曲ばかり集めたベストMDを作ったりしていましたが、これまためんどくさい。カセットテープよりはましだけど、まだまだダルイし、なんせ曲名を打つ手間なんかものすごいもんね。
で、「家中のCDの好きな曲をアルファベット順にベストMDにまとめる計画」は「C」の途中で断念。全部で5枚ほどになりましたか。それでも良くやったと思いますが...。
そんな後に今のPowerBookを買い、mp3を楽しめるようになり(それまで使ってたオールドMacではmp3の再生さえできなかった...)、持ち歩ける小型mp3プレイヤーも手に入れて「やっと好きな曲をいつでも気軽に聴けるようになったなぁ」となったのでした。
この小型mp3プレイヤー「KANA 21」でも、充分好きな曲を好きなときに楽しめたのですが、いくらセレクトした30曲でも、1日か2日何度も聴いていると入れ替えたくなる。その度に128MBのメモリーに入れられる約30曲を選んでコピーするのがだるかった。この「自分の聴きたい曲を選ぶ」という作業はとっても楽しいことなのですが、プレイヤーをMacにつないで認識させ、そのディスクに、選んだmp3のファイルをコピー、という作業はやっぱりめんどくさかったのです。
という時に、発売されたのがこのiPod。基本的には今までのmp3プレーヤーと同じものなのですが、さて、どんなところがすごいのでしょうか。
1)大容量の5GBのハード・ディスク内臓。ということは、1000曲以上登録できる。CD100枚を持ち歩く、という感覚。
2)その大量の曲の中から聴きたい曲を選ぶのがとっても簡単なインターフェイス。Macのメニュー / iTunesを使う感じで、好きな曲にすぐたどり着ける。
3)一回充電すれば10時間連続再生可能。
4)Macにつなぐと、MacのiTunesで登録しておいたリストの曲と自動的にリンクしてファイルがコピーされる。ほんとに、1本線をつなぐだけ。
5)音飛び防止機能がたしか20分。
6)手のひらよりも小さいサイズ。重さも128g。
7)mp3以外の種類の音ファイルも対応しているので聴けるし、設定によってはふつうのデータを保存するハードディスクとしても使える。
それぞれを今までのものと比べると、
1)僕が今まで使ってたmp3プレイヤーだと、30曲しか入らないので、その時その時で曲を入れ替えていた。でも、これだけの大容量だと、ほとんど好きな曲を全部持ち歩けるという気がする。毎日いちいち選曲しなくていいということで、これは楽です。
2)色んな携帯mp3プレイヤーがあるでしょうが、たぶん一番使いやすいんじゃないかな?片手に持って、親指で真ん中にある大きなスクロール・ホイールをくるくる回して、メニューをたどったり、音量を調節したり。非常に素早く、使いやすいです。素晴らしいデザイン(設計)。
3)これも、僕が今まで使っていたやつとの比較なのですが、ふつうの単4電池2本で、3時間ぐらいもちました。なんせ通勤に一日4時間かけているので、一回電池入れ替えて、一日もつかどうかという感じ。いちいち毎日電池を買っていてはもったいないので、充電できるのを買って毎日家に帰ったら充電して...。というのを繰り返していたのですが、充電し忘れて次の日聴けなかったり、けっこう辛かった。それが、Macにつないだら勝手に電源も供給されて充電されるというシステムで、しかも10時間もつので、こういった電源についてほぼ気にしなくてもいいと。これはかなり楽です。
4)FireWireという規格のケーブルでMacとぽん、とつなぐと、MacのiTunesというソフトが勝手に立ち上がり、自動的に特定のソングリストとiPodがシンクする。1曲(だいたい4Mぐらい)が1秒ぐらいでコピーされる(!)ので、ケーブルつないでしばらく放っておくと、ほんの何10秒かで出来上がり。流れとしては、「買ったCDをMacに入れて、聴きつつmp3に変換
/ 登録(CDの総時間の約半分ぐらいで変換される)→iPodに入れたい曲を登録しているソングリストというフォルダーに、そのmp3を入れる(これはもう、一瞬の作業)。→iPodをつなぐ→勝手にコピー。」という感じ。これでもう、どこでも聴けるわけです。
5)20分以上、ハードディスクがエラーをおこすほど続けて動き回るのはふつうムリ。ということは、ほぼ音飛びしないということ。
6)ズボンのポケットにでも楽々入る大きさ。どこに5ギガも入っているのか?と不思議なぐらい。
7)ちゅーことは、自分がよく使うシステムやアプリケーション、ファイルなどをiPodに入れておいて持ち歩き、どこかでMacが借りれたらそれをコピーして、自分の作業ができるということ。出先でMacが借りれるとわかっていたら、PowerBookなんか持って行かなくてもそこで自分の仕事が出来るのですな。
「mp3+iTunes」のシステムで音楽の聴き方が変わったといっていましたが、それも家の中だけの話。僕のように毎日長い時間電車に乗ったり歩いたりしていると、そういう通勤時間にいかに好きな曲が聴けるかがとっても大事なことなのです。ボーっとしているだけになるのか、充実した時間になるか。こういう機械があるととっても助かります。もうホントにライフスタイルの問題ね。いつどれだけ手軽に好きな音楽にふれられるか?ということを大切に思う人なら、このシステムはほとんど完璧です。
