北海道レンタカーの旅 2007

2007年6月30日 (土)

道東旅行に出かけてきました。

木彫りの魚

宿泊地は層雲峡→知床→阿寒→釧路。天候にも恵まれ、のんびり運転しながらいろいろまわってきました。

私は以前旅行先で買おうか迷った魚の彫り物を買わずに後悔したことがあります。小さいサケの彫り物なのですが、ものすごい精細な装飾が加えられており、その技術に感動しました。ただ、子どもにはかなり高い金額でして、当時なくなくあきらめたのです。小さい頃の話なのでその場所が道東のどこかとしか覚えておらず、ずっと出会うことができませんでした。しかし、今回、偶然その場所を通りました!見た瞬間、ここだ!と。

心躍らせながら見てまわったのですが、ない。魚がない。話を聞くと、なんでも彫師の方々が高齢になり、ほとんどの方がやめてしまったそうなのです。私が前回行ったのは15年ほど前だと思うのですが、その時代は皆が競い合って魚を彫っていたそうで、全盛期だったのこと。ショックのあまり絶句。

しばらく歩いてなんとなく入ったのが、おじいさんと若い人とのんびりとくつろいだ犬の店。くてっとのびた犬を囲んでお店の方としばし犬の話。そして奥に行くと、突然、目の片隅に魚が飛び込んできました。それはある作品の一部で、その魚がなんとも美しく彫られていたのです。魚の流れるような動き、精細なウロコの再現、ヒレのダイナミックさ。どれをとってもすばらしい。これだ。

その作品は2匹の魚と2羽の鳥が彫られたもので、価格が数十万。とてもじゃないけど手が出ない。お店の人に「この魚だけの彫り物ってありますか」と聞いたところ、残念ながらないとのこと。

おじいさんがその作品に近づき、しげしげと魚を見ているなと思ったその瞬間、突然、魚を引っこ抜きました!あぜんとして見ていると、この魚でよいのかと尋ねるのです。即答。

その魚は今、私の机にいます。「逃した魚は大きい」といいますが、実際大きかった。お店の方々、大切なものをありがとうございました。

旭川→層雲峡

1日目

多少曇ったある日、北海道レンタカーの旅に出発しました。

宿泊予定地は「層雲峡」「知床」「阿寒」「釧路」、その間をレンタカーで移動する計画です。昨年の北海道旅行は北海道一周旅行でしたが、今回は道東にしぼり、のんびりとまわる予定です。ということで、まず飛行機で旭川空港へ向かいました。

出発便

多少曇っていたものの無事旭川空港に到着。空港でレンタカーを借りていよいよ出発です。

まず向かったのが美瑛。

美瑛

ラベンダーはまだ7分咲きでしたが、他の花や若葉に囲まれて清々しかったです。この奥にのびる空間を見ると北海道に来たこと実感します。

美瑛から再び旭川に戻り、旭山動物園へ。

シロクマ

前回はあまり見ることができなかったシロクマ。同じ場所を同じ順序でまわる様子がコミカルで魅力的。アクリルの壁を足で蹴って方向転換するのですが、その蹴る場所もいつも一緒なので、あらかじめその場所に顔を近づけておけば、シロクマに顔面を蹴られる体験ができます。

衝撃的だったのが「フラミンゴはいつも一本足で立つわけではない」こと。写真は全員二本足で立つフラミンゴたち。

フラミンゴ

フラミンゴが一本足で立つ理由は、フラミンゴの足が長いために体温が下がりやすいからといわれています。一本足であると奪われる熱は半分になるからです。しかし旭山動物園で今の時期は十分に温かいらしく、フラミンゴとは思えない光景が広がっていました。しかし細い足。

ふと寄ってみたのがシカ。なにやら食事をしているようで、少しの間見ていると仰天。首回しすぎ。

シカ

その後、層雲峡へ。明日は層雲峡→網走→知床と移動です。

層雲峡→知床

2日目

今日は層雲峡から網走に抜けて、知床に向かいます。

まずはじめに向かったのが流星の滝と銀河の滝。写真は銀河の滝です。

銀河の滝

これらの滝は、滝の正面にある「双瀑台」とよばれる高台に登ると両方を一度に見ることができます。昨年は登ったのですが、今年は断念。そのかわり滝の下まで行き、川の水を触ってきました。

ひたすら網走を目指します。写真はおそらく北見の道路。

北見

昼には網走に到着しまして観光開始です。

昼食は回転寿司。北海道ならば回転寿司もおいしいに違いないと思い入りましたが、やはりおいしかった。網走産のホタテなど、地元の食材がずらりと並んでいました。値段も手ごろで大満足です。

