そのポイントを探すために、まずはタンチョウの生態を知ろう。
タンチョウの幼鳥(写真右側)どうしたら丹頂に出会えるのか?」釧路湿原についての質問の中で一番多い質問かもしれません。以前6月に茅沼周辺を歩いているときに、「茅沼駅に鶴がいるって聞いたんだけど、どこなの?」と車で来た老夫婦に聞かれたことがありました。
冬になると、牧場や給餌場では地主さんがえづけをしているので、丹頂のつがいがやってくるようになります。しかし、それはえさが極端に少なくなる冬だけの場合が多く、これ以外の時期は自力でえさを探し、湿原の中を動き回るというのが、タンチョウの一般的な生態です。
人慣れして出現率が高くなった?
このように、ほんの数メートル前に出現することは以前には考えられませんでした。 しかし、中には一年中えさを与えている地元の人もいて、文字通り「飼っている」ところもあったり、春から夏にかけても、子育てに失敗したつがいや若い(お相手を見つける前の)タンチョウが鶴見台や牧草地にいることがあります。ここ数年でタンチョウの数も順調に増えているためか、このような例も増えているようで、遭遇率が以前より高くなっているような気がします。
もともと警戒心の非常に強いタンチョウが人慣れしてきており、この2つの理由から、ここ数年で、冬以外の季節でも見られる確率は高くなっています。最近ではタンチョウが増えすぎていて、トウモロコシ畑のトウモロコシをついばんでいることもあり、増えてきたことによる影響も出始めています。
それでも確実にタンチョウを見たい場合には、10月〜3月の冬の時期に、地元の人によって餌付けがされている場所へ行くのが一番です。たくさんのタンチョウが結集する姿はまさに圧巻です。
タンチョウは渡り鳥ではありません。
現在釧路湿原を中心とする道東地域に生息する丹頂は「留鳥」で、渡り鳥ではありません。「夏はもっと北の方にいて冬の間だけ北海道に来ている」と思っている人もおられるようですが、それは違います。
江戸時代には多摩川あたりにも生息していたという話もあります。その時代には丹頂が住むための芦原や湿地帯が東日本各地にあり北海道やシベリアあたりを時期によって行き来していたと言われています。
しかし、このような場所が人間の開発によりなくなったことと、タンチョウの乱獲によって一時は絶滅したと言われていたのです。
それが大正時代になってキラコタン岬でひっそりと生息している丹頂が発見され、それ以降地元の人の熱意によって丹頂の保護が始まりました。現在では推定約1000羽以上の丹頂が釧路湿原を中心に生息しています。
釧路湿原以外の生活場所がなくなった今では、渡ろうにも渡る場所がなくなってしまい、結果として留鳥になったと考えられています。ここ最近ではタンチョウの数も非常に増えたため、釧路湿原周辺に住む場所が無くなってきています。そのため、普通では考えられないような場所で抱卵している例もあり、雛がうまく育たないといった事例も出てくるようになりました。
そういったこともあり、ここ最近では十勝や根室周辺にも生息地が広がってきています。
※上の写真:国道391号線のすぐ脇で抱卵するタンチョウ。車の通りが激しく、非常に環境の悪い中で雛を育てている事例の一つ。
タンチョウは増えても…やはり冬の給餌場がオススメ。
電線をぎりぎりで避けるタンチョウ。電線に引っかかって死んでしまうタンチョウがいるためタンチョウの飛ぶルートには黄色く色分けされた電線があります。 何はともあれ、タンチョウの個体数が激減してしまったのは、冬の厳しい寒さゆえ、この時期に餌をとることが難しかったからで、何とか丹頂が冬を乗り越えられるようにと、冬の間、地元の人々が餌付けをするようになったわけです。そこで、冬の給仕場に行けばたくさんの丹頂に出会えるというわけです。 次のページからはタンチョウを見るためのオススメスポットを紹介していきます。


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