この環境を実現する条件は「9.2.1以上のシステムと、内臓FireWireポートを持つMac」+「iPod」が必要というだけ。実は僕のPowerBookは内臓FireWireポートはない機種なので一瞬あきらめかけたのですが、PCカードスロットに電源供給のあるFireWireのカードをつけたらいけました。もしこういう環境にいない人(Winユーザーとか古いMacを使っている人とか)でも、この「iTunes+iPod」というリスニング・ツールのためだけにでも、最近のMac+iPodを買ってもいいと思いますよ。こんなに便利なものはない!と断言しましょう(今のところは、だけど)。
もう一度いいますが、「Macユーザーでホントによかった」です(笑)。
「選ばれてあることの恍惚と不安、我にあり」といった人がいましたが、僕らMacユーザーにとってのこのシステムは「幸せすぎてこわいわ〜」ちゅう不安があるだけなわけだ。はははは!あー、愉快愉快。○○○の人たち、ざまーみなさい。(と、またまたイヤミなことを書いておわり。)
01.02.2002
この前知り合いに、ある文脈で「pvさんはもう、あっち側に行っちゃった人だから」と言われたのだが、それについてもっと考えたら日頃感じているモヤモヤがうまく溶ける気がしたのでじっくり考えて言葉にしてみた。別にこの人に対するイヤミでも何でもないですので誤解なきよう(その言葉がきっかけになってこの文章を書いてみたら自分でも考えがすごくまとまって、結果的にはとてもよかった。その方には感謝いたします)。
この言葉は、音楽好きの友達(僕にはそれ以外の友達はいませんが)と何人かで話していたときに出た言葉。もちろん僕の友達だからして「ある分野についてムチャクチャ熱い」人で、ものすごく音楽に詳しい。で、僕が「最近韓国の音楽でしかびっくりしない」というようなことを言ったあと、こういうつっこみがあった。
わかる。そう言う気持ちはよーくわかる。僕もK-POPを聴いたことなかったら、そう思ってただろう。それにこの言葉は間違ってない。あえていうと確実に「あっち側」にいます。
しかしちょっとニュアンスで気になるのは、やはり「アジアの音楽=ただ英米や日本の音楽の影響下にあるB級のもの」みたいにとらえているのが見えるところだ。これは、彼が特別どうということじゃなくて一般的にこのような認識がされているということなので、その点はご注意くださいね。
で、おそらく5年前ぐらい前まではホントにそうだったかもしれない。「中国のほうの人って、歌うまいよねー」というレベルで、その言葉は当たっていただろう。そのへんをまず打ち砕いたのが「恋する惑星」で日本でも「かっこいいアジア人」として認識されたフェイ・ウォン。で、そのとき「歌、うまいぞー。こんな人たちの歌聴いたら日本の歌手なんてへたで聴いてられないよ」という中華ポップファンが増殖し、一つのファンの種類を形成した。「歌唱力による中華圏ポップ・ファン」。僕はただこの中には入っていたくなかった。何故なら、歌がうまいというだけでは、僕は感動できないから。歌手にとって歌唱力はほんの一部の要素で、その他いろいろのものが集まって感動は生まれると思うからだ。
かつてのフェイ・ウォンがすごかったのはその歌唱力はもとより、数々の実験的な音楽を「ポップ・アイドル」としての立場でやってきたところで、わかりやすい事柄で言えば「ジャケットに自分の写真を出さない」とか「どこの国の言葉でもない造語で歌う」とか「売れる売れないに関係なく質の高いものをやる」という「脱中華歌謡界」的なことをトップの座にいながらバシバシやっていたところなのだ(それは元夫の北京の天才アーティスト「竇唯(ドウ・ウェイ)」とコラボレートしていたからで、彼と別れた後は「アーチスト」から「ただの歌うまい歌手」になっちゃいましたが...)。
そしてフェイ・フェイの失速後の香港・台湾・中国音楽界は、10年前からの大物歌手がいまだにチャート上位に君臨し続け、「ユーロダンスもの」か「バラード」やっときゃ売れるのでそんなのバッカし。中国語の響きの良さと歌唱力の高さ以外はなんのオリジナリティーもない「予定調和の世界」がもう何年も続いている。そんなところの印象で、「アジアもの=偽物」という固定観念が定着し、いわゆる洋楽ファンは隣のアジアを横目で見つつ、せいぜい「けっこう歌うまいらしい」といった感想を持つぐらいにとどまっている。
で、韓国ものについてみんながいまだに持っている印象はおそらくこの程度:
・日本で活躍している演歌歌手のもつ(もちろん技としてのイメージだが)「故郷から離れた哀感=うらぶれたイメージ」
・そして例の「ポンチャック」ブーム。
いかにも人を食ったあのハイパー演歌は、韓国でも一般人が聴いていると恥ずかしいという「年輩の一部の深夜労働者」のための「カンフル音楽」的なものなのだが、その「眠気ざましパワー」を面白がった廃盤解放同盟とかあのへんの人たちのおかげで「ミュージック・マガジン読者」のような音楽ファンに強烈に「ダサかっこいい」的な印象を与えてしまった。もちろんあの「イ・パクサ」も健在で、この方面もすごいのだが。
でも、それだけだと思ってませんか?