次にオホーツク流氷館へ。館内では濡れたタオルを手渡されます。これを手に持って回していると徐々に凍ってきまして、下の写真のようになります。館内はかなり寒いので手が震え、なおかつ暗いので手ぶれ連続のなか、運よく撮れた写真です。

オホーツク流氷館

その後、知床へ。曇っていましたが水平線上には雲がなく、夕日を見ることができました。

知床の日没

ホテルで中野章さんの版画「朝陽流氷」を見かけ、シンプルで滑らかな曲線とあざやかで繊細な色使いに魅かれ購入しました。いつか冬に知床を訪れ、流氷とともに朝日や夕日を見てみたいものです。

明日は知床。

知床

3日目

今日は知床をまわります。

まず向かったのが「知床五湖」。ここには原生林に囲まれた五つの湖がありまして、それらを見て回る遊歩道があります。しかしこのあたりはヒグマの生息地域でもあるため、遊歩道付近にはよくヒグマが出没するそうです。いったん出没すると安全が確認されるまで遊歩道は閉鎖されるため、時期によっては、全ての湖または五つの湖のうち二つ目の湖までしか入れなくなります。昨年来たときには一湖と二湖のみであったので、今年こそはとはりきって出かけました。

結果、全てが進入禁止。泣く泣く展望台から一湖のみ展望。ただ、この日は快晴なうえに人もほとんどいなく、遊歩道の下にシカも現れるなど、のんびり思いっきり知床の景色や空気を味わうことができました。

知床峠

次に向かったのが、知床横断道路を越え、知床半島の先に向かって数km走ったところにある「マッカウス洞窟」。ここではヒカリゴケの群生を見ることができます。

ヒカリゴケ ヒカリゴケ

上の左の写真のマッカウス洞窟の奥に柵がありまして、そのなかにヒカリゴケが生えています。ぱっと見た感じでは何がヒカリゴケなのか分かりませんでしたが、しばらくうろうろしていると、ある角度から見たときのみ、そこにコケが見えることに気付きました。それが上の右の写真です。「ひかりごけ」の看板の下の左右に見える黄緑色の粒々が光っているコケです。ヒカリゴケはコケ自体が発光しているのではなく、外部からの光を反射しているとのこと。原糸体と呼ばれる個所が持つレンズ状の細胞がその役目を担っているそうです。

次の目的地は温泉。下の天狗石を横目に向かったのが「瀬石温泉」。

天狗岩

岸辺に石で囲った箇所がその温泉でした。手を入れてみると、なるほど、温かい。この日は穏やかだったので海水が流れ込むこともなかったのですが、風が強かったり満潮だったりするとすぐ海に浸かってしまいそうです。

知床・瀬石温泉 海と瀬石温泉

もう少し先の方まで行くと、ついに知床最東端。道がなくなります。店があったのでここで昼食をとったところ、記念の賞状をもらいました。その店にあった羅臼町の観光協会が作成しているステッカーが下の写真。センスのよさに感動して思わず写真を撮ってしまいました。

羅臼町のステッカー

しばらく散歩した後、地図を見ながら次の目的地を探すこと数分、サーモンパークに向かうことにしました。

少し進むと、行きにはなぜか見つけられず通り過ぎてしまった相泊温泉が出現。この温泉の温度はかなり高く、手を入れているだけでもつらいほどでしたが、水道?がひいてあるので入浴時には水を加えることができます。しかしそれでも熱いようでして、私が訪れたときに入浴していた方の体はすっかり赤くゆだっていました。相当熱かったそうです。

相泊温泉

ここは温泉と海の間に大きな岩が立て続けに並んでおり、温泉内からの眺めはあまりよくありません。ただ、屋根や棚があり、男女別であることもあって、瀬石温泉よりも利用しやすそうです。

次なる目的地サーモンパークを目指し、ひたすら運転しているときにふと気付いた交差点名。北海道はカーナビがないとつらい。

適当な交差点名

標津サーモン科学館にはサケやマスといったサケ科の魚が展示されています。マスに餌をやることもできまして、集団で餌に飛びつく様子は迫力があります。

巨大水槽 マスの展示

館内で上映されているビデオを見るまで知らなかったのですが、現在、日本の沿岸で漁獲されるサケは、そのほとんどが人工受精→孵化→稚魚まで成長した後で放流(孵化放流)されたものであるそうです。こうすることで、北太平洋で成長し、生まれた川へ戻ってくるサケの数を増やすことができるそうです。が、衝撃的であったのは、これら孵化放流事業のために、標津川など多くのサケが帰ってくる川では河口ですべての鮭を捕獲してしまうこと。下の写真がその捕獲のために設置されたゲートです。