英米や日本の音楽ファンが根強く未だに持っているこのへんの知識の無さから来る偏見を一言でまとめると「アジアものは英米や日本のものよりも劣るが、けっこう歌うまかったり、変で面白い。」ってなとこか。
これを書いていて自分でものすごーく納得できたのだが、無知ゆえにアジアのポップスにこのようなイメージを持っている人っていかに多いか...。悪いことではありません。バカにする気もありません。ただただ、「おしいな」「もったいないな」もっと言えば「かわいそうだな」とまで思います。特にすごい音楽をいっぱい知っている、ホントに音楽好きな人たちならなおさら。「無知は罪なりや?」「いーえ。でもかわいそう」。
僕がこういった人たちに、かわいそうとまで言うのは、それを言いきれる絶対的な確信と知識、認識と哲学を持っているからで、「あっち側」に来れたのは、たまたまついた仕事がこういうものに触れる機会のあるものだったから。ほんの偶然です(こういう仕事というのはCD店のワールドミュージック担当のこと。同じ立場でもぜんぜんこのへんを気にしていない○○な人もいますが)。ですが、この偶然がなかったら僕も「そっち側しか聴かないやつ」だったのか、と考えると恐いな。
ではこの確信の部分を説明していきますね(ここからが本題)。
時々[music]や[diary]でも書いてますが、こういう仕事をしていると、そのためにほかの人よりも気付きやすいことがある(もちろんこの仕事に就かなくても気付いている鋭い人もいますよ)。
「なぜ英語圏以外の音楽は日本(や英語圏の国々)であまり紹介されていないのだろう。」
ということだ。いいですか、英語圏の人口は多いし、多けりゃすごい人のいる確率も高い。「すごい人含有率」が高い。だから必然的にいい音楽を輸入するとき、英語圏のものが多くなる。「当たり前だろ、いいものが多いんだから。英語圏の人たちが一番すごくて、それ以外は全部そのマネをしているのだから。」「アメリカのヒット・チャートが世界基準なんだから、すべてのポップ・ミュージックはそこから広がってるの。」というような認識と「その権威の下で、そこに近づこうと長年努力してきた日本の音楽も、質が上がって来た。最近の邦楽は洋楽に負けていない。」「言葉がわかる邦楽のほうが聴きやすくていい。内容も負けないくらいになってきたし。」
なんていうぐらいの認識。
皆さんもこんな狭い世界の中であーだこーだ言ってませんか?もちろん僕も長い間そうでした。この仕事に就くまで。英米と日本、ヨーロッパ(といってもせいぜいフランス、イタリア、スペインぐらい)、そして南米(ラテン)のものぐらいしか聴いていなかった。それが全部だという感覚の中にいた。ああ、恐ろしい(そのほかいわゆるワールド・ミュージックという「その他の国のもの」というジャンルがあるのだが、これについてはちゃんとそれぞれの専門家がいて、いろいろいいレーベルもあって紹介されているので、今回は省略。←しかしこういうものとて、英米やフランスの音楽インテリ的な人たちが、そういった人たちのニーズに応えるために「いかにもそういう人たちが喜びそうなもの」を紹介しているだけなのだが...アメリカやイギリス、フランスのほとんどのCD店のワールドミュージック・コーナーにはアジアのコーナーは無いしね←あっても日本のものがほとんど)。
なぜそれほどアジアのものが紹介されないか?それはもう「政治的・経済的な背景から来る差別から」ですよ。それだけ。終わり。
...と終わってもいいくらいなのだが、実に巧妙にこういった政治・経済的な事情が関係しているのである。戦時中敵国の音楽を聴いてはダメとかそういうレベルで。戦争に勝った国や経済的に豊かな国は強く光り輝く。そのイメージの下にあるものだけが金になる、ってとこでしょうか。
いかにもそういった差別とは別世界のような雰囲気を漂わしている業界ではあるが(音楽が世界の壁を越えるとかね。よく宣伝文句に出てきますよね)、その実ほぼ英語圏の企業が巨大な力を持ち、世界に君臨している。
もちろんその音楽の持つ音楽性の高さ、ポップさなどにも関係しているのだが、いくらものすごい音楽が英語圏以外にあったとしても、アメリカやイギリスで大ヒットしないと「世界レベルでは無いのと同じこと」になっちゃうように出来ている。それはもう、大企業がヒット商品を独占して世界中の売り上げを自分のものにしようと思っているからで、当然といえば当然のこと。日本って、自分たちは英米側から「あんな国に世界レベルでは何もいい音楽がない。猿まねやってるだけ。言葉もわからんし」って差別されてるのに、自分たちはその「英米の考え」までマネして、近隣のアジア諸国のことを「何もないもの」って思ってるんですね。差別されている側のくせに、より差別を重ねるような構造になっている。そして、その上塗りの差別によって「僕らはこっち側。英米に近い側なんだ。アジアの音楽なんてださいよ。」っていう幻想を得ているわけだ。自分は知らないうちにその人たちに抜かれているのに。あー、かっこわるい。
でもねぇ、なんかそういうのに毒されて「英語圏(で紹介されているもの)と自分の国のもの以外はロクなものがないだろう」って思ってるのって情けなくない?ほんとにそれ以外の音楽って、猿まねのニセモノのレベルの低いものばっかりだと思う?...なんとなく、そう思うよねぇ。僕もそうだったからよくわかる。でも、あなたの予想を大幅に上回ること確実な、ものすごいポテンシャルが韓国の音楽にはあるのだ。それは断言するぞ。
ただでさえ、これだけの数の古いものから新しいものまでいっぱい聴くもののある英語圏や日本語の音楽の中で、その中からいいものを探して「これよかった、あれよかった」ってやってるだけで充分楽しいし、それ以外のことなんかするヒマもないんだろう(ついでに書くとそういう人たちも、今いいものがないから昔のものを掘り返してばっかりだが)。それもよくわかる。「それ以外にいくら良い音楽があったって、別にどーでもいいい」って本気で思うなら、もう結構。ここから先は読まないでよろしい。一生そういったことを続けてください。それはそれで楽しいだろう。僕はもうそれだけでは満足できませんが。
そう、もう「あっち側」のすごさを体感したら、「こっち側」のものだけでは満足できません。それほどすごいものなのです。と書くと、「そりゃー、マニアにはたまらんもんだろうよ」というようなリアクションが予想されますが、これは違います。元々が「マニア向け」に作られたものではなく「彼の国では主流」というものだからです。マニアというのは「メインストリームにならなくてもいい。ただ好きなことをやる!」というインディペンデントなアーティストの作品(か、メインストリームでやろうとして何らかの原因で失敗したもの)を、その心意気に共感する少数の人たちがもてはやす、といった図式の上にあるものだと思うのですが、しかしその「英語圏の巨大なポップマーケットの中で埋もれたものを掘り起こす作業」というのも「しょせん英語圏の世界の中だけでやってること」でしょう?(こういった作業に喜びを見いだす人がいるのは、その元の世界が大きいからで、「それに対するアンチ」というのは当然出てくるわな)。僕が違うといったのは、韓国のポップスが好きというのがマニアックと言われる原因は、ただただ「音楽とは関係ない政治・経済的な過去によって情報が伝わりにくくなっていることからきているだけ」だということです。大国同士・大企業同士の都合で大きな力が働いて、「ある場所で、別の場所にある良い音楽が聞き難い状況」になっている。たまたまそういった力が覆っている幕の隙間から「無いこと」になっている良いものを知った僕のようなものが「あっち側」と呼ばれるんですね。これはもう「状況の被害者」といってもよさそう。ちょっと大げさですが。
さて、こういうことをうだうだ書いているのは全てK-POPが持つ音楽性の素晴らしさを「色眼鏡無しで」聴く人が増えたらいいのになぁ、という動機からで、別にこういうすごいものがなかったら、わざわざこんな理屈こねたくもありません。しかし、このホーム・ページの[music]のところでわざわざ英米仏などのものと韓国のものを全く一緒に並べているという理由もそうなのですが、韓国のポピュラー・ミュージックは英米のものと全く同じかそれ以上の音楽性を持っているものなので、「英米日仏伊、アフリカ」ぐらいの国にしかそういう「オレが聴いてもすごいと思う良い音楽があるはずが無い」と思いこんでいる人たちが、歯がゆくてしょうがない。このホーム・ページを読んでたまにニヤッとしているようなあなた!あなたたちにこそ本当にぜひ聴いてもらいたいのだ。
ここまでは、「政治・経済の諸事情」を理由にアジアの音楽が聴かれにくい理由を書いてきたが、ここからは「K-POPの持つもう一つのハードル」について書きますよ。
韓国の芸能界は「アイドル / ダンスもの / ロック / メタル / ヒップ・ホップ / R&B」など様々なジャンルのものが、全く一緒の土俵で紹介される。土・日にあるテレビの歌謡番組にはそういったジャンルのアーティストたちが、新人・ベテランなど皆こぞって出演し、順位を争ったりする。全てが「歌謡」という音楽芸能界の中に含まれるのだ。一部のインディーのフィールドで活動するアーティストたちを除いて、全員がこの「歌謡界」でしのぎを削るわけである。ここでは「本格的にロックを追求するアーティストもポップでなければいけない」し、「ただ言われたとおりに歌っているアイドルもうまくなければいけない」し「バリバリのヒップ・ホップ野郎でも、民謡のフレーズを使ったり、皆で口ずさめるようなポップなメロディーの曲を用意する」。「最終的にポップでクォリティーの高いもの」が求められるこの状況では、アーティスト全員がそれをクリアするものを用意して勝負するのだ。そしてこの世界では「芸人」としてのルックスの良さやダンスの巧さも重要視される。ものすごい難易度だ。
我々日本人がこのK-POPの世界に初めて触れるときに感じる驚きはまずこのへんの違和感から来るものだ。「なんでこんなアイドルがこんなに歌うまいの!」「なんでこんなにバリバリのヒップ・ホップなのに、こんなにポップなの!」という感じ。で、そういうアイドルたちが持つポテンシャル、そのレベルの高さにビビるわけ。そんな体験、めったに出来なくなっている「すれっからしの音楽ファン」ほどこの衝撃は大きい。
K-POPにドカーンとはまっている人には、昔から色んな音楽を聴いている音楽マニアが多いという話をよく耳にするが、これは本当にうなずける話である。韓国もののCDを扱っている問屋さんの社長さんも、その右腕のスタッフの方もものすごいジャズのマニアであるらしいし、僕の職場に来て下さるアジアもののファンの方も「アジアものでなんかいいのありました?」「そうですねぇ、最近入ったのは...。」てな話からちょっと話がそれるとオールジャンルを昔からたくさん聴いているような人だったりする。そしてそういう人たちは、英語圏や英語圏で紹介されるその他のワールド・ミュージック、日本の音楽にもう、飽き飽きしている。世界の音楽界の現状を見たらそうなるのは当然。「なんかいいのないかな」とフラットな気持ちでいつも良いものを探しているそういう人たちは、K-POPにちゃんとたどり着いているのだ。これも当然といえば当然。「すごい音楽が聴きたくて、すごい音楽に出会う」という当たり前なことがここで起こっているのだが、なんだかアジアものに関しては音楽性とかいうところが「語られるほどではない」という先入観が大きく、無視されているのである。