ゲート

自然産卵を行うサケはほとんどいないとのことで、少し気の毒な気もしてしまいました。

また、館内にはなぜか「ガラ・ルファ」「ガラ・リンリンクス」、別名ドクター・フィッシュとも呼ばれる人の角質を食べる魚がいます。水槽は床に置いてあり、その水槽の中に手足を入れることでドクター・フィッシュに角質を食べてもらうという体験ができるのです。角質を食べる様子はオトシンクルスがコケを食べる感じに似ており、突っつかれているというか噛まれているというか、はじめはくすぐったいのですが次第に慣れ、快感になってきます。しばらく食べてもらった後、その場所を触ってみると確かにすべすべしています。これはよいと両足を水槽に入れ、食べられ放題。ぜひわが家でも飼いたいと思ったのですが、この魚、かなり高価なんですね…。

ホタテ中止

私の大好きなホタテが貝毒発生ということで食べられませんでした。夏が近づき水温が高くなるとホタテの生息海域に有毒プランクトンが増え、それがホタテの体内に蓄積されることが原因のようです。この毒力はフグ毒にも匹敵するとか。

途中下車

その後、根北峠経由で知床に戻りました。明日は阿寒。

知床→阿寒

4日目

今日の目的地は阿寒です。

まず、摩周湖の北に位置する「神の子池」に向かいます。聞くところによると、池の水がエメラルドブルーで神秘的とのこと。快調に摩周湖斜里線を走っていると神の子池を示す看板を発見。そこを曲がり、砂利道の林道を走ること数km、駐車場に到着しました。

神の子池の駐車場

写真の中央の小屋がトイレ、他には何もありません。

神の子池から流れ出る川 神の子池から流れ出る川の魚

奥へ進むと浅い池?川?が現れます。この川はすごく澄んでおり、泳いでいる魚がすぐそこに見えます。けっこう大きめな魚もいて、水面に寄ってくる虫を食べるべく、ときどきジャンプしていました。そしてもう少し奥に行くと、ありました、神の子池。

神の子池

エメラルドブルー!。水深5 mとのことですがかなり浅く見え、倒木や魚もはっきりと見えます。池の底からは煙のように水が湧いています。すばらしい…。

次に目指すは硫黄山。道を少し戻って到着。

硫黄山

硫黄山の広々とした空間はいつ来てもすがすがしいものですが、クルマを降りる前から硫黄の匂いがします。この匂いはけっこう苦手。風向きによってコロコロ向きを変える硫黄+水蒸気の煙に翻弄されつつも、噴出口をチェック。黄色です。

次に向かったのが摩周湖。クネクネした道をのぼっていくと第三展望台の駐車場発見。摩周湖はいつも霧に覆われていることで有名な湖でもありますが(昨年はどの方向に湖があるのかすら分からなかった)、さて今日はどうだ。

摩周湖

見えた。見えすぎるくらい、見える。吸い込まれるような青、新緑の緑が素晴らしい。

摩周湖は周囲を300〜400mの絶壁に囲まれていて川の出入りは全くありませんが、その水位は年間を通してほぼ一定なのだそうです。摩周湖への流入経路は、直接降水、周囲の絶壁に降った雨がしみ込んだもの、湖底の湧水。流出経路は、水面からの蒸発、地下水。これらが絶妙なバランスをたもっているのが理由とのことです。また、摩周湖に流れ込む水が完全に混ざるとすると、湖水が全て入れ替わるのに約111年かかるそうです。「入れ替わる」ことがなんだか不思議な感じがしますが…。

さて、次に向かったのが屈斜路湖。和琴半島から眺めた屈斜路湖が下の写真。

屈斜路湖

大人な雰囲気で、これもまた素晴らしい眺めでした。明日は釧路。

阿寒→釧路

5日目

今日の目的地は釧路です。

カーナビに目的地「鶴居」を入力し、はじき出されたルートが「道道1093号・阿寒公園鶴居線」。地図を見てみると確かに直通で最短な感じ。とりあえず行ってみるかということで阿寒横断道路を走っていましたが、1093号へ入るであろう位置にそれらしき交差点が見えないのです。まあ近づけば見えるだろうとクルマを進めると、ありました。完璧な林道。

今この文章を書いているときに道道1093号の呼び名を調べようとして検索してみたところ、「カーナビの最短ルートで鶴見峠を抜ける道道1093号線が検索されても避けること。未舗装で急カーブが多く危険で事故が多発している」という文章が。なんと。突っ走ってしまった。途中他のクルマに出会うことがなかったのでおかしいなと思ったのですが、なるほど、避けるようにいわれている道路だったのですね。