さて、第2のハードルとはここである。僕が前世紀(今のところ今世紀においても)最高のアーティスト集団だとギャギャー騒いでいるH.O.T.(エイチオーティー)というグループだって、どこからどう見てもスマップ・タイプのアイドル・グループなのである。ぱっと見は。しかし、全員が名曲の数々を作詞・作曲し、日本のアイドルの誰よりもうまく歌い、踊り、社会的なメッセージソングを物議を醸し出しながら発表し...、と日本の難しい顔しているアーティスト気取りのやつらが逆立ちしても一生到達できないようなところにまで、若干20才そこそこで行ってしまっているのだ。で、もちろんH.O.T.だけでなく、こんなやつらがごろごろいる。例えばホイットニー・ヒューストンぐらいの歌手は千人、ミーシャぐらいだったら1万人は絶対いるね。つんくは5人ほど(笑)。でもつんくは絶対にK-POPを研究して真似ているのですが...(ここには書きませんが証拠あり)。尚かつこの人たちはただのマネではなく、この国独自のすごい伝統的な音楽文化をちゃんと継承しながら、英米・日本などの音楽を吸収しつつ、一般の芸能界でものすごいレベルの音楽を作り出しているのだ。
そして恐ろしいのが、僕が真剣に感心し感動し人生を狂わせるほどの作品を作っているそんな彼らの音楽が、韓国ではほとんど10代の女の子にしか聴かれていないというような状況である!これは、どういうこと?これだけのものすごい音楽を、日本でいうとスマップのファンよりも低年齢の子供たちだけが聴いているのだ。僕はホントにこれが恐ろしい。「H.O.T.は若い女の子向けの音楽だから」という常識が韓国内であるとして、それが「低レベル」という格付けだとして、それがこのレベルなんですよ...。なんというスキルの高さ。もちろん、スマップと同じように比較される「バックストリート・ボーイズ」なんかと置き換えても同じ。もう、何度でも書きますが「音楽性のレベルがものすごく高い」のです。アーティスト側も受け手側も。
話戻すと、これだけの高い音楽性を持ちながらも「アイドル」だというだけで、それを好きだというだけで「あっち側」とか言われてしまうのだ。前に『もしアイドルがものすごい音楽性の高いことをやっているのだとしたら、僕はアイドル大好きです』と書いたし『ビートルズだって「4人はアイドル」だったのだ。』とも書いた。アイドルだ、アジアのものだというだけで頭からチェックすることもしない「音楽通」の皆さんは、ホントに音楽好きなんですか?「朝鮮半島には絶対にいい音楽はない、あってもオレらとは関係ない。オレたちはもっと高レベルの英米の側にいる。」ってホントに思ってるのですか?(何度も書くが、それって欧米人がアジア全体の音楽について思ってることと一緒だよね。)アイドルというフォーマットで作られた音楽は、絶対に聴くに値しませんか(あなたは当時ビートルズがデビューしたときに、音楽は聴かずに顔をしかめた大人と一緒なのですか?)そこんとこ、もう一度よーく考えてみたまえ。
もうね、断言するけど「ブラジルでボサノヴァを見つけたときのスタン・ゲッツの気分」です。K-POP好きの人間たちは今。「こんなにすごい音楽をこんな国でやってるやつがいる。こんなところにこんなにすごい音楽があると皆思ってもいない。先に見つけた!やったー!」てなもんですよ。まぁ、ゲッツさん(僕は大嫌い)の場合は「よーしこいつらを利用して一儲けできるぞ!」という考えになったわけで、そのへんは違いますけど。
とはいえ、こんだけサッカーとかにあやかっていろいろな大企業(SONY、AVEX、BMGなど)がこのすごい音楽に気付き、日本に紹介し始め、雑誌を見てもラジオを聴いてもK-POPについては語られることが多くなっている。僕なんかがこんなことを書かなくても、普通の感性を持っている人はちゃんとチェックしている。今の時点でこんなことを言ってるのは、遅すぎて恥ずかしいくらいである。
「西洋コンプレックス」や「前時代的な近隣アジア諸国に対する差別感」、「アイドルを見かけだけで判断する親父の心理」に支配されている、「こっち側の音楽通」たちよ。もう、そろそろちゃんと聴いてみろ。(10.18.01)
ヌーベル・シャンソン歌手。作曲家。俳優。フランシス・レイとも友人で、彼が音楽担当した映画「男と女」の主題歌「ダバダバダ」を歌っているのがこのバルーさんである。70年代に自らブラジルへ渡り、バーデン・パウエルらのミュージシャンと会い、まだ余り聴く人のいなかった「ボサ・ノヴァ」をフランスに持ち帰る(この時のことが映画「サラヴァ」になっている←ビデオも出てる)。フランスのシャンソンとブラジルのボサ・ノヴァの華麗なる融合を果たした偉い人です。彼の作った「フランス〜ブラジル」コネクションから生まれたスタイルが今も根強い独特の「フレンチ・ボッサ・シーン」の礎となっているのは明かだろう。
メインストリームからはずれた、しかし良いものだけをリリースし続けるレーベル「Saravah!(サラヴァ!)」の主宰者。ブリジット・フォンテーヌからドラジビュス(サラヴァの傘下のポポ・クラッシック・レーベルより)まで、広い音楽性をフォローするこのレーベルがリリースするアーティストには(良い悪い、好き嫌いは別として)しょうもない人たちは絶対にいない。「さすが、サラヴァだなぁ」というような人たちばかりである。
このレーベルの名前をそのままアルバムのタイトルにしたのがあの高橋幸宏。彼の1stソロ・アルバム「Saravah!」はフランシス・レイ〜ピエール・バルーらへのオマージュにあふれた名盤。その後スネークマン・ショウのアルバム「戦争反対!」に提供した「今日、恋が」という曲など、もろにこの路線の名曲。僕なんかは本場のフレンチものよりも、これらの作品の方を先に聴いていたので特にそう思うのかも知れないが。
その他のいわゆる「YMOファミリー」のアーティストの中にも、この人たちに多大な影響を受けた方が多く、いちばん顕著なのが大貫妙子の「ヨーロピアン3部作」といわれる「ミニヨン」「ロマンティーク」「アヴァンチュール」の3枚である。この3部作のプロデュースは坂本龍一、加藤和彦、前田憲夫らで「これぞヨーロッパ!」というものすごい音世界。全部名盤なのですが、中でも「アヴァンチュール」というアルバムの「アバンチュリエール」っていう曲はホントに名曲。これを聴くと周りの空気が変わります。
そしてそのほかMoonridersや清水靖晃らも含めたこのへんの日本人ミュージシャンと共に作り上げた上記の2枚のアルバム、特に「花粉」は僕にとっては特別なもので、聴くたびになんともいえない感動がわき起こる。なによりも人との出会いを大切にするバルーさん自身にとっても「自分の蒔いた花粉が、遠い外国で育ち、花開いている」という縁から実現したこのプロジェクトは特別なものなのではないかと思う。親日家(バルーさんの奥様=対訳をしてらっしゃる潮田敦子バルーさんも、息子のバンジャマンの元奥様も日本人だし)の彼は、「サラヴァ・レーベル30周年記念コンサート」を1997年10月京都日仏会館でも行い、「Bia 」「Francoise Kucheida」「Daniel Mille 」ら錚々たるメンバーを引き連れて来日。このときやっと念願の「生バルー様」を見れたのでした。その時にちょいと関係者の方の計らいでお話しすることができたのですが、僕の持っていった「ル・ポレン(花粉)」のCDのジャケットにローマ字で「mata, aimashou」と書いてくれたりして。いい思い出です。(今の時点での)最新アルバムのタイトルと同じく「一期一会」が彼の信条のようで、僕のような初対面のものにもとってもやさしい、いいおじさんでした。このサイン付きCDはウチの家宝でございます。
このころの「France→Tokyo Connection」のことを解説するとき、「マーガリンはバターよりおいしい?」とたとえた事がある。「オリジナルなものに似せて作ったニセモノが、いつしか本物と並んでしまった」というような意味で。日本のフレンチ好きなミュージシャンたちが、あこがれて真似をしていて、いざ本物と共演してみたら、ある意味「フレンチよりフレンチらしい」ものができてしまっていたというお話。こういう「それが好きで好きで、いつの間にか本物より良いものを演ってしまった」というアーティストって時々いるよね。こういうのが大好きなんです。オルケスタ・デラ・ルスなんかもそうだな。
なんといっても8曲目の「Pepe(パパ)」。この曲がもう、いちばん大好きなのでこのライブ盤に入っててすごくうれしかった。これぞ「あこがれを越えたジャパニーズ・フレンチ・シック」の極み。途中で入る女性コーラスが大貫妙子さんですごく特徴ある声なのですぐにわかりますね(ライブ盤では別の人が歌ってますが)。この曲ってリズムがレゲエなんだな。そういえば作曲者の加藤和彦さんの名盤「あの頃マリー・ローランサン」のタイトル曲も幸宏さんが叩くスカ・ビートだったな。この「レゲエ・ビートに、うわものフレンチ」ってのはこの人達の発明したハイブリッドなアレンジではないだろうか?そういえばこのころのYMOファミリーって、レゲエものがじつは多いな。幸宏さんの2nd「Murdered
by the music(音楽殺人)」の「I-Kasu!」とか「Kid-nap.the Dreamer」とかモロですね。ついでに書くとSandiiの1st「Eating
Pleasure」の「JImmy mack」もレゲエ・アレンジだし、「Drip Dry Eyes」なんかもう、バリバリのダブですよ(あっ、これも幸宏さんの曲だ)。
この「Pepe」という曲、「ル・ポレン」リリース当時にグリコのコーヒーゼリーのCM曲でバシバシテレビで流れていました。同世代の人なら覚えてるかもね。
とりあえずこのライブ盤、フレンチ好きは必チェック。バルーさんのお人柄あふれる「元祖ヘタウマ・ヴォーカル+MC」が「これでもか」というほど味わえます。清水靖晃のSAX&キーボードも素晴らしい(僕はマライアの大ファン&この方の「IQ
189」というアルバムはCD化してほしいリストのNo.1アルバム)。しかし!このライブは、はっきり言ってあんまり音もよくないしムーンライダーズってライブバンドとしてはあんまし上手くないし(失礼)、これを読んで、なんとなく気になって「初めてこんなの聴いてみようかな?」という人は、まず「ル・ポレン(花粉)」から聴いてみてください...といいつつ今現在、廃盤ぽいんですが。(01.8.16)