砂利道の林道がずっと続き、峠道でかなりのアップダウンがありますが、運転好きな人にはおもしろい道路です。下の写真はヒョウタン沼付近と鶴見峠付近。

1093号線 鶴見峠

峠を越えてしばらくするとようやくアスファルトになり、牧場が現れます。ほっと一息ついてクルマを見ると、このまま返却するのは申し訳ないほど砂埃まみれ。

牛

鶴居村では「道産子(どさんこ)」に乗りました。北海道産の馬のことをそう呼ぶそうで、北海道の冬でもそのまま外で飼うことが可能なほど寒さに強いそうです。写真は馬の「休め」の姿勢。左後ろ足に体重をかけ、右後ろ足の力を抜き少し上げいます。馬も休めをするんですね。また、馬も汗をかく、ということを初めて実感しました。馬具に接している場所がうっすら湿っていました。

馬の「休め」 馬の汗

次の目的地は、コッタロ湿原展望台。コッタロ湿原は釧路湿原の北にある少し小さな湿原です。息も絶え絶えになりながら階段を上り、登りきったところで目の前に開けた景色が下の写真。

釧路湿原

引き込まれるような空間に言葉もありませんでした。コッタロ湿原展望台は湿原を横断する道路沿いにある展望台のため、湿原に取り囲まれる感じが味わえます。また、湿原がかなり近くに見えるので、湿原にいるシカやツルが肉眼で分かります。摩周湖の第三展望台が好きな方は、細岡展望台よりコッタロ湿原展望台の方が好みかもしれません。

釧路港からの夕日 釧路のホタテ

その後、無事釧路に到着し、大好物のホタテとホッケに舌鼓を打ちました。大満足。明日は湿原でカヌーです。

釧路

6日目

今日は旅行の最終日、釧路をまわります。

まずはじめに、釧路湿原でカヌーです。細岡カヌーポートから岩保木水門まで、ガイドの方とともにおよそ1時間の川下りを体験しました。この日は大雨でどうなることかと思いましたが、無事ゴールまで到着。

カヌー 水門

水の上にいる浮いているような揺れているような感覚がとても新鮮でした。カヌーは滑るように進みますし、水面がすぐ横にあるのでアメンボの気分です。カヌーの上からは川岸の動物の足跡や、木の上にいる鷲などを見ることができました。ただ、雨が強くてカメラをとり出すことができず、ほとんど何も撮影できなかったことが心残りです。また、カヌーではレインコートを着ていたのですが、ジッパーのすき間から雨水が入ったのか、ズボンどころか下着までびっしょり。着替えがなかったのでこれにはまいりました。

次に向かったのが和商市場、「勝手丼」で昼食です。勝手丼とは、市場内の総菜屋でご飯を買い、それに刺し身など自分の好きな海産物をバラで少しずつ買って乗せて作る、オリジナルな海鮮丼のことです。たまたまはじめに話をしたお店の方のご厚意で、ウニを安くいただいた上に、勝手丼をやっているあるお店を紹介してくださいました。そこで私が作った勝手丼が下の写真。

釧路和商市場 勝手丼

写真では少なく見えますが、実際はご飯の上に刺し身が積もりに積もっています。ウニなどご飯の半分以上を占める分量があるのですが、押され詰められほとんど見えません。しかし、この分量で1500円ほどでしたので、だいぶサービスしていただいたと思われます。市場の中央にテーブルがあり、ここで作った勝手丼を食します。自分の好きなものが次々と口に入りますし、それぞれが非常にうまい。大満足でした。

今回、和商市場の地下駐車場にクルマを停めたのですが、ここの地下駐車場、暗すぎです。

和商市場の地下駐車場

最後に向かったのが、釧路市丹頂鶴自然公園。ここではタンチョウの人工孵化から飼育まで行っており、タンチョウはつがい毎に天井のない柵で囲われた場所に放されています。下の写真はそのひとつの場所ですが、この広さの場所がいくつもあります。

釧路市丹頂鶴自然公園

飼育員の方にいろいろ教えていただきました。例えばツルはなわばり意識がすごく強いということ。ここの自然公園では柵はあるものの、上は閉じられていません。そのため、飛んで出ていこうと思えばいつでも行ける訳です。しかし、なぜ出て行かないか。それはたとえ出ていっても湿原内で自分のなわばりをもっていないため、いる場所がないからとのことでした(たまに自分の場所を見つけたために戻らないタンチョウもいるそうです)。タンチョウはなわばりの中に侵入した敵に対しては、どちらかが死ぬまで攻撃を続けるそうです。

また、なわばりを主張する鳴き声は、オスが一鳴き、その後続けてメスが二鳴きという三拍子のリズムになっていること。大人と子どもの見分け方…などなど。勉強になりました。

その後レンタカーを返却、今回の走行距離は896 kmでした。

896km

薄曇りの中、北海道をあとにしました。

飛行機からの夕日

さて、早くいつもの生活に戻らなくては。

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