H.O.T、S.E.Sなどが所属し、韓国音楽界で大きな力を持つ芸能プロダクション「SM Entertainment(エスエム・エンターテイメント)」の社長イ・スマン氏には大きな目標があった。「日本進出」である。彼に限らず、我々の言う「Asia pop界(中国・台湾・香港・韓国など)」ではひとつの最終目的として「日本音楽界での成功」を設定している場合が多い。しかし幾多のエイジアン・ポップ・アーティストが、自国での大成功を納めた後に日本進出を計り、そしてうち砕かれてきた...。
本国でNo.1になったアーティストが日本進出する場合、様々な問題に突き当たる。まず言葉の問題。だいたいにおいて「そちらの国でいくらNo.1アーティストだとしても、日本語で歌わないと絶対に売れない」と日本のレコードメーカーに条件を出され、日本語を練習し、「まずは日本のアーティストとのコラボレートから」などということになり、当地では大スターなのに、少し落ち目になった日本の歌手との共演などさせられて、つたない日本語で一生懸命頑張る。しかし僕が知っている限り、今までにこれで成功した例はない。
この場合、このスターの日本のファンからは「あぁ、広東語で歌うこの人の歌が好きだったのに日本語で歌っちゃおしまいだよ」と嫌われ、それ以外の一般からは「あー自分の国で人気がないから日本に出稼ぎに来てるのねぇ」ぐらいにしか思われず、結局売れない。そしてその後、本国に帰ると「自分の国を捨てて日本にいった奴が失敗して戻って来よったわい」と思われ、その上たいがい日本で活動している間にライバルにNo.1の座を奪われ、元の位置には戻れず居場所がなくなって消えていく...。多少の違いはあるにせよ、このような事態を何度見てきたことか。
こういう事が起こる一番根底にある原因は、「日本人が他のアジア諸国の人たちに対してまだ根強く持っている差別意識」そして「他のアジア諸国の人々が持つ日本への怨恨」なのである。これはその原因となった様々な事件から何十年たった今でも、根強く残っている。日本と他のアジア諸国の間に横たわるその「見えない大きな壁」に阻まれ、大成功を納める夢は必ずと言っていいほど消えてしまうのだ。一部の演歌系歌手を除いて、この壁を越すことはまず無理だと考えられる。日本人が絶対にアメリカで成功できないのと同じように。
もちろん例外もある。そ例えばの特異なキャラクターを神秘的ベールに包むことによって「洋楽系」西洋人と同じようなイメージを作り、その壁を乗り越えた中国出身の香港の歌手、フェイ・ウォン。しかしこの場合、ゲームのイメージソングを「英語詞」で歌ったという事でほとんど「アジア人の『洋楽』アーティスト」としてのヒットだと分析できる。映画「恋する惑星」の成功があった後のことで、ちょっと例外だと思うのだ。その後アジアのアーティストとしては初の武道館単独公演を大成功させ、日本の歌謡番組やCMに出演し、2001年には日本のドラマにも出るという。この人やはり少し格が違う(2001年7月に出るそのドラマの主題歌はカジヒデキ作詞作曲による日本語詞のもの。賛否両論がわき出てくるだろう。むかしからのファンに愛想を尽かされ、新たなファンを増やすことになると予想される。ちょいと残念)。
そしてS.E.S。有能なプロデューサーでもあるイ・スマン氏が最初に日本進出を計ったグループである。その時の日本でのレコード会社が力不足だった感もあり、そこそこの評価しか得られなかったが、とりあえず一般に名が知れるほどの成功はした。そしてその後日本での活動を休止し、日本での経験を生かして本国でまた一応1位の座に返り咲いた。フェイ・ウォンと共に、ある意味上記のような日本進出アーティストパターンを初めて破った輝かしい例であろう。
イ・スマン氏は今までの「アジア歌手の日本進出」の失敗例を徹底的にリサーチし、S.E.Sよりも先にまずは韓国でNo.1の座に輝いたH.O.T.を日本に送り込もうと画策していたらしい。しかし「そんなレベルの高い『男子アイドル』が日本に来てはうちの子供向けアイドルのレベルの低さがばれてしまう』と(おそらく)考えた日本の某男子アイドル専門の芸能事務所に妨害され、あえなく断念。この事務所は日本国内の他の実力ある男子アイドルの活躍もかなり圧力をかけて邪魔をすることで有名。残念ながらその事務所の持つ力の大きさを考えると、今までほかの事務所は泣き寝入り状態になるしかなかった。そこで「女子なら大丈夫だろう」と用意されたのがS.E.Sだったのである。日本出身で日本語もできるメンバー、英語圏で生まれ英語のできるメンバー、韓国民謡歌手を母に持つメンバー(それぞれシュー、ユージン、バダ)に加えて(事情でデビュー前に脱退したが)当初は中国出身の女の子もいたという。そういういろいろな地域のバックボーンをもつメンバーを集め、それぞれの地域で活動ができるように最初から計画されていたのだ。そしてその後念願の日本デビューを果たす。その後は先ほど書いた通りである。
そして、その今までの数多くの失敗をふまえて、SM Entertainmentは「史上最大の計画」を準備した。その主役がこの14歳の女の子「Boa*」である。長い時間をかけて「日本進出」という目的に的を絞って英才教育を受けたサラブレッド。母国語のハングルはもちろん、インターナショナルスクールに通わせ、英語、中国語そして日本語までも話す。そして歌ももちろんだが特筆すべきはそのダンスのうまさ。ものすごい訓練を受けてきたものと思われる。踊りによっては「ビデオの早回しか?」と思うぐらいのものすごいテクニック。そしてそのダンスが、いわゆる韓国ダンスポップのスタイルではなく日本の「アクターズスクール系」のものだというところがまた周到なところである。現にスピードやマックスのダンスを振り付け、育てたこの手のダンスの第一人者である人物にダンスの訓練を受け、なおかつ日本語訓練もできるということで、デビュー前に東京で何ヶ月かホームステイまでしていた。日本で成功するための条件を徹底的にリサーチし、それに見合う訓練を完璧に積む。もう、ある程度の成功は約束されているといってもいい。(←2001年6月現在、「午後の紅茶b」「エッジ(携帯電話)」「カネボウのテスティモ」というものすごいCMタイアップもあり、もうその爆発が起こりはじめているところ...。)
2000年、韓国で1stアルバム[ID:Peace B]をリリースし成功を収めたあと、かねてから関係を深めていたavex traxと正式にタッグを組んで、avexからSM Entertainmentのアーティストたちを日本デビューさせる契約を締結(前々から「韓国のSM Entertainment」「中国・香港・台湾などアジア一帯に幅広く進出しているRock Record」「日本のavex」はアジアでのCDのディストリビューションをお互いに提携している仲である→例えば台湾で発売されているH.O.T.ら韓国のアーティストのCDにはこの3つのレーベルのマークが入っている)。そしてその日本デビュー第一弾がこの「Boa*」なのだ。そして、SM Entertainment所属の彼女の先輩たち「H.O.T.」「S.E.S」「神話(シンファ)」「Fly To The Sky」も次々とavexから日本盤(内容は韓国発売のものとほぼ同じと思われる)を発表する予定(←H.O.T.が事実上解散していたり、神話のメンバーが事情でいま揃っていなかったりと不安材料もいっぱいあるのだが、2001年6月6日にリリースの「K-POPベスト(K-POP 100%)」という、この4組の過去の曲から構成されたベスト・コンピレーションを手始めにリリースの告知は正式になされている)。
この子の日本での成功は昔からのアジア・ポップ・ファンにとって、とても大きな出来事だ。先日(2001年5月28日)出演した「Hey Hey Hey Music Champ」でもアジア人に対する違和感さえあれ、それを「なんかわかんないけどカワイイ」というように印象づけるようなキャラクター性がちゃんとアピールできていたように思う。この調子で出演を重ねて、ハマちゃんにどつかれてほしいもんである。韓国人として、悲壮感も暗さも漂わずハマちゃんにどつかれることができるのは、この子だけだろう。ここが大事なところ。「出稼ぎにきた娘」ではなく、あくまでも「今もっともホットな国『韓国』から世界に向けて飛び出してきたインターナショナル・アーティスト」ということなのである。日本盤に先立ってリリースされた英語+中国語ヴァージョンの入ったインターナショナル盤のタイトルは「Jumping Into The World」。イギリスで制作され、アメリカでも発売されたこのアルバムの存在も、日本でのデビューに向けての準備のひとつだと考えると、なにやら恐ろしい感じさえする。SM Entertainmentもavexも、半端ではない力を入れているのがよくわかる。「この子なら、あの壁を崩せるはずだ。そしてそのうえ新しい歴史を作るだろう」と見込んでの大プロジェクトである。
韓国でのテレビ番組などでは、「踊りは激しくて歌は口パク」のヴァージョンと、「踊りはおとなしめで歌は生。ブレイクで思いっきり踊る」というのと用意していたので、「Hey ×3」ではどうするのかな?」と思っていたのだが、「日本向けにアレンジされた少しゆったりしたダンスで生歌」だった。トークの面白さに加えて、このおとなしめのダンスでさえ、初めて見る人の心をつかむのに充分ではないだろうか。まだまだこの爆弾は本領を発揮していない。これからどんな爆発がどう起こるのか、そしてその爆発によって日本における「Asian Popの認識、K-POPに対しての意識」がどう変わっていくのか。Asian Popファンにはぜひとも見届けていただきたい。(01.6.4)
(これアップした時点では、「オリコン初登場20位」らしい。あーよかった!)
↓おまけのBoa*ちゃんの予定表。こんなにあるぞ、みんなチェーック!(ってこんなページのはずじゃないんだけども...。)
◆BoA◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●タイアップ
feel H" Sound Market CMタイアップソング
全国1500GRP絵音出演
5/1〜10、5/末〜6/上で10日間
●タイアップ追加!
NTV系 ZZZ「ろみひー」5・6月度エンディングテーマ
●初回特典決定!
スリーパターンピクチャーレーベル
●TV出演
全国ネットフルブッキングほぼ決定!
5/28 NTV「AX」(5/21収録予定)
6/1or8 ANB「ミュージックステーション」
6/2 TBS「CDTV」(5/21収録予定)
6/3or10 CX「ミュージックフェア」(5/19収録予定)
6/9 NHK「POP JAM」(6/4収録予定)
6/17 TX「MUSIX!」(5/31収録予定)
6/18 CX「HEY HEY HEY」(6/3収録予定)
●ラジオ
5月度TFMセレクション決定
FM横浜プライムカッツ、BAY FMパワープレイ決定
LF優秀新人賞決定(番組エンディング?)
他エントリー中
●雑誌
音楽情報誌だけでなく
マンガ、ファション情報誌、ティーン誌と幅広くアプローチ中
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